表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人生をあきらめていた男  作者: 眞姫那ヒナ
~大決闘演武大会編~
45/218

『大決闘演武大会』初戦―ガランver―

ガランの初戦が始まる。

男の試合を観戦していたガランは自分も負けじと奮闘する。

しかし、剣士と魔導士2人がかりで攻められ、女の細長い剣に翻弄されるガラン。

ガランはデスマッチで勝利できるのだろうか!?

―――――『観客席』―――――


「ハハハハハッ! 流石レイダスだ!」

俺は、レイダスの試合を見ていた。

実技試験の時からあいつが強いのは知っていた。


しかし、あいつは俺の予想を超えていた。

『太刀筋が全く見えなかったんだ・・・。』


レイダスは全く本気を出していない。

レイダスは相手の攻撃を完全に見切っていた。

俺は、腕を斬り飛ばしたレイダスの剣が全く見えていない。


最後に残った『鎌使い』も相当強いはずなのに、それを瞬殺した。

はっきり言って『異常』だ。


その強さに俺は恐怖を抱くと同時に憧れる。

俺もあいつぐらいに強くなりたい!


レイダスの試合が終わってから1時間後――――


「お? 受付嬢から貰ったアイテムが鳴ってるな。」

『次は俺の番か・・・。』


俺は、武器の槍を持ってフィールド内に向かう。

『緊張するな・・・。』

俺は自分の性格を理解しているつもりだ。

元気で、前向き。それが俺だ!


俺は、フィールドに向かう途中で、両手で顔を叩く。

『気合いだ!気合い!』

俺は、緊張を取って、フィールドに向かって走り出す。


『レイダスが勝ったんだ!俺も勝ちてえ!』


――――『フィールド内』―――――


『俺の相手は左が『剣士』、真ん中が『魔導士』、右が・・・。』

俺が知らない武器を持っていた。


剣だけど――――長くて細い。

俺は右の相手に興味を持った。

女で、和服を着ている。この国で和服は珍しい。

他国の人間かもしれない。


『この試合が終わったら、聞いてみよう!』

俺は、槍を構える。


他の3人も臨戦態勢に入る。


「開始!」

監督役の合図で試合が始まる。


魔導士が魔法を放つ

『魔法/第1番:ファイアボール』!

魔法は俺に飛んでくる。


「うらあ!」

縦に魔法を斬り裂いた。

俺が、魔法に気が取られていると、剣士が横から片手剣を振るう。


「ウっ!」

俺は、左二の腕を斬られたが浅い。

俺は右腕で槍を突き出す。


「うらああ!」

突き出した槍は剣士の右肩に突き刺さる。


「ぐおう!」

剣士は、一旦態勢を立て直すべく、下がる。


『決闘とは違う。視野を広く保たねーと・・。これがデスマッチか。』

俺は、1対1には自信がある。

だけど、多人数に攻めよられるのは好きじゃねー。


『魔法/第1番:ファイアボール』!

魔導士から魔法が飛んでくる。

俺は、今度は回避した。

『さっきみたいに襲われるからな!』


すると、俺はあることに気付く。

『右の女・・・動いてねー?』

細くて長い剣を持つ女だ。開始してから動いてないのだ。


『なんで動かない?それに、この2人もだ。なんで女を攻撃しない?』

俺を攻め続ける魔導士と剣士。

正直うっとうしくて仕方ない。


俺は、右の女に攻撃を仕掛けた。

「くらええええ!」

俺は、女に向かって槍を突き出すが――――――


「止まれええ!!」


観客席から聞こえた大声に止まる。

『誰の声だ?レイダス??』


気が付けば女が目の前まで迫っていた。

『うっ!?』

悪寒がする。

俺は、上体をそらした。


上体をそらしたことで反対側が見える。

剣士が女の細い剣に斬りつけられている。

俺を襲おうとしてたのか・・・剣士は俺の背後にいた。


上体をそらした俺は、地に両手を付けて跳躍すると同時に

女の剣を靴底で弾く。

『俺の靴底は特注なんだぜ!』


剣士から女の細い剣は抜けるが、俺は剣士を逃がすつもりはない。

『散々俺ばっかり攻めやがって・・・。』


「くらえ!!」

俺は、スキルを発動させる。


『スキル:投擲槍』


俺の槍は剣士の胸に突き刺さる。

「これで1人目だ!」

というのも束の間横から魔法が飛んでくる。


『魔法/第1番:ファイアボール』


「うおあ!」

魔法が直撃した。

右半身が暑い・・・。

『やけど状態か・・・くそ!』

俺は、痛みを堪えて剣士から槍を引き抜く。


『魔法攻撃に備えねーと!』

と思っていたら魔導士から悲鳴が上がる。


「あぐああああ!!」

女の剣が魔導士の武器『魔導書』を持つ手を斬りつけていた。

女の攻撃は続く。

腕、首、胴、足と斬撃が魔導士を切り刻んでいく。


「うああ!ぐうおああああ!」

魔導士は仰向けに倒れる。

指を失い、片足は皮一枚でつながっている状態だ。


『俺が言えた義理じゃねーけどよ・・。』

女の笑みが俺にむけられる。

悪寒が背筋を走る。

はたから見たら、『良い笑顔』と思うだろう。

だけど、俺はその笑みが歪んで見える。


『攻め方がわからない!』

俺は、女と一定距離を保ちながら息を整える。


右半身は、熱さと痛みで感覚がマヒしている。

右腕が槍に触れている感触がない。

俺は、内心焦っている。けれど、相手は待ってくれない。


女が動いた。

『速い!?』

細長い剣を俺は、槍で受け止める。

細い剣とは思えない衝撃が手に伝わってくる。


「くっ!」

俺は、痛みと衝撃に声を漏らす。

女は苦しむ俺を見て笑みを浮かべる。

女は細長い剣でついてきたが、俺は、斜め後ろに回避する。


女の攻めは止まらない。


「なら!!これならどうだ!!」

俺は、足で砂をかけた。

女は目に砂が入り、俺が見えていない。


『この女は強い!』

俺は、チャンスと思って踏み込まず、敢えて剣を持つ肩に槍を突きたてる。


「ああ!」

女は声を上げる。

俺は槍を抜く。


『女はひるんでいる。ならば!』

俺は、槍で女の足を地面と一緒にくし刺しにした。


「あああああああああ!」

俺は、武器を所持していない。

だけど、相手の武器を素手で落とさせるぐらい造作もない!

俺は、拳で女の剣を落とさせる。


『女の腕力が攻撃力が高いと感じたのは、俺の体が弱ってるからだ。』

女は、おそらく速度が速いだけだ。

魔導士を切り刻んでいた女の剣を見て確信した。

攻撃力が高ければ、1,2撃で終わるはずだ。


俺は、女の顔を殴る。

「ぐうう・・・・あ!」

『俺は女だからって容赦しない!!』


俺は、女を殴る。

腹を殴れば、顔が出る。顔が殴れば、腹が出る。


女の意識が朦朧としている間に、槍を引き抜く。


「これで終わりだああ!!」

俺は、槍に力を籠める。

槍の刃は女の肩に食い込み、そのまま斜めに斬り込む。

最後に槍を胸に押し込み、貫通させた。


「げぼあああッ・・・。」


女は動かなくなる。

「はあ・・・はあ・・・。」

『終わってくれ・・・俺はこれ以上動けねえ・・・。』


監督役が宣言する。

「勝者!ガラン・レーガン!」


観客席が湧いた。

『俺勝ったのか?』

回復要員が出てきて治療を始めた。

俺も治療される。


「動かないでくださいね?」

回復要員に俺は言った。


「動きたくても・・・動けねーよ・・。」

勝てたけど、ギリギリの勝利だった。

あの時の声がなかったら負けてたかもな・・・。


俺は思い出す。

『止まれええ!!』

あれは、間違いなくレイダスの声だった。

あそこで止まってなかったら、俺は女の細長い剣で貫かれていた。

「あいつに感謝しとかねーとな・・・。」


俺は、回復要員の治療を受けながら勝利の余韻に浸る。

疲れて眠った俺は、担架で運ばれた。


目を覚ましたのは試合から2時間後だった。

カイル「ど、どうしたんですか急に大声なんて!?」

ゲイル「オルドレイ殿!ビックリしたじゃないですか!」

イリヤ「耳が~・・・。」

男「すまん。」

男『勝てて良かったな。ガラン・・・。』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ