『大決闘演武大会』男の3日間
男は『夢見の森』に戻ってきた。
なんとなく自分を鑑定すると、ありえない表示がされる。
「職派生・・・・可能だと?」
『夢見の森 ログハウス』
俺は、夢見の森に戻ってきていた。
『大決闘演武大会』まであと3日。
俺は、資料を読んでいた。
資料によると、毎年100人以上が出場するらしい。
開催から1週間かけて行われるイベントで、
優勝者には『最強の称号』と大金が贈られるという。
人数が、32人になるまで
4人で戦うデスマッチ方式らしい。
4人の内1人だけが、次に進めるのだ。
デスマッチのルール
1、勝者が1人になるまで継続されるものとする
2、戦闘不能者への追い打ちは禁止とする
3、観客席を巻き込む魔法を禁止とする。
人数が、32人になった後は、決闘になる。
1、ルールは両者で決めるものとする。
2、部外者はルールへの異議を認めないものとする。
俺は、32人になった後の決闘について
「おかしいだろ?」と突っ込みを入れる。
例えばの話だ。
決闘のルールで『命』を懸けたとする。
部外者が許さずとも、それが許されるのだ。
俺は、資料を閉じる。
資料の内容はそれで終わりだった。
俺は、3日間『マイホーム』で過ごすつもりだ。
なるべく精神に負担をかけさせたくないのだ。
各々、大会に向け準備をしているだろう。
俺もその準備期間を設けたのだ。
『いらないだろうって? いるよ!俺のメンタルは紙だからな!』
俺はベットに横になって、なんとなく自分を鑑定した。
――――鑑定――――
lv/425 名前/レイダス・オルドレイ
体力/2650000
防御/1350000
攻撃/1900000
速度/1400000
持久力/3600000
魔力/1300000
魔力量/2000000
魔法適正/SSS
剣術適正/―測定不可―
状態:職派生可能
俺は、ステータスの状態に目が言った。
『派生可能だと?』
俺の職は、4つとも最上位の職だ。
これ以上の派生は不可能なはずだった。どうして?
俺は、スキルも鑑定した。
「・・・・・・・・・・。」
多すぎて何がなんだが分からなかった。
魔法も鑑定した。
「・・・・・・・・・・。」
魔法/第40番まで増えてた。
恐らく条件を満たせば、新たな魔法も習得できるだろう。
俺は、どうしてこんな事になっているのか理解できていない。
俺は思い至った。
「あの頭痛か!」
俺は、頭痛に襲われて、倒れたことがある。
倒れていた間俺に意識はなかった。
その時に、俺の体に変化があったのだと考えるべきだろう。
俺は、派生先を鑑定で調べた。
今俺が主に使っている職は、『剣聖』と『聖職者』だ。
それを取り敢えず、1つ上に上げる。
『剣聖』を『英雄王』
『聖職者』を『神聖の神』
に派生させ、変更した。
それにより、新しいスキルも習得。
そして、職を上げたことにより、ステータスにも変化が生じる。
lv/425 名前/レイダス・オルドレイ
体力/6600000
防御/3750000
攻撃/4500000
速度/3500000
持久力/7650000
魔力/3300000
魔力量/7500000
魔法適正/―測定不可―
剣術適正/―測定不可―
状態:職派生可能
『・・・・・・・・。すげー上がった・・。』
俺は、職派生させて変更しただけで、ステータスがこんなに上昇するなんて考えていなかった。
『残りの2つを1つ上の職に上げたら、どうなる・・・。』
俺は息をのむ。
俺は、皆が鍛錬を積み、汗をかいている間に
短時間で簡単に力を身につけてしまった。
罪悪感を感じる・・・。
しかし、嬉しいことが1つあった。
『スキル:精一杯の手加減』が『スキル:体力必ず1』になっていたのだ。
これで、相手の体力は必ず残り、殺さずに済むのだ。
ただ、死ぬ一歩手前で止まるだけで、
回復魔法かポーションを使用しないと相手は死んでしまうのだ。
それでも、俺は喜んだ。
『大決闘演武大会』は観客が大勢集まる。
大イベントで相手を殺しまくるなんて汚名どころではない。
それが回避できるのだから、喜ばなくてどうする。
俺は、キッチンに行って料理を作り始める。
買いだめした食材で、色んな料理を試す。
――――俺の3日間は料理に費やされるのだった。――――




