チートになっちまった
俺は『説明書』を恐る恐る開いた。
呪われないよな?
そこには日本語でこの世界に関する内容が記されていた。
転生したこの世界が『FREE』の世界であることは間違いない。
まず、『FREE』はキャラクターを徐々に強くすることで人気のゲームだった。
採取、採掘、魔物を狩る等が主な収入源であり、素材を加工したり、錬成したり等もできる。
専門鍛冶師に依頼することでより強い武器や防具を手に入れることができる。
もちろん、鍛冶スキルを保有していれば、鍛冶師を通さずとも自分で武器や防具を製作することができる。
しかし、この世界は『FREE』の世界ではあるが、俺の知る『FREE』の世界とは異なる部分がある。
まず、鑑定ができない。
今まで、キャラクターのステータスを確認したいときは念じれば閲覧できたのだが、仕様が変わったのか?
人影(神様?)が置いて行った『説明書』によれば
NPCが自我を持ち、『鑑定石』と呼ばれる鑑定専用の鉱物を作ったという。
鑑定石に触れれば、脳内に自分のステータスやスキルが流れ込んできて閲覧できるらしい。
「もしかして、鑑定石ってこれのことか?」
俺は『説明書』の横に置かれていた鉱物に視線が行く。
てっきり飾りとばかり思っていた。
『説明書』にはこんなことも書かれており早速試すことにした。
『お主は、サブアカウントを多く所持していたようだ。統合しておいたから驚くがいい(笑)』
俺は鑑定石に触れる。
すると、ステータスの数値が脳内に流れ込んでくる。
lv/400 名前/なし
体力/1950000
防御/ 900000
攻撃/1000000
速度/ 900000
持久力/2000000
魔力/ 800000
魔力量/1000000
魔法適正/SSS
剣術適正/SSS
「ん?なんかおかしいぞ壊れてんじゃねーかこれ」
俺は再度ステータスを鑑定する。
lv/400 名前/なし
体力/1950000
防御/ 900000
攻撃/1000000
速度/ 900000
持久力/2000000
魔力/ 800000
魔力量/1000000
魔法適正/SSS
剣術適正/SSS
俺はフッと笑ってから突っ込みをかます。
「完全にチートじゃねーーかあああ!!」
『FREE』の世界ではlv上限が100と決まっており、それが4倍とはあまりにもおかしいのだ。
『サブアカウントを統合』して、と書かれていたのを俺は思い出す。
俺は、『FREE』にはまり、アカウントを4つほど作っていた。lvも全て100だ。
それを全て統合して400・・・。
それでも、このステータスはおかしい。『百万だぞ・・・。百万・・・。』
俺は『説明書』の続きを読む。
『あと、お主のlv上限を開放しておいた。上限は1000だ。www
その他にも、ステータス値が統合では説明がつかないくらい高くなっているのは、私からのささやかなプレゼントだ。www スキルも確認してみるといい。
尚、説明書に記載されていない事に関しては、己で試してみるといい。』
lv上限が俺だけ1000だと?
『ささやかなプレゼントが ささやかさ を通り越してると思うのは俺だけか!?』
おかしすぎる。
俺はつぶやいた。
『神様。人生を謳歌=無双じゃないからな。』
そう思いながら俺は鑑定石に触れ、スキルも確認した。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
スキルのほうもステータスと同じく大体想像はついていた。想像はできていたはずだ。
スキルも統合された影響で量も質も良い。
ただ、その中で俺は取得した覚えのないスキルを目にする。
「――――不老不死――――」
普通なら喜ぶ場面なのだろう。
死ななくて済む。必ず死ぬ人間にとって、喉から手が出るほどほしいスキルにちがいない。
しかし、一度人生をあきらめた俺からしては、恐怖でしかなかった。
前世でつらい目にあってきた。
この世界でも同じ目に合うとしたら・・・
そう考えるとゾッとした。
俺は逃げ道である『死』をなくしたのだ。
何があっても、どんな手を使っても俺はこの世界で幸せを勝ち取るしかないのだ。
俺は心の中で
『余計なものまでプレゼントしやがって』
と唾をはきかける。
感情は前向きでなくとも、俺は人影(神様?)に宣言した。
「人生を謳歌してやる。」
「俺は変わって見せる。」
と
俺にはやるという『道』しかない。
俺は顔を両手の平でバチンと叩いて自分に活を入れる。
「よし!仕方ないからやるとするか!」
『仕方ないから!(2回)』
俺はログハウス内を確認する所から始めた。
男「lv上限1000て・・・」
神様「フフフ。私はお主が気に入ったのだ。このくらいいいだろう?」
男「限度ってのを知らないのはよくわかった。まあステータスに関しては感謝する。」
神様「お主は、ありがとうと言えんのか? まあよいがなw」