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人生をあきらめていた男  作者: 眞姫那ヒナ
~はじまり~
11/218

男は蘇生を試みる

男は、冷静に考えた。

「青年を助ける方法がある!」

男は早速青年に魔法を唱える。

『ボアル・ベア マジごめんなさい!!』

『メイサの森』

俺は青年の死体を眺めていた。グロイ・・・・。


「腹の部分だけ綺麗に食われてやがる。」

少し吐き気がしたが、冷静に考えると青年を助ける方法があることを思い出した。

ボアル・ベアにはほんとに悪いことをしたと思う。

俺は深く反省した。


『聖職者魔法/第9番:死体蘇生』


『ヒーラー』職から派生する『聖職者』になることで習得と発動が可能になる魔法だ。

俺は、『統合』の影響で、他の職でないと得られない魔法やスキルを多く有している。


「ヒーラー職取っといて良かった。」


俺は、青年に魔法を唱えた。


『聖職者専用魔法/第9番:死体蘇生』

青年を中心に緑色の魔法陣が展開する。

そして、青年の体が再生を始める。


『死体蘇生』は死体が残っている場合のみしか使用できないが、

死体になった者を蘇らせることができるという便利魔法だ。


ちなみに回復職の『聖職者』専用の魔法なので、職を切り替えないと使用できない。

俺は、『剣聖』から『聖職者』に職を切り替えた。

この際、剣装備は自動的に外される。職を『剣聖』に戻したのち再装備ということだ。

『聖職者』で『杖』を装備していれば、魔法の発動や魔法による回復速度が早くなったり、魔法の威力が上がる等の効果がある。


「まあ、今の俺には関係ないが。」

青年の体を再生させるのに3秒と言ったところか。

そして―――――青年は目を覚ました。


「うわああああああああああ!!!」


いきなりだった。

青年は、勢いよく起き上がり、腹部当たりを両手でぺたぺたと触る。


「あれ・・・? 俺生きてるのか・・・?」

「俺死んだはずじゃ?」と体のあちこちを触る。俺には全く気付いていない。


『ああ、ビックリした。俺の心臓はガラスでできている。ガラスハートだ!割れたらどうしてくれる!』

と俺は心の中で青年に文句を言うのだった。


そして、青年が俺に気が付いた。


「あ、あなたは??」


『最もな疑問だな。でもな、俺人間と話すの苦手なんだよ。』

俺は青年にどう返事をしようか悩んだ。

『蘇生』したなんて言ったらどうなるのやら・・・。


『あ・・・・あの手がある。』

俺は、心の中で笑みを浮かべた。

青年には少し悪いが、命があるだけでも感謝してもらう。


「俺は、ボアル・ベアに喰われて死んだお前を『蘇生』したんだ。」


「え!?」


『動揺するだろうな。』


本来、職とは最初に選択した職からさらに上位の職へと派生させて行く。しかし、それだけだ。


『剣士』職が回復魔法を覚えたいと、『ヒーラー』職に変えたいと思ったとする。

しかし、変えることはできないのだ。

一度選択した職から、別職に変えることはできない。ひたすら職の頂点を目指す。

これが『FREE』の職システムである。稀に条件を満たすことで、特殊な職が派生することもあるが、

職の『特性』から大きくそれることはない。


じゃあ何故俺は職を変えれる?

これも『統合』の影響だ。『統合様様』なのである。

俺はアカウントそれぞれ職も違う。そのうちの一つが『ヒーラー』職だ。

『FREE』での『ヒーラー』職で、最も高位の職は『聖職者』だ。


俺は、4つのアカウントそれぞれの職を『究極』まで極めた。

魔法の発動条件や習得条件、派生条件、そして職の最も効率の良い戦闘方法まで熟知している。

それを考えると

『俺『FREE』にはまりすぎじゃないか?』

と思う。


青年が動揺するのは予想ができていた。

俺の見た目はどう見ても『剣士』

それなのにヒーラー職から派生して習得できる『死体蘇生』を使えるのはおかしいのだ。


「え?・・・え!? 蘇生ってあの蘇生ですか!?」


「なんだ? 『蘇生』を知らないのか?」


「いや・・・知ってはいるんですけど、蘇生魔法を使える人を見たことがないので・・・」


俺は、青年の発言に疑問を抱いた。

『蘇生魔法を使える人を見たことがない。』

俺が規格外とはいえ、蘇生魔法ぐらい使える人間はいるだろう。


「蘇生魔法を使える人を見たことがないというのはどういう意味だ?」

俺は青年に疑問を率直にぶつける。


「あ・・・えっと、・・・・」

青年は蘇生されて間もない。混乱しているんだろうな。

『しょうがないか。閃いた案を実行するとしよう。』

俺は息を吐く。


「はあ~。」


俺は青年に告げた。

「お前には悪いが、『記憶を消させてもらう』。」


「え!?」

俺は、青年の顔を覆うように手のひらを広げる。


『魔法/第9番:記憶改変』


俺が魔法を唱えると同時に青年は、糸が切れたように倒れこむ。

『記憶改変』は相手の記憶を書き換える魔法だ。きっかけがない限り、今回の件を思い出すことはないだろう。


「悪いな青年。」


俺は青年に謝る。

俺は、出てきて早々だが『夢見の森』に一旦戻ることにした。

ガルムと共に


『魔法/第8番:空間転移』


で『メイサの森』から移動するのだった。


神様「前回の話は暗すぎてみるに堪えんかった。」

男「すいませんでした。」

神様「可哀そうだの~ボアル・ベアwww」

男「ごめんなさああああい!!!」

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