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思いの自覚

主人公が出てきません。

ホセがパトロールを兼ねた散歩から帰ると、クレアの妹であるコーラルが待っていた。


180cmはゆうに超える自分が、155cmのコーラルと視線を合わせるためにかがむと、手紙を渡される。


「今日、王太子殿下に預けられたの。必ずお姉さままで届けるようにと」


まだ幼さが残る顔に、困惑の表情を浮かべ、コーラルは言葉を続ける。


「でも、貴方を経由させてと言われて…。お願いしていい?お兄さま」

「中は見たか?」

「いいえ。

それが、ホセとお姉さま以外の人に見せるなと仰られたの。

だから、中はーー。」


 コーラルの勉強の時間が迫っていたので、会話を切り上げる。


「分かった。俺がクレアに伝えるから。ここまで持って来てくれてありがとう。ヴァイオリンのレッスン、頑張れよ。じゃ。」





****************************





 自分の部屋への帰り道、クレアとコーラルの顔を思い浮かべてみる。


 どちらも若草色の瞳、緩くウェーブのかかったチョコレート色の髪。


 外見的特徴や、美形だという要素は同じなのに、似ていない。クレアは少し柔らかく、前公爵に雰囲気が似ている。しかし、コーラルは、美しい容貌をしていて、母君である前公爵夫人にそっくりだ。


 そのくせして、ふとした時の表情や仕草はそっくりなんだよな。


 微笑ましく思いながらペーパーナイフを握り、封を切る。




親愛なるクレアへ



やあ。


今日は会えなくて残念だったよ。


それに、求婚の答えは、なるべく早く欲しいな。


君の対応次第で、レキシミア公爵家がこの世から消えるかもしれないこと、覚えていてほしいかな。


爵位が心配なら、コーラルに預けておいて、僕たちの子供の1人に継がせればいいよ。


きっと君の大好きなホセ君が力になってくれるはずだ。


賢明な答えを待っているよ。


じゃあね。



P.S 王も、君に会えるのを楽しみにしているよ。



君の愛の下僕王太子フレデリックより





 まるで、脅迫ではないか。


 ホセは、フツフツと、怒りが湧いてくるのを感じた。


 俺の大事なクレアは、こんな奴に渡すわけにはいかない。


 激情に流される一歩手前で、ふと我に帰ると、とても素晴らしい案が浮かんだ。


 自分が、1番クレアを大切にしてやればいいではないか。赤ん坊の頃から、ずっと一緒にいたんだ。


 シアワセニシテヤレル。


 有能な護衛は、恋の好敵手(ライバル)に向けて、手紙をしたためた。


 その顔に、慈愛に満ちた笑顔を浮かべながら…。



実は、この話、手紙が鍵を握っています


そして、なんとなくヒーロー2人が病んできてます。何故でしょう?

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