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作戦会議

ちょっと長くなりました。


「ねえフレッド。

クレアのこと、どうするつもりなの?

わたくしはもちろん賛成だから、できる限りの協力はするわ。

でも、クレアは女公爵、貴方は王太子。

結婚は簡単じゃないわよ」



「大丈夫ですよ母上。

邪魔な人間は引きずり落としてでも、欲しい物は手に入れる。

それが私の信条です。

クレアは、誰が何と言おうと、私の妃になるべき女性なのです」




 王族専用の宮である、水仙の宮。



 その宮では、国王と王太子が、今回の王族結婚について話し合っていたはずだった。



 しかし、そのピリピリした雰囲気は、この国の国母が走って来たことによって、跡形も無く消え去っていた。




「だがな、フレッド」




 今度は国王が口を開く。




「私はお前のことなどはっきり言ってどうでもいいのだ。

あの可愛いクレアすら幸せになってくれたら。

まあ、クレアが義理の娘になる。

それが楽しみで、結婚には協力してやるつもりだがな」




 早く息子に結婚させたい母と、姪を溺愛し、彼女に対して過保護な父。



 相変わらずな両親に苦笑いしつつ、1番聞いてみたかった質問を投げかけてみる。






「では、私たちの結婚の障害となるものは何だと思いますか?」




 孫の名前は何にしようかなどと、気の早い話をしていた2人は、息子の質問に、真剣な顔になる。




「やはり、公爵家の後継だろう。

クレアは責任感の塊だからな。

自身が12で爵位を継いだとはいえ、妹はまだ13だ。

結婚など、微塵も考えてはいないだろう。

その上、フランツル侯爵家がなんと言ってくるか……」

「ええ。

あの家の令嬢は、確かに外見だけならいいけど、あの性格がねえ。

義理の娘で次期国母なんて、冗談でもあり得ないわ」




 フランツル侯爵家は、建国当時から王家に仕えている、名門貴族だ。


 しかし、現当主は、見栄と欲に生き、そのためなら、どんな悪事にも手を染めるような人間で、さらなる権力を求め、18歳の娘、セシリーナを王太子妃にしようと目論んでいる。



 そのセシリーナは、父親の影響もあってか、自分は他人の上にあって当然、と自己中心的な考えの持ち主であり、自分の他に、国母にふさわしい人間はいないと公言し、フレッドのことも、当然のように『フレッド様』と呼んでいるのだ。




「クレア以外と結婚なんてごめんです。

それに、フランツル侯爵家なんて、どうとでもなる。

本当に邪魔なのは、たった1人ですしね……」



 彼は、『白い悪魔』の笑みを、城下に向けた。


恋愛レベルは、桜色くらいです!

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