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愛の言葉、プリーズ!
今日は、クレアとフレッドの結婚式が執り行われた。
時刻は日本で言うところの10時ごろ。
つまり・・・
初夜 なのだ。
だが、寝室から聞こえてくる音は、愛の言葉ではなく、カリカリという、ペンを走らせる音。
実は、30分ほど前、2人の間で、こんな会話があった。
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「フレッド、今日は初夜です」
「ああ、そうだね」
「つきましては、お願いがあります」
「?
なんだい?
離婚話じゃないならなんでもいいよ?」
そう花婿が答えると、花嫁は、顔を輝かせた。
「もちろん違います。
お話、と言いますのも、わたしは、つい先日まで、公爵でした。
兄に爵位は譲りましたが、こなさなければならない執務は残っています」
フレッドは、つい1分前の自分の発言を呪った。
「しばらく、寝室でも、仕事をしたいのです」
クリティカルヒット
王太子殿下、1000のダメージ
しかし、なんでも叶える、と言ってしまった手前、ダメだとはいいづらい。
愛しい新妻のうるうるおめめで見つめられ、許可を出してしまったのだ。
それから1週間ほど、夫は、妻の一所懸命な顔を見ながら、たっぷり寝ることになりましたとさ。




