21/30
20 本性
「貴女は、とても幸福な人だ・・・。
お嬢様からのプレゼントは、死です!」
いきなり剣を抜き、襲いかかってくる男と距離を取り、一振り目でわざとかすり傷を作り、叫びながら、リリアが仕立ててくれたドレスの中から、此方も剣を取り出す。
「はっ。
貴族の令嬢ごときが、この俺に勝てると思っているのか!」
本性を表し、目をギラつかせる男のなんと醜いこと。
内心、ため息をつきながら、努めて冷静に言い返す。
「ただの令嬢なら無理でしょう。
ですが、わたしは、女公爵として必要な筋力はつけていましたし、」
そこで一呼吸置き、黒い笑顔で、ニッコリと告げる。
「ホセ・リィ・アネンシア、いえ、ホセ・アルマンから、直々に稽古をつけてもらっていますの」
「なっ。
そんな筈ない!
お前のような細腕で、剣がまともに操れるわけがない!」
ガサッ
「それはどうだろうな」
茂みの中から出て来たのはーー。
あと少しで完結です!




