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10 人の弱点
朝、それは、クレアが1番嫌いな時間帯だったりする。
昔から、朝だけは、どうしてもだめなのだ。
医師からは、大人になるにつれて、よくなるだろうと言われているが・・・。
この日も、薄い意識の中、どれだけの時間が過ぎたかわからないまま、リリアが起こしに来てくれるのを待つ。
「クレア、いいか?」
いつもとは違う、でも、聞き慣れた声。
夢うつつで返事をする。
「どうぞぉ」
部屋に入ったホセは、クレアがまだ横になっていることに驚いたようだったが、すぐに納得したようだ。
「お前、まだ朝だめなのかよ。
もう17だろ?公爵閣下」
思いっきりからかってくる口調にムッとしながら、要件を聞く。
「いったいなんなんですか?」
すると、彼は、急に真顔になって、おかしなことを喋り出した。
「俺さ、お前のこと、好きみたいなんだよ」
さ〜行け!
最後にクレアの手を取るのはいったい誰だ〜!!!




