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あんただれ?

おじいさんのありがた~い おはなし。

それからも、よひょうは毎日つうの世話をしていたそうな。

なにしろ魔法が使えるので、一個のイモでも おごちそうに変えることができるのだから、順調に餌付けは進んでいたそうな。


その様子をのぞいていたお杉かーちゃんは、ためいきをついて、

「ありゃ だめだね。まるでペットじゃないか。」

「かーちゃん、ペットって わんちゃんか?」

「ワンチャンあっても ありゃポンコツだぞ。」

「おら、ぽんこつより とんこつのほうが好きだなぁ。」

「おまえ、なんか話がかみ合わんなぁ。まあ、今日も一日一善。なんかいいことしておいで。」


というわけで、又八はらーめん屋でとんこつらーめんを食べてから畑に行くことにしたそうな。らーめん屋には、サルのお面と、キジのお面をかぶった男たちがいたそうな。


さて、又八が畑に近づくと、道端におじいさんが、しゃがみこんでいた。

「どうしただ?」

「いや、供のイヌとサルもいたんじゃが、いなくなったところに持病のしゃくが……。」

「これを」

と、又八は、持っていたお土産用の宇都宮ぎょーざと、水の入った水筒をさしだした。

「おしい!でも、これで少し元気になりましたぞ。」

「んじゃあ、おらの弁当の……。」


「ぱらららったらー! 水戸なっとう!!!!」


「おお!これが食べたかったのじゃ」

おじいさんは、急に元気になり、走っていってしまった。

「おーい、じいさん!くるなら、じいさんじゃなくて、娘さんにしてくれ~!」

と、叫んだが、聞こえたのか、どうかわからなかったそうな。



さて、その夜

こんこんと、又八の家の玄関の戸を叩く音がしたそうな。

「キターーーーーー!!!!」

と、又八が急いで玄関の戸を開けると……。


「又八や、誰が来たんだい?」

「かーちゃん、わんちゃんきた!」

「おー、わんちゃんきたか。どれどれ……。」

そこにはイヌの仮面をかぶった男が立っていた……。


「わたしたち、旅の途中で、一夜の宿をお借りしたいんですが……。」

「お嫁さんじゃないのか?」

「お嫁さん?おじいさんならおりますが……。」 

なんと、イヌの仮面をかぶった男の後ろには昼間のおじいさんが……。

「おお、先ほどは助かりましたぞ。」

「あのじいさんか。まあ、泊まっていきな。」


さて、お杉かーさんが、肉じゃがと干しいもを出して、おごちそうしていると、

突然、天井からキジの仮面をかぶった男がおりてきた。

「なんか、隣の様子が変ですぜ。」

「ふむ、お杉さんや。隣はどんな人なんじゃ。」

「よひょうって男が、若い娘と住んでるんですがね。」

「ふん、うらやましいことですな。」

「それがね、娘さんを一歩も外に出さないんですよ。」

「んだ、最初に助けたのは、おらだ。」

「ご隠居、これは何かありますね。」

「んだ、らちかんきんってのと、ぱぱかつってのをやってるそうだ。」

「それは、いけませんな。助さん、格さん ちょっとこらしめてやんなさい。」

なぜか、サルの面をつけた男も外に待っていた。


イヌの仮面と、サルの仮面が、よひょうの部屋に飛び込むと、驚いてよひょうは、立ち上がった。

美しい娘の姿におどろいた助さんが

「娘さん こっちへ」

と、つうの手をとって連れ出そうと、三歩あるくと……。

「ん、あんただれ?」

「おれは助さんってもんだ。助けにきた。こっちへ逃げるんだ。」

「おれのおつうをどうするんだ返せ!」

よひょうは、おつうを取り返そうとするが、サル仮面にとりおさえられて動けない。

「娘さん、この男は?」

「ん?」

つうは、ちょっと考える様子だったが……。

「わかんないや、知らないおじさん。」

「おつう!まだおれがわかんないのか?」

「娘さん。こんなこと言ってるけど、ほんとに知らないのか?」

「ん~。たぶん すとーかー。」

よひょうは、サル仮面に気絶させられ、その間にイヌ仮面は、つうを外に連れ出したそうな。


「ん、あんただれ?」

「おれは、助さんだって、さあ、今のうちに逃げな。」

背中をおされて、つうは町の方へ駆け出していった。


そして 立ち止まると

「ん?」

つうは、なんで走っているのか、思い出せなかったそうな。



【ごきょうくん】

おじいさんとの約束だよ。

両方の意見をよく聞いて判断することが

大事だよ。


紋所は目に入りませんでした。

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