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またはち

おじいさんのありがた~い おはなし。

 さて、このよひょうの隣は、又八という若者が、お杉という年老いた母親と住んでおったそうな。


 最近、隣のよひょうの家から

「うちの おつうはかわいいな 美しいな。」

と、いう声がしょっちゅう聞こえてくるようになって、どうやら、よひょうは嫁をもらったらしいのだが、嫁は外に出てこないし、声も聞こえない。それで、どんな娘か。又八は、気になって、気になって、とうとう壁に穴をあけて、こっそりのぞいてみることにしたそうな。


 あけた穴からのぞくと、この世のものとは思えないほどの美しい娘が、座ってご飯を食べていて、

「すいーつもあるからな。それにしても おつうはかわいいな、美しいなぁ。」

 つうの横で、よひょうがうれしそうににこにこしていたそうな。


「いたっ!」

「あんた。 なにをよそさまの家をのぞいているんだい。」

 いきなり お杉かあさんに耳を引っ張られた又八は、

「隣の嫁が、美しくて、おらも あんな美しい娘が嫁にほしい。」

「何言ってんだい、どんなもんか見てやるわい。」

と、お杉がのぞくと、とても美しい娘が、ご飯を食べている。

「いいもん食ってるね。でもなんで、よひょうのやつは食ってないんだ。 あ~ぁ、飯はよひょうが用意してるんだ。うむ、なるほど…。」

「又八、あんた わんちゃん あるかもよ。」

「かーちゃん、それはふりんっていうんだぞ。」

「いや あれは夫婦じゃないね。ぱぱかつってやつさ。」

「ぱぱかつ?」

「若い娘が、おじさんにおいしいご飯や すいーつてもんを食べさせてもらって おこづかいをもらうってやつさ。」

「かーちゃん、おれも ぱぱかつして おいしいご飯や、すいーつってもんが食いてえ。」

「ばかだね。あんたは おこづかいをあげるほうだよ。それにさ、通報されたら、けーさつで かつどん食べることになるよ。」

「かーちゃん、おれ、かつどんも食べたい。」

「ばかだねえ、けーさつで食う飯は くさい飯っていって、とてもくさいんじゃぞ。」

「あのくさったろうくらいか?」

「あのくらいは くさいじゃろうね。」

「じゃがのう あのかわいそうな娘を助けてやったらどうかのう。おんがえしってやつじゃよ。」

「いや、かーちゃん。この前、傷ついた鶴を助けたけど、なーんもなかったぞ。」

 なんと、あのときの こころやさしい若者は又八だったそうな。

「世の中、そんなもんよ。ま、そのうち娘は出ていくと思うぞ。」

「いや、いや、かーちゃん。あんな美しい娘が、よひょうとあんなことやこんなことを…。」

「あの様子じゃ 大丈夫じゃろ。よひょうはなーんもでけん。」


 その夜、又八は、壁に耳をあてていたが、よひょうのいびきしか聞こえない。

 のぞいてみると、おつうは黙って座って、おいしそうにすいーつを食べている。

「かーちゃんのいうとおり なんにもおこらないなあ。」

 それで又八は、かあちゃんのいう わんちゃんを 待つことにしたそうな。



 そんなあるとき、隣から言い争う声が、聞こえてきたそうな。

 その上、外は妙に陽気な音楽がながれている。

「うるせーぞ!」

と、お杉かーちゃんは壁をどーんと叩くと

「これは もめてるみたいじゃの」

「かあちゃん わんちゃんか?」

「おお、おこづかいの件で、もめとるようじゃ」

「かーちゃん、助けにいこうか?」

「まてまて、おー、よひょうも悪いことしてるようじゃの、おまわりさーんって、助けをよんどるぞ。」

「かーちゃん、おまわりさんよぶか?」

「いやいや、話がまとまったようじゃのう。もうすぐ出てくるぞ。今じゃ。」

「かーちゃん、なんと 声かけたらええんじゃ。」

「うまい飯でも食わしてやるってでも言えばついてくるさ。」

「そうか やってみる」



「ありーす。いちごね。こんど案件あったら、もっと積んでね。」

 つうは意味不明な言葉を唱えて、外に出てきた。

 それから町の方へ 三歩ほど歩くと立ち止まってしまった。

「あれ?なんだっけ? まあいっか。」


 そこに又八が追いついて

「お、お、おじょうさん。うまい飯でも……。」

「飯だけ?」

「いや、ほかにもいろいろ、すいーつとか、」

「とか?」

「いちごとか」

「また、いちごかよ、まあいいか。」


 又八はおつうを家につれて帰ると。

「かーちゃん、うまい飯!それにすいーつと、いちご」

「おうおう、待ってな。」

 お杉かーちゃんは、肉じゃがと、干しいもと、かごに盛った真っ赤ないちごを持ってきたそうな。

「これ、うまい飯?うけるー。」

「かあちゃんの肉じゃがは うまいんだぞ。」

「これも食いな。すいーつじゃ。」

と、お杉かーちゃんは、おわんにたっぷりの おしるこをだしてきたそうな。

「てか、すいーつって言わないから、帰る!」

と、いって立ち上がると、ばーんとおわんをひっくり返してしまい、おしるこが、おつうの着物にたっぷりかかってしまったそうな。

「あらあら、着替えが必要だね…。そうじゃ、わしが若いころにつかってた着物があったかねぇ。」

というので、隣の部屋で、おつうは着替えることにしたそうな。

「けっして、見ないでくださいね。」


「見ないでくださいね」って言われると、見たくなるのがお約束なので、又八は気になってしょうがなかったそうな。で、こっそりとのぞくと。



 しろい、しろい、しろい……女の子の、は、は、は? 羽?

 なんと つうの着物の下は白い羽…なんで? 鶴?

 なんと よひょうは着物の下を知らなかったそうな。。


 又八がおどろいていると、おつうと目が合ってしまったそうな。

「とうとう、見てしまったんですね。あなたが親切にわたしを助けてくれたから、少しでも恩を返そうと……。もうわたしは、ここにいることはできません。」

 なんか学芸会のセリフのようだ。

「いや、なんでここで、原作に返るんだ?」

「さようなら…。」

 つうは出ていってしまったとさ。




「つう、戻ってきてくれたんか?」

「ん、あんただれ?」


【ごきょうくん】

おじいさんとの約束だよ。

「けっして見ないでください。」はお約束だぞ。


何故かパパ活女子になってしまうw

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