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三歩歩くと……。

おじいさんのありがた~い おはなし。

よひょうの嫁探しは、なかなかうまくいかなかったそうな。


 砂浜で子供たちにいじめられていたカメを助けたら

 海の底に連れていかれて、おぼれそうになるし、


 おばあさんに舌を切られたかわいそうなスズメを助けたら

 竹やぶの中に連れていかれて、虫に刺され、ヘビに襲われるし。



 そんなある日、田んぼの傍を歩いていると一羽の傷ついた鶴がおったそうな。

「本命キター」と喜んで助けようとすると、突然、心優しい若者がやってきて、手当てをして去っていったそうな。


「待って、それは、おれの、おれ、おれ……。」

と、どこからか軽快なサンバのリズムが流れ始めた。


 そして、金ぴかの衣装を着て、白い馬に乗った男が現れて、歌い始めた。


 よひょうが、あぜんとして ぼーっと見ていると……。


「踊ってくれなきゃ、やだやだやだやだやだ。」とだだをこねだした。


「あれが、かの有名な……。」

「あまえんぼう 将軍!!!」


「成敗!!!」

と、将軍様が唱えたので、よひょうはあわてて鶴を守ったそうな。



 そして その夜

 とんとんと、よひょうの家の玄関の戸を叩く音がしたそうな。


「キターーーーーーーーーー!!!!!」

 戸を開けると、そこには一羽の美しい鶴がおったそうな。

 よひょうは、そこで彼の知っている女性の姿……ぐらびああいどる、ど〇きつねの女の子たち、そして若かったころのやさしい母親の姿を思い浮かべると、鶴は一人の美しい娘の姿になったそうな。


 よひょうは娘に「つう」という名前をつけて、毎日、ぼーっと眺めて

「うちの おつうはかわいいな、美しいな」と言って暮らしたそうな。


 しかし、つうは何をするでもなく、茶の間に座ったまま、動こうとしない。

 それでも、よひょうは、ご飯を用意したり、すいーつを出したり、つうの世話をうれしそうに焼いては

「うちの おつうはかわいいな 美しいな」といって暮らしたそうな。 


 ある日、つうが突然、立ち上がって、

「けっして見ないでくださいね。」

と、隣の部屋に入っていったそうな。


「見ないでくださいね」って言われると、見たくなるのがお約束なので、よひょうは中で何をしているのか気になってしょうがなかったそうな。


 ところが、物音ひとつしないので、覗いてみると、

 なんと つうは ぼーっと 座っていた。

「どうしたんじゃ?」

「ん、あんただれ?」

「どうしたんじゃ?つう!」

「つうって、あたし?」

 つうの中身は、鳥なので三歩あるくと、すっかり忘れてしまったんだそうな。

「で、あんただれ?」

「おれは よひょうだ。つうよ、忘れたんか?」

「つうとか ださぁ。てか、なに? よひょうって うけるー」

「だから、おれだよ。おれ、おれ、おれ…。」


と、どこからか軽快なサンバのリズムが流れ始めた。


 そして、金ぴかの衣装を着て、白い馬に乗った男が現れそうになったので、よひょうは あわてて玄関に鍵をかけたそうな。

 それでも 表からなんか歌声が聞こえてきたので、聞こえないふりをしたそうな。


「うるせーぞ!」と、隣の家から、壁をどーんと、叩く音がしたそうな。


「で、なんで あんたここにいるの?」

「だから、ここは おれの家、おれの、おれ…」

 よひょうは あわてて 口をふさいだ。

「おまえが、見ないでくださいっていうから……。」

「あたし、入ってくんなって言ったんだよね。で、なんで入ってくんの。」

「だから おまえの様子が、おかしかったから……。」

「なに偉そうに言い訳してんの。約束破ったっしょ。あたし傷ついたし…慰謝料!」

「おれは おまえを助けて大切に……。」

「んで あたしを好きにしてたんだ。すけべ!あたし未成年だよ。おまわりさ~ん ここに悪いおじさんがいま~す。おまわりさ……。」

 あわてて、よひょうは つうの口をふさいだ。

「わかったよ。いくら出せばいいんだ。」

「とりあえず ひゃくまんえん。」

「そんな大金、持たないよ。」

「しけてんの。財布にあるだけちょうだい。」

 よひょうは 財布から 一万五千円をわたした。

「ありーす。いちごね。こんど案件あったら、もっと積んでね。」

 つうは意味不明な言葉を唱えると、出て行ってしまったとさ。



 つうが出ていくのを黙って見送ったよひょうは、涙を流して夕方までぼーっとしていたそうな。

 夜になって、外の様子を見ようと、玄関の戸を開けると、そこにはつうが ぼーっと立っていたそうな。


 よひょうは うれしそうに近づくと

「つう、戻ってきてくれたんか?」

「ん、あんただれ?」




【ごきょうくん】

おじいさんとの約束だよ。

「三歩あるくと、忘れる鳥頭」って忘れやすい人のことをいうんだ。

忘れないようにメモをとることを忘れないようにな。

それから知らない未成年にお金をわたすと

おまわりさんが やってくるぞ


シリーズ再編集中です。


鳥頭w

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