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イミTS  作者: 七星北斗
1/1

1.両生類

 物語の冒頭ですみません。

俺、死にました。

 死因は、落下してきた鋼鉄の

パンツが原因です。


 そんなふざけた死に方、

するわけがない?

 そう思うのが、当然だけど。  

でも、死んじゃったんだ。


 死んじゃったんだよ。


 死んだ後、俺は暗闇の世界で、

誰かに呼ばれた。


「目覚めなさい」


 目覚める!!俺は夢を見ているのか?


 その声を頼りにまぶたを上げると、

見知らぬ男女が、目の前で

喜んでいる。


「誰っ?」


 男女が競い合って、

俺の顔に頬擦りをする。


「止めろ!」


 しかし、どうしても声が出ない。

男女を払い除けようと手を伸ばすが、

なんだ!このちっちゃな手のひらは?


 おいおい、ちょっと待て。

指でペタペタ、自分の体に触れと、

やたらプニプニした触り心地。


 俺は、赤ちゃん⁉

まさか…俺生まれ変わった!


 なら俺の前にいるのは、

たぶん両親だな。


「私たちの赤ちゃんは、天使だ。

可愛い女の子だな」


 最初こそ理解できない言語

だったが、聞いている間に

言葉がわかるようになった。


 今聞き捨てならない言葉が、

俺は女の子に転生してしまったのか?


 でも、股間には息子の感覚が!

おかしい、俺は男だよね。

 両親の勘違い…だろうな?


 俺には、知らなければならないことがある、

それはこの世界についてだ。


 現時点では、外国であるのか?

地球なのかもわからない。


 今の俺には、情報が必要だ。


 しかし赤ん坊の体では、

どうしても限界がある。


 ハイハイをして、あちこち調べた。

建物の構造は一軒家の木造。

室内はそこそこ広くて、二階はない。


 家具などを見たところ、

地球のそれと、あまり変わらないようだ。


 人間の利便性を考えると、

文明は違えど、似通う

ものかもしれない。


 両親について、わかったことがある。

母は父と、父は母と呼ばれていた。

 お互いの呼称が真逆なのだ。

そして俺は、娘だと認識されている。


 まさか、性別認識が

逆転しているのか?

 この家が特殊な家庭な

だけかもしれない。 


 結論をあまり急がない方が

いいだろう。ありがたいことに、

時間には困らないことだし。


 しかし赤ん坊生活も、

悪くはない。食べて寝て、

悠々自適はこのことか。


 ふと思った。

赤ん坊って、王様みたいだな。


 もっと自由にしていいのでは?

父親の彫刻?破壊。母のオレンジ

ジュース全飲み。

 極めつけは、父のシャツに

キスマークを。


 自由って素晴らしい。

人生とは尊く、楽しいものだ。

 一生赤ん坊してたい。


 しかし何やら背後から殺気を

感じた瞬間、肩を掴まれてしまう。


 赤ん坊ながら、恐怖を感じた。


 殺られる!

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