066 パーティ加入
アスカはこの一ヶ月で幾つかの風魔法を作り出した。
・追い風
自分の動く方向に追い風を起こして移動を早くする
・フライ
自分の身体を浮かせて空中を飛行する
・エアクッション
ウインドシ-ルドと違い、柔らかい空気のクッションを作り身を守る
・ゼロ摩擦
相手の足元に空気の層を作り、摩擦を無くして移動出来なくする
自分でもかなり反復練習をしたと思う。
ウインドショットも追い風を使いながら練習した。
戦車でいう、走行間射撃。つまり、移動しながら射撃するやり方だ。
自身のレベルも、風魔法を練習しているうちにかなり上がった。
魔法学校卒業時レベル5だったのがレベル15となる。
アスカは一度サイハテブルグに戻ることにした。
今度はせめて話を聞いてもらえそうなパーティに声を掛けてみよう。
冒険者ギルドに入り、隅の方に位置取ると二十代くらいのパーティを見つける。
三人とも戦士のようだ。
アスカはそのパーティに思いきって話しかける。
「あの、私、魔法使いなんですがパーティに入れてもらえませんか?」
声を掛けられたのはジャン達だった。
「へえ、魔法使いか。何かやりたいクエストとかあるのかい?」
アスカはそう聞かれて、身の上話をした。
ジャンは目に涙を溜めている。
「そうか‥‥苦労してきたんだな。今度はお母さんに代わってクエストで稼ぎたいのか‥‥」
ビスマルクも話を聞いてアスカのパーティ加入に前向きになっている。
「それならオレたちのパーティがおすすめだ。オレたちは、こども預かり所に関わっていて、クエスト報酬の一部を寄付しているんだが、他のパーティと比べて報酬は二倍だ」
ウィリアムも補足する。
「1000デルマの報酬なら、2000デルマ受け取って、寄付は四分の一の500デルマ。残りの1500デルマは君のものになる」
ジャンはアスカにやりたいクエストはどれだと尋ねてみた。
アスカは前回受けられなかった山菜クエストを選ぶ事にした。
ビスマルクが説明する。
「このクエストは山菜が採れる場所にいるオ-ガデーモンを倒さなければならない。因みにオ-ガとは関係ないらしく、戦士のデーモンという意味のようだ」
目的地に行く前にアスカは自分の風魔法について説明する。
ジャンは早速興味を示してきた。
「追い風は、オレたちに掛けても移動が早くなるかな」
「まだ試した事がないんですが、最初は加速するような感覚に戸惑うかもしれませんね」
「一回掛けてもらえるかな」
「分かりました。追い風!」
と、アスカはみんなに掛けてみた。
「おおっ!確かにっ、早い!」
三人の戦士たちは未知の強化魔法に戸惑うが、そこはCランク冒険者。少しの練習でコツをつかんだようだ。
「ゼロ摩擦は、どうなっちゃう魔法なんだ?」
とウィリアムが尋ねたので、アスカがウィリアムに掛けてみた。
ウィリアムが地面から少し浮き上がる!
「あれっ!足は動くのに、動けない!」
客観的に見ると、ウィリアムが地面の上でジタバタしていてその場からは動けない状態になっている。
ウィリアムは興奮して言った。
「この魔法、凄いぞ!足は動くけど、踏ん張れないから攻撃力も落とせるはずだ!」
「それと追い風だ!早速実戦といこう!」
ジャンは意気揚々と言った。
山菜のある場所にたどり着いたアスカたちは、その場所を陣取るオ-ガデーモンと遭遇する!




