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059 笑顔の励まし

 ブラウンベアの目標が肉からキャロルに変わる!


 たった今、天に召されたキャロルの背中へ太い腕を振り上げた!


 「おおぉぉぉおおお!」

 ハワードを乗り越え、ブラウンベアに体当たりを敢行した者がいた!


 真ん中のジャン、左側にビスマルク、右側にウィリアムの三人の戦士だった!


 「ブラウンベアはオレとビスマルクで倒す!ジャンはこの家族を頼む!」

 ウィリアムはそう言って斧をブラウンベアに撃ち込む!


 「トリプルスピア!」

 ビスマルクの槍がブラウンベアに猛攻する!


 ジャンはまず、キャロルの安否を確認した。


 だが、背中に砕けた木材が突き刺さっており、脈も止まっていることが分かり、木材を静かに抜いて車の床に仰向けに寝かせた。


 次にロビンを救出しようと状況を見る。


 足が木材に挟まっているのだが、車の下から潜り込まないとその木材を外せないようだ。


 「今、助けてやるからな。少し待ってくれよ」

 ジャンは、あえて笑顔をロビンに見せて車の下に潜り込む。


 車の下なのでジャンがギリギリ身体を入れられる狭さだ。


 進むうちに背中に何かが引っ掛かった痛みが走る!


 ロビンの足を挟んでいる木材に辿り着く。


 慎重に木材を動かしながらロビンに話しかける。


 「そういや名前何ていうんだ?」


 「ロビン‥‥」


 「ロビンかあ。いい名前だ。昔話にそんな英雄がいたよな」


 「そう‥‥パパが英雄ロビンみたいな強い子になってほしいって‥‥言ってたよ」


 ジャンは、ロビンが怖がらないように積極的に話しかける。


 「ロビンはいい子に育ったんだな。泣かずに頑張ってるもんな!強い子だ!」

 

 ほんとはロビンは涙を流して怖かった。


 だが、ジャンの話しかけにロビンは涙を拭い、強い子になろうと耐え始める!


 「もうすぐ動けるぞ‥‥」

 ジャンが狭い空間で木材を何とか動かして、足を外せる隙間が出来た!


 ジャンが下からロビンの足を上に押し上げてサポートすると、漸くロビンは自由になった。


 ジャンは下から身体を出して、次にハワードを救出に移動する。


 車輪に腕を挟まれて動けないハワードにも、ジャンは笑顔で対応する。


 ジャンは車輪の木と木の間に片手剣を差し込み、テコの原理で車輪を破壊すると、ハワードは腕が抜けて自由になれた。


 


 一方、ブラウンベアも、ビスマルクの槍に目を射ぬかれ、ウィリアムの斧による乱撃、ランペイジが炸裂する!


 


 三人の戦士はブラウンベアの討伐のクエストでこの山に来ていたという。


 ふと見るとジャンの背中が血で赤く染まっていた!


 「ああ、大したこと無いよ」

 とジャンは笑顔で応える。


 しかし、ハワードやロビンが見ても自分たちより重症だ!


 ジャンが車の下に潜り込んだ時に何かに引っ掛かり、狭い空間で移動するうちに傷が広がったらしい。


 母キャロルの死は悲しい事だが、ジャンの行動がロビンの将来の目標に変わっていくのであった。



 「ボク、お兄ちゃんみたいな戦士になりたい!」


 ロビンの発言にハワードも驚いている。

 しかし、ロビンは本気のようだ。


 「そうか‥‥ロビンにそう言ってもらえて嬉しいよ」


 ジャンは笑顔を見せて、目標としてもらった以上、今以上に正義感を持って戦っていこうと誓うのであった。





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