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004 本物の騎士

 バルトがギルドの外に出ると、その後から若い戦士系の冒険者が三人ほど追い抜いていった。


 「女にあんなこと言われちゃやるしかねえ!」


 「待ってろよ!手助けしてやるぜ!」


 「オレたちも力試しでここに来たんだ!ビビってる場合じゃねえ!」


 その後をバルトが行く。


 向かいながら久々の戦闘に身体を準備する。


 気持ちを高めていく。


 何のために戦う。


 理由は自分を強くしてくれる。



 バルトが門を開けると、目の前にはシャオランを中心に魔物のアイアンタイガ-と戦士たちが戦闘をしていた!


 みんなアタッカーらしく、己の一撃を隙あらば撃ち込んでいく!


 「発勁!」


 「ファストソ-ド!」


 「ランペイジ!」


 「トリプルスピア!」



 だが、アイアンタイガ-の強靭な身体にはなかなか通らない!


 バルトは思う。


 ベストな状態で撃てていないからだ‥‥


 いくらアタッカーと言えど、地に足をつけ、体重移動した上で渾身のパワーを放てないとダメージは薄くなる‥‥


 そうするためにはヘイトを固定しなければならない‥‥


 それが出来るのは盾役である騎士の私だ!


 「挑発!」



 アイアンタイガ-がギロりとバルトを睨む!


 そしてバルトはアイアンタイガ-を追い越すように走り出す!


 アイアンタイガ-はバルトを追いかける!


 「サークルヒール!」


 バルトが傷ついたシャオランや戦士たちに向けて全体回復魔法を放つ!


 アイアンタイガ-の目の前にはバルトしかいない!


 そして、その周りをシャオランたちが囲う形となる!


 アイアンタイガ-の後ろにサイハテブルグの町があるので、町を狙われない陣形となる!


 「ありがてえ!これで渾身のパワーを撃ち込めるぜ!」


 アタッカーの全力攻撃がアイアンタイガ-に襲い掛かる!


 アイアンタイガ-は本気の攻撃を受け、苦悶の表情に変わってゆく!


 にもかかわらず、アイアンタイガ-はバルトに敵対心を向け続けている!


 シャオランは渾身の技を撃ちながら思う。



 この騎士は本物のタンクだ!‥‥


 あたしらが本気の攻撃を撃ち込んでいるのに魔物の敵対心を固定させている!‥‥


 格上の相手を倒すとき、信頼出来る防御力と敵対心の固定が無ければパーティは崩壊する‥‥


 この騎士は‥‥


 凄い‥‥


 

 アタッカーは攻撃特化だから打たれ弱い。


 場合によっては一撃で瀕死もしくは死んでしまうのだ。


 騎士はその逆で防御力重視。


 そして敵の敵対心を自分に固定させるスペシャリストなのだ。


 戦士三人も感じていた。


 この騎士は格が違う、と。


 

 同じ騎士でも、アタッカーのダメージが深ければ敵対心が剥がれる事がある。


 しかし、片手剣で斬りつけても斧で叩きのめしても槍で突きまくってもアイアンタイガ-の敵対心はバルトから剥がれない!


 だが、アイアンタイガ-もこのままでは終わらない!


 アイアンタイガ-が口を大きく開き、咆哮を放つ!


 草原がビリビリと空気を切り裂く!


 周りのシャオランたちも咆哮の影響で身体が痺れて動けなくなってしまった!


 バルトも正面から受けた咆哮で身体が痺れている!


 アイアンタイガ-がそれを見て後ずさる。


 十分離れると、今度は全速力でバルトに突っ込んできた!


 


 

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