飽くこともない沈み
ビブラートに包まれた心が
癒える事はなかった。
これは防衛反応か、
涙なんかに意味はない。
だけれど自然と潤んでくるのは
素晴らしいはずなのに、
素直に喜べない。
言葉も体も心も嘘偽りなく、
人生すら素直に生きる事が難しい。
傷つくばかりだ。
いっそ人形であるならば
そう思う事まであった。
だけれどえずくようなこの痛みすら
人形には表現できない。
感じることすら禁に感じる。
人形はただ美しくあるためにある。
不変のもの。
時には天使のような微笑みを
時に体が崩れ落ちるような絶望に
それを表現はできない。
掻きむしるように感情を吐露する私は
間違っているように感じる。
人と生まれてこなければ良かった。
そんな綴りを見るたびに胸が締め付けられる。
甘美に感じる情景を
思い浮かべるために声が上擦る。
どうかこのまま感情の高鳴りを
風化しないように掬い上げてるそんな憧憬を