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雲おじさんの世界飛行

作者: 四毬かの

雲おじさんは、空に浮かぶ大きな雲。

フワフワしていてもっふもふ。


風の向くまま気の向くまま、

あの国この国いろんな国へ、

フワフワ訪れ楽しく過ごす。


お仕事だってちゃーんとするよ。


今日きた国はカンカンの、

日照り続きでカラッカラ、

お米が枯れそうさあ大変。


ああダメだこりゃ、

農家の人たち困り果て。


だからおじさん頑張って、

ザザッとひと降り恵みの雨。

みんながバンザイ大喜び。


お次の国は、年がら年中雲だらけ。

雲おやぶんが居座って、

ずっとどかずに居眠り中。

奥さん達は大困り。

お布団乾かず大困り。


そこへ通った雲おじさん。


雲おやぶんを説得したら、

おやぶん怒ってさあ大変。


雲おじさんはひらめいた。

雲おやぶんに近づくと、

パクッと一口食べちゃった。


お腹いっぱい雲おじさん。

風の向くまま通り過ぎ、

日が差し奥さん大喜び。


次に通ったここはどこ?

この国お祭り大好きで、

年がら年中お祭りしてる。

ピーヒャラホイホイ楽しげに、

踊る人たちみな笑顔。

ピーヒャラホイホイ楽しげに、

歌う人たちみな笑顔。


屋台もたくさん出ているよ。


みんなパクパクご馳走を、

頬張りもぐもぐおいしそう。


あっちはタコやき、

こっちはやきそば、

そしてそっちはカステラに、

みんなたくさん大行列。


あれあれどうした綿菓子が、

なくて困った綿菓子屋さん。


よしきた!胸はる雲おじさん。

自分のくもをちぎっては、

棒さし子供にプレゼント。


受け取る子供がパクッと一口、

ま、ま、ま、ま、ま、まずい。


しまったおじさん忘れてた。

大事なお砂糖入れ忘れ。


てへっと舌だしもう一度。


今度は忘れず砂糖をまぶし、

集まる子供へはいどうぞ!


子供は頬張り大はしゃぎ。


今度は成功ああおいし。


お次の国は妖精の国、

妖精さんがお出迎え。


妖精さんは忘れっぽくて、

すぐに迷子になっちゃうの。


今日もえーん!と泣き声が。

おじさん見ると妖精さんの、

子供が迷子で泣いている。


お家がどこか忘れたよ!

おじさん困ったどうしよう?


おじさん子供をなぐさめようと、

白〜い雪をコンコンと、

降らせば子供は大よろこび。


子供がみんなはしゃぐ中、

迷子の子供は泣きやまず、

えんえんえんえんえーんえん。

おじさん困ったどうしよう。


あっちで泣いてた別の子は、

白い雪見て思い出す。

ぼくのお家は白い屋根。

あそこの大きなトンガリおうち。

わーいやったーお家へ帰る。


君も迷子だったのかい?

白い雪見て自分のおうち、

思い出すなら降らせましょう。

他にももっと沢山の、

雪を降らせて見せましょう。


わんわんわんと泣き止まず、

子供はまだまだ迷子中。

自分のお家の場所をまだ、

思い出せずにわんわん泣くよ。


雲おじさん、

今度は赤い色の雪、

コンコン沢山降らせたよ。


迷子の子供はそれを見て、

思い出せずにまた泣くよ。


困った困ったどうしよう。


でもまた別の迷子ちゃん、

赤い雪見て思い出す。


私のお家は赤い煙突、

煙がフワフワ登ってる、

あの家あの赤あの煙突。

子供は笑顔で帰っていくよ。


お次はだいだい色の雪、

降らせてみせましょミカン色。

フワフワふんわりミカン色。


それ見て泣いてた別の子は、

家に生えてるミカンの木、

見つけて喜び駆け足で、

お家に帰ってごきげんよう。


またまた別の子ハッピーエンド。

君はまだまだ迷子かな?

お家は一体どこでしょう?


おじさんお次は黄色い雪を、

降らせてどうだ!と子供みた。


子供はまだまだ泣いている。

黄色もヒントじゃなかったか。


でもまた別の男の子、

黄色い雪見て思い出す。

お家のバナナを思い出す。


この子のお家は庭に木が、

バナナの木々が生えていて、

バナナが沢山取り放題。


またまた別の家の子が、

お家見つけて飛び跳ねる。


まだまだ泣いてる迷子の子。


おじさん今度は緑の雪、

降らせて子供をみたけれど、

これも違うと泣かれれば、

別の子供が緑の雪で、

お家が建ってる遠くの森を、

思い出したら帰っていった。


首を振り振り迷子の子、

まだまだヒントが足りないか?

おじさん今度は青色の、

雪を降らせて胸を張る。


これでどうだと見てみると、

子供はやっぱり泣いている。


一体君はどこの子だい?


お話出来れば良いのにな。


でもまた別の子供さん、

青の雪見て思い出す。

僕のお家を思い出す。


僕のお家はあの海の、

底に広がる大プール、

この子は海の妖精さん、

お家に帰れて良かったね。


これでもダメか、あきらめないぞ!

お次は藍色の雪よ降れ!

綺麗なフワフワ藍色の雪、

それ見て思い出したのは、

またまた別の妖精さん。


この子のお家は染物屋さん、

藍の着物を染めてるよ。

ここがお家だ僕のうち。

喜び踊って帰っていった。


あの子はやっぱりまだ迷子。

まだまだ思い出せないよ。

えーんえんえんえーんえん。


ようしそれなら今度こそ!

紫の雪を降らせましょう。

コーンコンコンコーンコン

紫の雪を降らせましょう。


庭に寝転ぶおじいさん、

紫の雪で思い出す。

ぶどう畑の収穫を、

すっかりぽっかり忘れてた。

大慌てのおじいさん。

まだ間に合うから頑張って。


結局迷子の子供が1人、

思い出せずに残ったけれど、

どうしたものか困ったな。


仕方ないから全部色、

赤だいだいと黄に緑、

青あい紫全部混ぜ、

虹色にして降らせてみたよ。

フーワフワフワフーワフワ、

綺麗な虹色降ってきた。


1人残った迷子の子、

その虹色をみたとたん、

泣き顔消えて笑顔になった。

良かったやっと思い出し、

お家に向かって走っていった。


そして遠くの空を見る。


大きな虹がかかったよ。


大きな大きな、

それは大きな虹だった。


綺麗な綺麗な、

それは綺麗な虹だった。


あの子は虹の妖精さん。


お礼に一本、虹の橋、

素晴らしい橋掛けてった。


雲のおじさんひと仕事、

みんなのお家を探し当て、


今日も明日も明後日も、

風の吹くまま気の向くまま。




お読み頂きありがとうございました。


本作品をベースにした作品、


『雲の王子は空をゆく』


を連載しています。


よろしければ、

そちらもお読み頂けると、嬉しいです。


https://ncode.syosetu.com/n7807ha/1/


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― 新着の感想 ―
[一言] 世界各地に困っている人や妖精はいるのですね。 のんびりのほのほ世界をめぐっている雲おじさんだから、ぽんと解決できるのかもしれませんね。
[一言] 雲おじさんは毎日大忙し。けれど忙しさを感じさせないところがなんとも素敵ですね。 物語全体も、繰り返し歌いたくなるような心地よいリズムで、妖精の子どもたちと一緒に思わず口ずさみたくなりました…
[一言] 楽しく読ませて頂きました。 リズムがあって良いですよね^_^
2021/01/15 16:44 退会済み
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