25
月曜日が一番長い──ような気がする。
いざ一週間が始まってみると、あっという間に過ぎていくからだ。
真紀さんと里穂は、弁当を当番制にした。
月・水が真紀さんで(月曜は来週から)、火・木が里穂。
ちなみに、金曜は僕が自分で作ることになった。
金曜はどっちにするかで、真紀さんと里穂が争いかけたので。
そして──金曜日。
意外なことに、ここまで本庄からのチョッカイはなかった。
僕で遊ぶのに飽きてくれたなら、都合がいい。
ただ里穂いわく、
「千沙が玩具に飽きるのは、壊れたときよ」
とのこと。
なんだ、それ。
僕の未来は壊れることかい。
何はともあれ、金曜も無事終わった。
久しぶりに英樹と下校することに。
英樹がわざわざ誘ってきたわけだが、これは何かあるな。
すると──
「明日の土曜日にダブルデートしようぜ、高尾」
突然こんなことを言いだしてきた。
やはり狙いがあったか。
それに英樹は好んでダブルデートしたがる性格じゃない。
「魂胆は?」
「魂胆なんてものはねぇよ。まぁ強いて言うなら、オレが別れ話を切り出すってだけのことで」
「……つまり、いまのカノジョに別れ話をするにあたって、第三者がいたほうがいいと?」
「だってよ高尾。小夜はキレると怖いんだぜ。2人きりだったら、何をされるか分かったもんじゃねぇ。だが高尾たちがいてくれりゃあ、少しは小夜も自制するだろ」
「そのための口実としてのダブルデートか」
「そういうこった。じゃ、頼むぜ高尾」
「頼まれないよ、英樹。そもそも僕には今、恋人がいない」
「はぁ? 滝崎真紀と付き合うことになったんだろ? 渋井里穂を振って、滝崎に告白したんじゃなかったのか?」
「した、月曜日に。そして振られた」
「訳わかんねぇんだけど。滝崎はお前に告白したんだよな? それも先週の木曜日だ。それが月曜になってお前から告白したら、振られたのかよ」
「そうだよ、英樹」
「なんでだ?」
その疑問はもっともだけど、振られたものは振られたのだ。
「とにかく、ダブルデート作戦は無理なんだ。シングルデートで頑張って」
慌てふためく英樹。
「まてまて。別に付き合ってる必要はねぇだろ。滝崎か渋井を誘ってさ、オレに付き合ってくれよ。オレたち親友だろ。親友は互いのために犠牲になるもんだ」
ここは冷ややかに言わせてもらおう。
「英樹がいつ、僕のために犠牲になってくれたんだ?」
「これから犠牲になるんだよ。だがまずはお前からだ。つーわけで、頼んだぜ明日」
「頼まれたとして、どこに行くの?」
「場所は重要か? 重要だな。そーだな。動物園にすっか」
「動物園? 英樹のことだから、カラオケとかにすると思ったけど」
「動物園って家族で来るのが多いだろ? つまりガキが多い」
「かもね」
「あんまりガキが多いところだと、キレる気しなくね? 少なくともカラオケの密室よりかは安全だろ」
僕は呆れた。
「なんていう基準でデート場所を選んでるんだか」
「じゃ頼んだぜ!」
結局、頼まれてしまった。
さて──。
自宅に帰って、悩む。
真紀さんと里穂、どちらを誘おうか。
深く考えることはない。友達として誘うのだから。
動物園をより楽しんでくれそうなほうにしよう。
つまり、動物が沢山いてテンションが上がるほうだ。
そこで事前アンケートとして、
『動物って好き?』
というメッセージを双方に送信。
まず真紀さんから返信があった。
『犬は好きだよ、高尾くん。犬は』
犬を強調しているのは、全般的に動物likeというわけではないからかな。
数分後、今度は里穂から返信があった。
『動物園に誘ってくれるのね? もちろん行くわよ、高尾!』
里穂……恐るべしこの直観力。
よし、里穂を誘うか。




