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「きゃっ、どこ触ってるんですか!」
「ごめんごめん」
わざとではない。
ミミの背が低いからこうなってしまったんだ。
俺は両手をミミのお腹のあたりに回した。
――それにしても、柔らかかったなあ……。生きててよかった。
てなことを考えていると、いつの間にかけっこう上まで上昇していた。
ミミがニンジンを掲げる。
しかしすぐには振り下ろさない。
やがてニンジンの先端がバチバチ音をたてながら光りはじめ、その光の玉がどんどん大きくなった。
「えいっ!」
ミミがニンジンを振り下ろした。光の玉はスパークしながら地面に突っこんだ。
するとそこから広範囲に、まるで爆発でもしたかのように稲光が四方八方に広がった。
下で俺たちを見上げていた男たちはその光を浴びて、全員地面に倒れこんだ。
「ふう。始めからこうしていればよかったわ」
「みんな死んだのか?」




