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――えっ?
気付けば何処かの平原にいた。
寝ていたので夜だったはずなのだが、そこは日没少し前といった様子だった。
寝転がっていたベッドもなくなり、部屋とはまるで違う場所にいたのである。
「あっちへ逃げてください」
「逃げる? なんで?」
「逃げないと殺されるからです」
「殺される?」
「いいから早く!」
ミミの気迫と「殺される」と言う言葉で、俺は慌てて走り出した。
するとミミの「えいっ!」「えいっ!」という声とともに、後方でなにかが光るのが目の隅に映った。
振り返ると中世の服を着た何十人と言う男たちが、ミミに向かっていた。
ミミは掛け声とともに手にしたニンジンを振り下ろしていた。
するとニンジンの先から稲光のようなものが発生し、迫り来る男たちに次々と当たっていった。
稲光を受けた男はその場に倒れこみ、そのまま動かなくなった。
しかし相手は数が多いし、ミミは一つづつしか稲光を出さない。




