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南国白雪姫

作者: 三矢 由巳

 むかしむかし、とある南の国に王様と王妃様がいました。

 王様と王妃様は仲睦まじく、結婚してしばらくすると、王妃様のおなかに新たな命が芽生えました。

 王妃様は、南国には珍しく降る雪を見て雪のように肌が白く、城から見える火山から噴き上がる灰のように黒い髪の子どもが生まれるように祈っていました。

 その願いがかなったのか、生まれたのは白い肌、黒い髪の美しい女の子でした。

 王様は本当は男の子がよかったのですが、可愛い姫を一目見ると気に入り、王妃様の願いの通り「白雪姫」と名付けました。

 けれど悲しいことに、身体が元から弱かった王妃様は白雪姫を生んで間もなくお亡くなりになりました。

 王様は愛しい王妃の忘れ形見の白雪姫を大切に育てようと誓いました。

 白雪姫には健康で元気で育ってほしいと王様は考えました。

 剣を持てるようになると早速国一番の剣豪に剣を、弓の名人に弓を、槍の名人に槍を学ばせました。

 またもっと大きくなると学問もさせました。

 白雪姫は王様の期待に応え、武道にも学問にも優れた少女に成長しました。

 白雪姫が強く賢くなっていくさまに、王様は王妃様を失った悲しみを紛らわせていました。




 けれど、周囲の家来たちは跡継ぎの男子を望みました。

 この国の王様は男でなければならないのです。

 武を尊ぶこの国では王様だけでなく、家来たちも屈強な武者ぞろいです。

 強い男の王様でなければ、支配できません。

 そこで王様は男子誕生のために、北の国から妃を娶ることにしました。

 白雪姫には、弟が生まれたら、そなたが弟を守るのだと言って。

 白雪姫は父上の命令ということで従いました。

 なにしろ王様はこの国で一番強く偉いのです。

 従わないわけにはいきません。

 それに新しいお妃様は新しいお母様です。

 こんな南の果てまで来てくださるのですから、きっと優しい方に違いないと思っていました。




 新しい王妃が北の国からやってきたのは春のことです。

 美しい王妃に王さまはたちまち心奪われました。

 白雪姫もお母様、よろしくお願いしますと挨拶に伺いました。

 ところが、新しい王妃は白雪姫を見て仰天しました。


「これが、白雪姫?! 嘘でしょ」


 思わずつぶやいた王妃の目の前に立っているのは、屈強な女武者でした。

 身の丈は一メートル八十センチほど。

 重さ三十キログラム余りの鎧に包まれた身は筋骨隆々であることが容易に想像できるような体格です。

 肌も名まえと違って日焼けしてまっ黒です。

 幼い頃から鍛錬した身体はすっかりたくましくなっていたのです。

 やばい。

 王妃は恐怖を覚えました。

 もし男子を産んだら、その子を守るどころか打ち倒して自分が女王になるのではないか。

 ただでさえ郷里から離れて言葉もわかりにくい国に数人の侍女だけを伴って嫁入りしたのです。

 不安な気持ちでいっぱいな上に、未来の我が子を脅かしそうな姫がいるということで、王妃は不安でたまりません。

 それなのに、武骨な王様は全然王妃の気持ちに気付きません。

 これは自分でなんとかしないとどうしようもないのかもしれない。

 誰か強い者を使って姫を倒さなければ。

 王妃は一人自室に籠り、嫁入り道具の鏡を取り出しました。

 この鏡は真実を告げる鏡と言われています。

 王妃は鏡に尋ねました。


「鏡よ、鏡、この国で一番強いのは誰?」

「それは白雪姫」


 この言葉に王妃は衝撃を受けました。

 この国には誰も姫を倒せる者がいないとは。

 王妃はその日から病と称して自室で打倒白雪姫の秘策を考えるのでした。

 王様は大変心配しました。

 国中の医者を呼んで王妃の病を治そうとしました。

 けれど医者には治せません。

 王妃がかかった疑心暗鬼という病は簡単に治せるものではないのです。




 白雪姫は王妃の具合がよくないと聞き、暇があれば見舞いにうかがいました。

 けれど、王妃は恐怖のあまり、面会を断りました。

 白雪姫はそれほどまでに病が悪いのかと思い、なんとか病を治す方法はないかと心を悩ませました。

 悩む白雪姫に配下の騎士が進言しました。


「猪をば召しあがるようにされたらよかかと」

「おお、それはよか考えじゃ。猪の肉を食べれば精がつく。いっき弟も生まれよう」


 白雪姫は猪狩りの支度を始めました。

 でも、これは王妃の企みでした。

 彼女は白雪姫の配下の騎士を買収し、狩り場で銃の事故を装って姫を殺せと命じたのです。

 白雪姫暗殺計画です。

 何も知らない姫は、配下の騎士や犬を連れて猪狩りに出かけました。

 狩場に着くと、すぐに犬が猪を見つけました。

 姫は猪を追い込むと、銃口を向けました。

 が、背後から殺気を感じました。

 姫はさっと振り返り、殺気の発せられる方向に銃口を向け発砲しました。

 狩場は大騒ぎです。

 姫が騎士を殺したと。

 ですが、姫はとどめを刺してはいませんでした。

 騎士に近づき尋ねました。


「わいは(だい)かっ頼まれた?」


 鬼のような形相の姫に問われたら答えないわけにはいきません。


「お、王妃様」


 騎士はそれだけ言って息絶えました。

 姫は衝撃を受けました。

 優しい方だと思っていたのに。

 が、賢い姫にはすぐに理由がわかりました。

 王妃は、わらわを邪魔だと思っていると。

 優しいお母様だと思っていたのに。

 可愛さ余って憎さ百倍の言葉通り、姫の王妃を慕う気持ちはたちまちのうちに憎しみに変じました。

 姫は一計を案じました。




 その日の夕刻、城に無残な死骸が運び込まれました。

 身体は傷だらけ血まみれで、顔もわかりません。

 ただ姫の着ていた鎧を身に着けていました。


「猪を追ううちに姫様は崖から落ち、助け上げもしたがこげなありさまに」


 姫の配下の騎士が涙ながらに言いました。

 王様は叫びました。


「おはんらがついていて、なんちゅうこと。腹を切れえ!」


 そこへ王妃が出てきました。


「この者たちは姫を救おうと必死だったのです。狩りで死ぬなど姫のほうが武芸者として不心得かと。姫一人のために忠臣を失うのは惜しいこと」


 王様は考えました。

 王妃の言うことはもっともです。

 この国は最近隣の国と国境の問題でもめています。

 いつ戦争になるかわかりません。

 騎士を失うのは惜しいことです。

 王様は騎士たちを許しました。

 王妃はこっそりと騎士らに謝礼を渡しました。

 姫の葬儀はしめやかに行われました。




 さて、姫はいずこに行ったのか。

 国境の近くに金山がありました。

 そのあたりに住む七人の男達の元に身を寄せていました。

 彼らは姫の乳母の息子たちで、金山の採掘をする男達の頭をしておりました。

 彼らは姫も見上げるほどの大男でした。

 国境に近いので物騒だからと武芸の腕も磨いていました。

 そこで姫は武者修行をしていたのです。

 毎日朝から晩まで野山を駆け回り、七人の大男を相手に身体を鍛えました。

 また、金山に出入りする者たちから城や他国の情報を探り王妃打倒の計画を練っていました。

 王妃打倒。

 元々そんなつもりはありませんでした。

 でも、自分を邪魔に思っている王妃に命を狙われているのです。

 黙っていれば殺されます。

 殺される前に倒せ。

 姫はそう考え、毎日を過ごしました。

 七人の大男たちも姫の命を狙う王妃を許せませんでした。

 こんなにたくましく立派な主の命を狙うとは。

 大男たちは周辺の領主にも話をつけ姫の味方となる者を増やしていきました。




 一方、城の王妃はめでたくも男子を産みました。

 姫を失った悲しみに打ちひしがれていた王様も元気になりました。

 すくすくと育つ王子に王妃は安堵していました。

 けれど不安はよぎります。

 姫はいなくなったけれど、王子の立場を脅かす者がいるのではないかと。


「鏡よ、鏡。この国で一番強いのは誰?」

 

 鏡に尋ねます。


「それは白雪姫」


 王妃は仰天しました。

 生きていたのかと。

 さてはあの騎士どもはわらわを騙したのかと。

 王妃は騎士の一人を呼び、姫は本当は生きているのだろうと尋ねました。

 最初は否定していた騎士でしたが、美しい王妃の色香に惑わされてしまいました。


「はい、実は北の金山におります」


 王妃は怒りに震えました。

 騎士の話では、打倒王妃のために、兵力を集めていることもわかりました。

 これは謀叛ではないか。

 白雪姫を倒すように王に進言せねば。

 しかし、白雪姫は死んだことになっています。

 猪狩りで姫を殺すつもりであったことを王様に話すわけにはいきません。

 王妃は一人でこっそりと姫を倒すことに決めました。

 姫一人いなくなれば、謀叛など起きるはずがないと。

 王妃は嫁入り道具にいろいろ物騒なものを持ってきていました。

 魔法の鏡だけでなく、魔法の呪文の書かれた本も。

 まず櫛に呪いをかけて髪に触れただけで死ぬようにしました。

 王妃は侍女を身代わりにして城に置き、一人北の金山に向かいました。

 行商人に身をやつし、姫がいるという七人の大男の住まいの周辺をまわりました。


「櫛はいらんかね。上等なツゲの櫛だよ」


 白雪姫はユスノキで作った木刀を振るのに集中していて見向きもしません。

 それでも王妃はあきらめずに大きな声をあげて姫の近くを歩きました。


「お嬢さん、櫛などいかがか。たまには髪をくしけずれば殿方にもてること請け合いじゃ」


 白雪姫はあまりにしつこいので近所迷惑になると思いました。

 この辺りには金山で働く男達も住んでおり、夜勤の者達は眠っているのです。


「櫛などいらぬ。うせよ」


 そう言うと行商人の頭上に木刀を振り上げ気合を込めた声を発しました。


「きぃえええええええっ!」


 あまりの殺気に王妃は一目散に逃げました。




 王妃は作戦を変更することにしました。

 あれだけ身体を動かすならきっと腹が減るはず。

 食べ物なら買うはずと。

 魔法の本にはリンゴに毒を仕込む方法が書いてありました。

 王妃はリンゴはないかと地元出身の侍女に尋ねました。


「リンゴ?」


 侍女は不思議そうな顔をしました。


「リンゴってなんですか」


 リンゴを知らない?!

 王妃には驚きでした。

 そういえば、この国に来てから一年余り、リンゴを食べたことはありません。

 リンゴの木もないような。

 王様にリンゴはないのかとそれとなく尋ねてみました。


「なかど」

「ないのですか」

「それより、こっちのほうがうまか」


 王様が差し出したのはボンタンという赤ん坊の頭ほどの大きさのある柑橘類でした。

 南にあるこの国ではリンゴは育たず、柑橘類や南国の果実が栽培されていました。


「ビワ、小みかん、レイシ、イチジク、バナナ、マンゴー、どれもうまかど。たもいやんせ」


 王様はそう言ってボンタンの分厚い皮を指でむいて王妃に勧めました。

 王妃は近隣の国にリンゴがないか調べましたが、ありません。

 生まれた国に頼めばいいかもしれませんが、今は夏でリンゴはまだ実っていません。

 仕方ないので、他の果物で試すことにしました。

 けれど、ボンタン、小みかんは魔法をかけただけで皮が変色してしまいます。

 ビワはしなびてしまいます。

 イチジクは液体になってしまいます。

 レイシはすぐに腐ってしまいます。

 バナナとマンゴーは悪臭を放ちまっ黒になりました。

 リンゴでなければうまくいかないのです。

 どうすればよいのか。

 王妃は困り果てました。




 さて、一方、白雪姫は着々と力をつけ、近隣の者達を味方につけていました。

 何しろ、姫は強いのです。

 七人の大男が一斉にかかってきても、ひるむことなく相手をし、全員をあっという間に地に伏せさせてしまいます。

 それを見れば誰も逆らえません。

 収穫の時期が終わったら、軍勢を率いて城に乗り込み王妃を倒すと計画を立てました。

 ところがここで問題が起きました。

 近くの国境を隣国が侵犯したのです。

 さあ大変。

 周辺を任されている砦の兵士たちは城に伝令を送る一方、隣国の兵と一戦交えることとなりました。

 白雪姫は自国の危機を見捨ててはおけぬと国境に出向き、戦いに加わりました。

 これまでの修業の成果を見せる時とばかり、姫は刀や槍を振るいました。

 馬上の甲冑に身を包んだ堂々たる体躯の姫が振る槍はたちまちのうちに敵兵をなぎ倒し、首をいくつもあげていきます。

 隣国の兵士は姫が近づくだけで尻に帆を掛けて逃げてゆきます。

 その中にひとり、勇敢に立ち向かう若武者がおりました。

 若武者はなかなかの腕を持つようでした。

 姫は馬から降り、刀を抜いて応戦しました。

 鍔迫り合いになるほどの力に、姫の心は奮い立ちました。

 このように強い男は見たことがない。

 ぜひともこの首いただかんと隙を狙います。

 けれど、若武者もそう簡単にはやらせません。

 姫の刀と若武者の刀は幾度も交わりますが、共に決定的な機会を得られません。

 ですが、若武者の息が次第にあがってきました。

 金山周辺の山々を駆け回って鍛えていた姫は若武者よりも持久力があったのです。

 いまぞと姫は若武者の刀を打ち落とし、首に己の刀を突き付けました。


「ええい、殺せ」


 若武者はよく見ると、色白く高貴な顔をしておりました。

 姫は言いました。


「名を名乗れ。誰とも知れぬ者の首をとるわけにはいかぬ」

「私は」


 若武者は姫の顔をまじまじと見つめました。

 男のように筋骨隆々で色黒ですが、よく見れば鼻筋通り、目はぱっちり、愛らしい唇をしています。

 たちまち恋に落ちた若武者は言いました。


「私は隣の国の王太子だ」


 姫は考えました。

 首をとるわけにはいきません。

 王太子を殺されたら、隣国の者が大人しくしているわけはありません。

 人質とすれば、隣の国との交渉に有利。

 ところが王子は別のことを考えていました。

 この強く美しい女武者と結婚したいと。


「あなたを花嫁にしたい」


 捕われの身になったくせにとんでもないことを言うものです。

 姫は笑いそうになりました。

 が、これは面白いと思いました。

 ここでまた姫は一計を案じました。




 数日後のこと。

 お城に国境の砦から急ぎの使者が早馬で到着しました。


「先日の国境の争いで手に入れた人質を砦の者が城に連れて参るとのこと。間もなく参ります」


 王様はすでに国境の争いで自分の国が隣の国の兵を追い払ったと報告を受けていましたので、大変喜びました。

 人質を使えば、隣の国との交渉が有利に進むはずです。

 さて、王妃はそれどころではありません。

 故郷の国にリンゴはないか問い合わせたところ、新種の早生種があるとの返事を受け、その日の朝にやっと届いたのです。

 王妃は早速リンゴに魔法をかけました。

 リンゴはしなびも腐りもせずに、毒リンゴになりました。

 さあ、これで白雪姫を殺せると思っていると、侍女が王様がお呼びですと知らせに来ました。

 王妃はリンゴをテーブルの上に置いたまま部屋を出ました。

 広間に行くと、ちょうど砦の兵士らが捕虜を連れて入って来たところでした。

 砦の兵士の代表は屈強な身体をしています。

 七人の金山で働く大男もいます。

 彼らに連れて来られた捕虜は色白で品のいい顔をしています。

 屈強な身体の兵士は(かぶと)を取らぬまま言いました。


「この者は隣の国の王子です」

「なぜ、おはんは冑を取らんのか」


 王様の言葉に兵士はうなずきました。


「これは失礼をしました。外では火山が()を降らせておりましたので、つい取るのを忘れてしまいました」


 確かにこの季節はお城の方向に火山灰が飛んでくるのです。

 兵士はあたりに火山灰をまき散らしながら冑を取りました。

 兵士の顔を見た王様、王妃、大臣らはあっと叫びました。


「そなたは、姫……。生きておったのか」


 死んでいたはずの姫が生きていた!

 王様は嬉しいのですが、なぜこうなったのか不思議でなりません。

 すると、姫は言いました。


「命を狙われておりましたので、身を隠しておりました」

「なんと」


 姫はさらに続けました。

 王妃に買収された騎士が狩りで己の命を狙ったこと、死んだことにするため騎士の死体の一部を切り取り姫と偽ったこと、金山の近くで武者修行をしていたことなど。

 王妃は嘘だと叫びました。


「いいえ、嘘ではありません」


 姫に仕えていた騎士が言いました。彼は王妃にたぶらかされたふりをして金山の姫に情報を伝えていたのです。


「王妃は私が北の金山に姫がいると言うと、櫛に毒を仕込んだものを売りに行きました。さらにりんごにも毒を仕掛けるため、故国からリンゴを送らせています」


 王様は驚きました。

 王様は姫を信じるべきか、王子を生んだ王妃を信じるべきか、迷いました。

 結論はすぐに出ました。

 隣の国境との争いで兵を退け捕虜まで捕えた姫と、王子を守るためとはいえ、継子を殺そうとする王妃とでは、どちらがましか。


「王妃を捕えよ」


 王妃は控えていた兵にすぐに捕まり牢に連れて行かれました。

 王様は牢に入っている王妃に処刑前に国から送られたリンゴをせめて食べさせてやろうと思い、部屋に置かれていたリンゴを与えました。

 王妃はリンゴを見て恐怖に震えました。これは毒リンゴなのです。

 けれど食べないわけにはいきません。王様の最後の情なのですから。

 こうして王妃は毒リンゴを食べて息絶えました。




 さて、この後白雪姫はどうなったのでしょうか。

 王様の後を継ぐ王子様の気持ちを考えると、国にいるわけにはいきません。

 王子様が母上の敵討ちをすると言いだすかもしれません。

 同じ国内にいれば国が分裂する恐れがあります。

 結局、隣の国へ捕虜の王太子を返し、王太子と結婚しました。

 政略結婚です。

 国境をお互いに侵さないという条件付きです。

 一見、対等そうに見える条件です。

 でも、王太子は結婚する前から白雪姫に完全に尻に敷かれていました。

 姫の言いなりです。

 王様になった後も姫の言いなりでした。

 白雪姫が強い姫様だから?

 いいえ、少しだけ正しいけれど少しだけ違います。

 夜が来るたびに、王子様は姫に逆らえなくなっていきました。

 詳しいことは大人の事情でここでは書けません。

 これは童話なのですから。

 二つの国はその後交流が盛んになりました。

 やがて、姫の縁で二つの国は強い同盟を結ぶことになりました。

 こうして白雪姫の国と王子様の国は末永く栄えました。

 めでたし、めでたし



 (背景 灰桜)



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