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029_同室のヤバイやつら

「最悪。なんでコイツラが同室なのよ」

冒険者養成所の部屋は相部屋だけど色々配慮して頂き、女性は女性だけの部屋か又は女性多めの部屋だとは聞いてた。確かに4人部屋で3人は女性で嘘はついてない。でもこんなヤバイやつら3人と相部屋だなんて聞いてない!!これなら頭の悪そうな男の冒険者3人との部屋のほうがナンボもマシよ!!


「直哉さん、長旅お疲れ様でした。ささ、疲れた体は此方のベッドで癒やしましょうね。もちろん私が寝るまで添い寝してあげますので」長身で銀髪のダークエルフが私と同じぐらいの男の子を後ろから抱きかかえて、今まさにベッドに連れ込もうとうとしてて。


「ねえ、貴方さっきから直哉の事見てるけど、何死にたいの?」私の横に立ってるウエスタンガール風の九尾の狐は座った目で、私を睨みながらよく分からない事言ってるし、てか何死ぬって、見たら殺されるとかこんな狭い部屋でどうすればいいのよ!!


「ジルーーー、他人様に迷惑掛けちゃいけません!!ほら、こっちきて一緒にセシリア引き剥がすの手伝って!!」ベッドに連れ込まれたさっきの少年が救世主に見えてきた。


「直哉が私をベッドに誘ってる、もーお昼から元気なんだからー」横の狐がベッドに飛び込んで行き、彼は二人にもみくちゃにされていく。ああ、お母さんが私を送り出してくれた日が懐かしい……もう冒険者諦めて家帰りたい。





「カカー、ほら冒険者育成所の推薦書忘れてるわよー」お母さんが乗合馬車に乗る直前の私の所に走ってくる。うわ、ロングイグニスロッドや色んな装備は何度も確認したのに、いちばん大事な物忘れてた。


「ほら、これ大切なものでしょ。貴方はこの村の期待の星何だから頑張ってね」私をお金もあまり豊かでない家で、内職や色んな事を頑張って私を魔法を覚えられるようにしてくれたお母さん。もう45歳も越えて、髪に少し白髪が混じってきてるけど、私の自慢のお母さん。


「うん、私頑張って立派な冒険者になって、沢山お宝を手に入れて帰ってくるね」私は村に訪れた魔法使いの冒険者のお兄さんに憧れて魔法を学び始めた。お兄さんは炎の魔術を操ってゴブリンを倒してたのが本当にカッコよくて、私も絶対ああなるんだって沢山修行をしたし、本も読んだ。その結果、村でも一番の魔術師となり、村で唯一ファイアランスを2本同時に撃てるようにもなった。他の子は出来てファイボールを少し早く打てるかどうか。そう、私はこの養成所でも魔法の成績で一番を取って直ぐにゴールド冒険者まで駆け上がってと思ってたのに……なんなのよあれは!!


ショートシャワーって家庭魔法でしょ。あれって畑に水やる魔法じゃないの?なにあの詠唱速度であの威力。それに接近職ですら一撃で切れてない丸太を一刀両断してるし、出鱈目すぎて意味がわからない。そして、もう一人の九尾の狐はそもそも何なの。私の知識にあんなのなかったわよ。いきなり服の中から樽召喚して、そこから樽を魔法?で発射したかと思うと……思い出したくもない。私が攻撃した丸太は言わずもなが、流れ弾防止用の土山までふっ飛ばしたし。あれこそ、ショートロッドじゃなくて、ロングロッドの長い詠唱必須の威力でしょ。それを何、詠唱無しって。


「すみませんご挨拶も無しに五月蝿くしちゃって」少年は彼女たちの魔の手から逃れられたのか、服の一部がよれて髪の毛もぐちゃぐちゃになってたのを直して挨拶しながらお辞儀をしている。そうよこいつ、こいつが一番意味わからない。紋章師で、彼女たちが強くなった理由は彼に有るらしいけど……こいつがねー。私と同い年ぐらいで、装備はしっかりしてるけど剣の腕は最低だしナヨナヨしてて男らしく無いって言うか。


「あのー、大丈夫でしょうか」


「あ、いえ、大丈夫です。此方こそ宜しくお願いします。一緒に立派な冒険者になりましょうね」あぶないあぶない、考え事始めると周りが見えなくなるのは悪い癖ね。「私はカカ。魔法使いで主に攻撃魔法を担当してて得意なのは炎系です」とりあえず、彼らとはこの学校にいる間は同室なんだし無難に……無難に過ごさないと。彼との挨拶が終わると、今さっきまで布団でわちゃわちゃしてたムチムチのダークエルフが一瞬で身だしなみを整えて握手を求めてくる。


「始めまして、直哉さんの紋章を刻印されてる、セシリアと申します。貴方も魔法使いなんですよね、私魔法使いの方とちゃんとお話するの初めてなので凄く嬉しくて。魔法使いどうし一緒に頑張りましょうね♪」


「え、ええ此方こそ宜しくお願い致します。貴方みたいに凄い魔法は使えないけど、私も同室になれて嬉しいです」私を貴方みたいな化物と一緒の魔法使いの括りにしないで……辛い。


「ほら、ジルも挨拶して」直哉さんがベッドの上で私を睨んでる狐娘に声をかけてる。あの人正直苦手。だって、いきなり死ぬとか言ってくるし。凄く嫌そうなお顔して、ジルと呼ばれた人がこっちにやってくる。


「はじめまして、直哉専用砲術師のジルよ。ねえ、貴方直哉の事どう思う?」え、いきなり何この質問……格好いい→死 格好悪い→死、え、無理ゲーじゃないこれ。ぶ、無難な回答をどうにか。


「彼は優しくて良い方ね。あなた見たいな素敵な人が一緒で彼も幸せでしょうね」とりあえず、性格褒めて、彼は貴方が居るから幸せそうねって言う無難+ゴマすりしてみたけど、どうかしら。


「ふふふふふふ、そうよね直哉は優しくて素敵で、私が側に居るから幸せよね。貴方いい子ね。困った事が有ったら何時でも言いなさい助けてあげるわ」とりあえずピンチは抜けたのかしらこれ。ん?直哉さんの後ろにいるセシリアさんがプルプルと震えてる。


「カカさん、私が居るから直哉さんは幸せなので有ってそこの雌狐は直哉さんを困らせてるだけです、勘違いしないでくださいね」


「は、何言ってるの乳デカエルフ。直哉が私の尻尾に体埋めてお昼寝してるのよく見てるでしょ。良い、直哉は私が居るから幸せなの、貴方見たいな勘違いママ気取りエルフとは違うのOK?」そう言いながらご自慢の尻尾で直哉さんの顔をモフモフしてるし、彼もそれ自体はまんざらでも無いと言うか凄く幸せそうねあれ。


「あらあらあらあら、雌狐が何か言ってますね。良いですか直哉さんは私のお尻でお昼寝するのが大好きなんです。私が仰向けで寝て、そのお尻を枕代わりにするの見てるでしょ。良いですかそんなボサボサの獣臭い物ではなく、私の柔らかくて大きいこのお尻こそ直哉さんを幸せにしてるんです」そう言いながら、セシリアさんが尻尾でもふられてた直哉さんを奪い取ったかと思うとギュッと抱きしめてる。


「いや、あれはセシリアが是非是非って言って、嫌だって言うと母のお尻はお嫌いですかって泣くからですね」


うーん、尻に乗ってるのに尻に敷かれてるとはこれいかに。さて、自己紹介も終わって彼らの事がわかったけど……うん、一緒に生活できる気が一切しないって事しか分からないわね……村帰ろうかな。



何時もお読み頂き有難うございます。ブックマークや下にある評価ポイントや感想を頂けると、今後の励みになりますので、よろしくお願いいたします。


そんなわけで、はじめての第三者視点のみでお送りいたしました。それの結果が、普通の優秀な将来有望な女の子の心を折って、イチャイチャを見せつけられるだけというカカちゃん本当にごめんよ。


さて、更新めっちゃ遅れてしまい申し訳ない。色々理由はあるのですが、ごめんね。

なので、今日明日で直哉くんの千夜一物語を投稿します。あれなら手癖で2時間もアレばかけるので、これでご勘弁頂ければ幸いです。今度の直哉くんは二人にずーっとしゃぶしゃぶされちゃうお話です!!!二人に刻印されちゃうぞ!!

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