閑話休題_直哉くんの千夜一夜物語
とある日、宿屋のベッド。
「直哉お疲れ様。まあ、2回づつとは言えセシリア一人だけの頃から考えれば+1回だしこれで許してあげるわ」淡雪のように白く綺麗な肌に、縁が銀の糸で装飾された黒いロンググローブと黒いオーバーニーだけつけているジルが、ベッドの左端でこっちを見ている。
「直哉さん、本当に私達の胸が好きですよね。何時も終わった後はどちらかの胸に顔うずめてますし」縁が金の糸で装飾されている白いロンググローブと白いガーターベルトだけつけているセシリア。彼女の滑らかな褐色の肌に白い長手袋はなぜこうも艶めかしいのか。ベッドの右側で横になり、終わった後なので汗で湿ってる彼女の胸の谷間にとりあえず顔を突っ込んで休憩中。呼吸をすると、激しい運動の後なので体温も上がってるからか、湿った汗と彼女のねっとりとした花のような香りを胸いっぱいに吸い込む。少しくらっとするけど消して悪い気はしない。
「ねえ直哉さん。凄く変な話なんですけど、前の世界の時では夜どうやってなさっていたんですか」セシリアがごく普通に真顔でデッドボールを投げてくる。
「あら、私もそれ気になるわね」僕の身体に当たって下に落ちたボールをジルが拾ってまたぶつけて来る。ううう、終わった後の楽しいピロートークが、この二人は僕に何か恨みでの有るんだろうか。前の世界の夜なんて、透けるほど薄くスライスした玉ねぎと特売の豚バラをニンニク、醤油、一味、みりん、ごま油で炒めて、お皿に盛ったら生卵落として、甘辛い豚肉としっとりした玉ねぎに生卵に絡めたのをツマミにしつつ、コンビニで買ってきたアルコール強めのチューハイロング缶飲みながら、動画サイトを眠くなるまで見るだけだ。途中でムラムラしたりしたら、画像サイトや好きな作家のSNSを見ながら一人でするぐらいで……本当に異世界にこれてよかったな。
「直哉さん何故黙ってるんですか。もしや私たちに言えないようなプレイをしてたとか」セシリアが俺の頭を少し力強く抱きしめる。そのせいで、より深く強く胸の谷間に顔が埋まり、鼻が肋骨に当って少し痛い。
「……直哉もしかして私達以外としてたのたりしないわよね」ジルの右手が動けない僕の背中に爪を立ててガリガリと削っていく。痛いそれめっちゃ痛い!!
「してない!!してない!!前の世界と今の世界合わせても、君たち二人としかした事無いって」言うや否や、セシリアの腕の力は弱くなり、背中に出来た爪痕にはジルの柔らかくヌラヌラとした舌が傷を優しくなぞっていく。
「その、ごめんなさいね。つい早合点しちゃって」一通り背中の傷を舐め終わったジルが僕の背中から手を回してぺったりとくっついてくる。結果として前はセシリア、後ろはジルの暖かく柔らかい肌で全身をサンドされ、ただただ幸せ。
「ううん、こちらこそごめんね。ちょっと懐かしくてつい思い出にふけっちゃって」
「直哉さん。ではその……お一人で……してたんですか」やっぱ嫌いだちくせう。
「そうですよ、前はお嫁さんはおろか恋人すらいませんでしたよ。夜は一人で寂しく慰めてましたよ」
「あの、その、ごめんね直哉。ほら、今は私達がいるから元気だして」
「有難うジル。君たち二人がいれば一人で寂しい夜はこの先も無さそうだから、気にしてないよ」
「もちろん直哉さんを一人になんて絶対させませんからご安心ください!!」ジルが太ももを僕の身体に巻きつけながら抱きついてくる。
「で、直哉。結局一人でするのは良いとしてどうやってするの?」ジルがニヤニヤしながら耳元で囁くように聞いてくる。
「確かにそれは今後の為にも是非お聞きする必要がありますね」おう、君たち仲いいな本当に。まあ、今さら隠す事でも無いしいいけど。
「その、好きな絵師の絵を見ながら」
「見ながら!!」興奮するセシリア
「自分の手で」
「どっちの手なの!!」興奮するジル
「終わったらティッシュで拭き取ります」
「ティッシュで拭き取る!!」二人がハモるが、すぐに黙って少し顔を見合わせたかと思うと首をかしげる。「直哉さんその、ティッシュとはどのようなものでしょうか?」
「え?」最悪だ、この世界にティッシュなんて有るのか?優しく包み込んでくれて、いざとなれば鼻もかめる万能アイテムのティッシュ。
「その、凄く柔らかくて、ふわっとして、簡単に破けて、水に濡れると雪のように溶ける紙なんですが、こっちの世界に有りますか」
「は?何その魔法みたいな紙は、貴族ですら使ってないわよそれ。そもそも紙なんて高いから仕事で使うぐらいで、使い捨てなんて聞いた事ないわね。ある意味私達とするよりも贅沢な夜を過ごしてたのね直哉って」嬉しくない、全然嬉しくないぞそれ。しかし、無いとわかると恋しくなるのが人の性。今なら駅前で配ってる質の悪いガサガサのティッシュですら、ダンジョンの最奥で見つけた宝物のように思えてくる。
「やっぱそうかー。そうすると一人でするのはこっちでは大変そうだね。だって、布だと正直ゴワゴワして痛いし、紙はおろか葉っぱなんて論外だし……ちょっとだけ寂しいな」
「うう、直哉さんに不自由をかけてしまうなんて、私は紋章を刻印された者として失格ですね」オナティッシュを確保できないぐらいで謝られるとか、一周回って死にたくなるから勘弁して下さい。そんなセシリアが本気で落ち込み、僕がオロオロしてると、ジルが「そっか」と言ってセシリアの肩をゆさゆさする。
「セシリア有る、有るわよテイッシュと同じぐらい良い物」言うやいなや、セシリアが上半身だけガバッと起き上がる。そのさい彼女の胸から僕の頭がこぼれ落ち、湿ったベッドに顔をダイブさせたのはこの際目をつぶろう。
「本当ですかジル、それでその良い物は何処に有るのですか」セシリアが部屋の中を慌ただしく見渡す。はて、そんな便利なもの有ったらとっくに自分が見つけてるはずだが。
「ちがうちがう、ほらセシリア周りじゃなくてもっと近くを見てみなさい」ジルはゆっくりと体を起こし、オロオロするセシリアをニヤニヤと見つめてる。
「もうジル、意地悪しないで教えてください」両手に拳を作って、脇のあたりで上下にブンブンしてるセシリアが可愛い。
「ふふ、ほらこんな所に柔らかくて、使い減りもせず、直哉がだーい好きなテッシュが有るじゃない」そう言いながら、ジルがセシリアの大きく釣り鐘状のメロンほど有る胸を下からゆっくりと持ち上げる。ジルの手が重力に負けたセシリアの胸にゆっくりと沈んでいく。答えがわかったセシリアは両手で自分の胸をゆっくりと揉み、「うふふふふふ」と嬉しそうに笑い、ジルもそれにつられるように自分の胸を揉みながら笑ってる。二人が揉みながら笑ってる光景は正直ちょっと怖い。
「直哉さん、もう大丈夫ですよ。ティッシュなんて無くても私達が直哉さんのティッシュになってあげますからね!!」おう、問題発言やめーや。
「そうよ直哉、これから私達の胸を使って……これティッシュって言うにはなんか違うわね」安心してくれ、根本から間違ってるから。
「ジルそれでは、独りでする時の名前とティッシュをくっつけた言葉にすれば、それ専用感が出て良いと思いませんか」あ、このエルフ馬鹿だ。
「120年の知恵は伊達じゃないわね」90年の君の知恵でもっと頑張って!!
「そう言う訳で直哉、これからは一人でする時は私達の胸をオナティッシュがわりに使って頂戴ね」もう、恥ずかしいを通り越して、聞いただけで悶死しそうな恥ずかしいセリフを、堂々と宣言してくる九尾の狐。いや、無知だからしょうがないと言えばしょうがないけどこれは酷い。
「ささ直哉さん、そうと決まれば1回づつ直哉さん専用オナティッシュを使いましょうね」森に帰したろかこのエルフ。
「セシリア気が合うわね、私もせっかく名前も決まったんだし、直哉に使ってもらおうと思ってた所よ」何言ってるんだこいつら。
「無茶言わないで二人共、さっきしたばっかだって」
「でも直哉さんのこちらはそんな事言ってませんよ」
さっき合計4回もしたばっ……おう、美少女二人に胸をオナティッシュとして使ってと言われてめっちゃ元気になってる。現金すぎだよ君。「ほら、その、あれだ、一人でするにはオカズが……」言いかけて、言葉に詰まる。目の前には銀髪で釣鐘型の豊かな胸をもったダークエルフと、オレンジ色の滑らかなロン毛に綺麗な形で片手では絶対に隠せない、ピンとキレイなロケット型の胸をもったふわふわ尻尾の九尾の狐が、ロンググローブとオーバーニーだけをつけてこちらを見ている。好きなイラストレーターだってこんな素晴らしい絵は描けないんじゃないのだろうか。しかもこれはイラストじゃなくて現実で、僕を優しく受け止めてくれる。
「直哉さんどんなポーズが宜しいですか」セシリアが両手を頭の上で組み、艶かしく濡れた腋を僕に見せつけ「ほら、指示してくれればその通りにしてあげるから」ジルは大きく柔らかそうなお尻と尻尾を四つん這いになってこっちに向けてくる。あれだな、今夜は長くなりそうだ。
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そんなわけで、ブックマーク祝100人とジルの正式加入を記念して、ただただ3人がベッドで途方もなく頭の悪いイチャイチャをするだけのお話でした。本編はどうしたって?タイトルをちゃんと見て、『相方頼みで異世界無双 ~大家庭魔法使いママとヤンデレ砲術師とイチャイチャライフ~』ほら、イチャイチャライフって書いてあるでしょ、だからこれも本編なんです!!いえ、すいませんこう言うのが書きたかったってのも、これ始めた理由でもあるんで……なんで、これからもこう言ったのガンガン突っ込んでいくでのよろしくお願いいたします!!