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クロスオーバー  作者: うみひと
プロローグ
2/4

星降りの夜に〜タカヒロの場合〜

──それはじめじめとした土砂降りの夜だった。


突然だけど、俺は2次元が好きだ。好きで好きでたまらない。

現実がゴミだなんでいう気はない。

ただ、平和に凝り固まり、あまりにも狭いこの世界で必死に夢を探す“人生”ってやつが嫌で仕方がない。

アニメを、小説を、漫画を、2次元を見てみろよ。

彼女達はどこまでも広い世界で、必死に今を生きている。

“シナリオ”によって作られた彼女達は、自由な“人生”を謳歌している。

つまり俺はこう言いたいわけだ。


「現実はみんな死んでる」って


なあ、俺はどうすればいい?

いっそ死ねばいいのか?

違う、死んで楽になれるならとっくに死んでるさ。


こんな、意味の無い無限に続く問答を毎日繰り返して、自己嫌悪と2次元への渇望でいっぱいで。


そんな時、1通の手紙が俺の元へ届いた。


【あなたを本当の異世界へ!】


こんな巫山戯たタイトルから始まる、VRゲームの広告だった。

MMOではなく、従来のコンシューマーRPGにし、クオリティを極限まで上げることにより、まるで異世界に迷い込んだ気分になれる、らしい。

そして、驚いたのがその後だった。

なんと、このゲームを始める際は、会社の運営する施設に入所する必要があり、ゲームクリアまでは出られない状態になるようだ。

その代わり衣食住は全部会社側が負担してくれる、という破格な内容だった。

俺は迷わなかった。


次の日、俺は早速手紙の裏に書かれていた会社の施設へ行き、VRヘッドギアを被った。

現実の容姿そのままに設定し、ゲームへとログインする。名前はタカヒロだ。



そして、俺を出迎えたのは、テレビでも見たことのない、視界いっぱいの流星群だった。




そして、俺の視界から流星群とともにログアウトボタンが消えた。

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