7-12
――屋上。
「あー……亮くん? ここは先生に任せておいて、と、とりあえず、二人に学校の中を案内してきてもらえるかしら? ついでに白乃宮さんも連れて……放課後まで…………」
……という、明らかに責任転嫁であろうという命を受けた俺は、とりあえず言われたとおり結を連れて二人に学校の中を案内し、そしてキチンと二人と話しておきたい……その思いから、半ば必然的に、余った時間を利用し、いつものこの誰もこない場所で、〝話し合いの場〟というやつを設けることにした。
――幸い、昼休みにやっていたドアの修理はもう終わっていた。俺はそのことを確認してから、何もないよりはマシかと思い、いつもの貯水タンクの下……これまた昼食時にいつも使っている、結から借りた黄色いシートを敷き、そこに二人を誘導した。
「……さてと」
結と共に二人の前に正座した俺は、ふー、と気持ちを入れ替える意味でため息をつき、一度空を仰ぎ見てから、再び二人の方を見て話した。
「……あー、えっと……と、とりあえずは自己紹介が先かな? 俺は倉田 亮。結の……その、何というか……幼なじみだ。よ、よろしく……」
はい。と、にっこり、と微笑みを浮かべながら返事をし、青い髪の方、愛ちゃんが話した。
「――私は正式名、〝白乃宮メイド隊・第一席〟、御守 愛と申します。亮さまには常日頃、結さまが大変お世話になっております。私たち共々、どうぞこれからもよろしくお願いいたします」
す……と愛ちゃんは両手を床に付け、深々と一礼をした。それを見て俺は慌てて同じように一礼をする。
「では、今度は私の番ですね!」
と、今度は緑の髪の方。明ちゃんが、はいは~い❤ と手を振り挙げながら元気いっぱいに話した。
「私は正式名、〝白乃宮メイド隊・第二席〟、御守 明で~す☆ 愛同様今後ともよろしくお願いしま~す❤」
「あ、こちらこそよろしく……」
……何だか俺とは違い、全く緊張感がない話し方だな……なんて思ったが、実際、ここまでは教室での自己紹介とほとんど変わらない。――しかしながら、そんな中でも、今一度はっきりと確認できたことが一つだけある。
それが、〝白乃宮メイド隊〟という、あの言葉だ。




