表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/223

7-12




 ――屋上。

 「あー……亮くん? ここは先生に任せておいて、と、とりあえず、二人に学校の中を案内してきてもらえるかしら? ついでに白乃宮さんも連れて……放課後まで…………」

 ……という、明らかに責任(せきにん)転嫁(てんか)であろうという(めい)を受けた俺は、とりあえず言われたとおり結を連れて二人に学校の中を案内し、そしてキチンと二人と話しておきたい……その思いから、半ば必然的に、余った時間を利用し、いつものこの誰もこない場所で、〝話し合いの場〟というやつを(もう)けることにした。

 ――幸い、昼休みにやっていたドアの修理はもう終わっていた。俺はそのことを確認してから、何もないよりはマシかと思い、いつもの貯水タンクの下……これまた昼食時にいつも使っている、結から借りた黄色いシートを()き、そこに二人を誘導(ゆうどう)した。

 「……さてと」

 結と共に二人の前に正座した俺は、ふー、と気持ちを入れ替える意味でため息をつき、一度空を(あお)ぎ見てから、再び二人の方を見て話した。

 「……あー、えっと……と、とりあえずは自己紹介が先かな? 俺は倉田 亮。結の……その、何というか……幼なじみだ。よ、よろしく……」

 はい。と、にっこり、と微笑みを浮かべながら返事をし、青い髪の方、愛ちゃんが話した。

 「――私は正式名、〝白乃宮メイド隊・第一席(だいいっせき)〟、御守 愛と申します。亮さまには常日頃(つねひごろ)、結さまが大変お世話になっております。私たち共々、どうぞこれからもよろしくお願いいたします」

 す……と愛ちゃんは両手を床に付け、深々と一礼をした。それを見て俺は慌てて同じように一礼をする。

 「では、今度は私の番ですね!」

 と、今度は緑の髪の方。明ちゃんが、はいは~い❤ と手を振り挙げながら元気いっぱいに話した。

 「私は正式名、〝白乃宮メイド隊・第二席(だいにせき)〟、御守 明で~す☆ 愛同様今後ともよろしくお願いしま~す❤」

 「あ、こちらこそよろしく……」

 ……何だか俺とは違い、全く緊張感がない話し方だな……なんて思ったが、実際、ここまでは教室での自己紹介とほとんど変わらない。――しかしながら、そんな中でも、今一度はっきりと確認できたことが一つだけある。

 それが、〝白乃宮メイド隊〟という、あの言葉だ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ