7-9
「ふっぅぅぅうぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!!!!」
――突然の意味不明な奇声。クラス中が声の主の方を振り向くと、そこには……。
「――た……高ッッ!!」
そう。クソメガネでありサルであり、俺の忌まわしき悪友、小島 高利の姿があった。
高利は興奮しきっているのか、なぜか机の上に上がり、胸を、ドンドンドンッ! と叩き、ドラミングをし始めた。
もう、こうなった〝ヤツ〟は誰にも止められない。それが分かっていながら、俺は必死に高利に呼びかけた。
「や、やめろ高!! 二人ともまだ転校してきたばっかりなんだぞ!? こんなとこで問題起こして登校拒否でもされたらどうする気だ!?」
「ふぅぅぅぅぅうぉぉぉぉぉぉぉうっ!!! うおぅ! うおぅ! うおぉぅ!!」
――だ、ダメだ!! まるで聞いちゃいない! あれじゃあまるで野生の猿だ!!
ガタン! 急いで立ち上がり、俺は高利の下へ走る。
しかし……!!
「――てめーらの〝パンツ〟はぁぁっ!! なぁに色だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
――〝一手〟、遅かった。
俺が手を伸ばしたその一手先。高利はすでに机からジャンプし、愛ちゃんと明ちゃん目がけてダイヴしてしまっていたのだ。
しまったぁぁっ!!!
思ってすぐに俺は声を上げる。
「やばいっ! 逃げろ、〝高〟ッッッ!!!!!!」
――えっ!? あれ!? 俺、今……逃げろ、〝高〟って……何で、〝高〟なんだ? 襲われようとしているのは愛ちゃんと明ちゃんなのに……!!???
――その答えは、刹那、分かることになった。




