表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/223

#6,結。 6-1





 ………………ここは……どこだ…………?


 ――目を開けると、俺の目の前に広がっていたのは、文字どおり〝何もない〟、見渡す限りの暗闇に覆われた、〝真っ黒な世界〟だった。

 ……あれ? 俺……こんな所で、何をしてたんだっけ……?

 ぼんやり、と……まるで寝ぼけている時のようにはっきりとしない意識の中。ふと、俺は視線を落として、自身の身体を見てみると……不思議なことにこの暗闇の中。俺の身体だけはまるで……そう。夜道、車のライトにでも照らされているかのように、はっきりと見ることができた。

 ……どうなってるんだ? ここはいったい…………ん?

 その時だった。偶然動かしてみた右手……そこに俺は何か、〝違和感〟があるのを感じた。

 ……何だ? 気になった俺はそのまま手を目に近づけてよく見てみると……そこには、

 「――〝血〟?」

 ――そう。俺の手の平には、なぜか、多量の〝血〟が付いていたのだ。

 痛みは……感じない。……しかし、より目を凝らして見てみると、その手の平は、まるでどこかで(はげ)しく()ってしまったかのように、痛々しく擦り切れてしまっていた。

 ――いや、それだけではない。同じように左足にも〝違和感〟……見れば、こちらは制服のズボンの上からであるために分かりにくかったが、そこも確かに、おびただしい血によって赤く()れ、ズボン自体も所々擦り切れてしまっていた。

 「な、何だよこれ……俺、いったいどうしちまったっていうんだ? 何でこんなに血が……」

 ――――――ッッ!!!

 次の瞬間だった。

 血の滲んだ手の平……それを見つめていた、その時。俺の頭の中に突然、激しい頭痛と共に強烈な〝存在感〟を(まと)って思い浮かんだのは、――〝結〟の姿だった。

 刹那(せつな)、なぜか俺の両目からは大粒の涙が(あふ)れ出し、そして同時に、胸の奥が熱くなり、心臓を外からものすごい力で締めつけられているかのような、そんな不気味な〝痛み〟が走った。

 な……何だ!? 何なんだよ、これ!? この感じ…これは……まさかっ……!!


 ――〝結〟ッッ!!!!!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ