14-4
「邪魔」
ドグシャアアァッッ!!!!!
「がっっっはぁぁぁあああっっっ!!!??」
「結さまの敵……!」
ザンッッッ!!!!!
「なにっぅうごえっっっ!!?!?」
「何ですか~? このメガネをかけた珍獣は~?」
ガスッ! ガスッ! ドッッッパアァッッッ!!!!!
「ぎっ!!? や、やめっぽあぁぁあっっっ!!???」
――保健室。
「……」
「……」
……。
……。
……。
「…………あ~……何だ、その……」
み……見事な戦いっぷりだった、ゼ☆
「……ふっ……慰めなんていらねぇな」
言うまでもなく死亡フラグ。それは重々承知済みの結果だ。
高利は、よいしょ、といつものように。まさに何ごともなかったかのように復活し、起き上がると、そのまま続けた。
「今回のことで一つ、分かった。今のままではたぶん、1/3300も勝てない。はっきり言って0/3300だろう」
「お、おう。つまりは勝率0%なんだな? ……で、どうするんだ? 諦めるか?」
「何をバカな。俺様がこの程度で諦めるものか」
「不死身すぎるだろお前」
……いや、じゃなくって。
最初から無謀ではあったが、あまりにも無謀すぎる参謀であり家来のいない大将に向かって、俺は諭すように話した。
「いいか、高? よく考えてもみろ? お前も今の今認めたが、この戦いにおける勝率は完全に0%だ。0の下に一つでも数字が入っているのならまだ勝負はできなくもないが、0だけでは話にならん。……ここは素直に、諦めた方がいいんじゃないか?」
「……ふん! 全然分かってないな、亮!」
いやいや、分かってないのはお前の方だろ?
と俺は言いかけたが、ある意味呆れすぎてそのまま言葉を飲み込んでしまった。……まぁ、言っても言わなくても、何も変わりはしないのだろうけれど。
そんな俺の気持ちはもちろん知るはずもなく、高利はそのまま話した。
「今回は確かに完全敗北を喫したが、俺様だって何も、負けることを、勝率が0%なことを確認するためにわざわざ戦いに行ったわけじゃない。〝勝利〟という二文字を得るために、言わば勝つための〝ヒント〟を得るために、この戦いに出向いたんだ! ――所謂〝伏線〟を張ってきた、ってことだな!」
「マジかよ」
ぜってーウソだろ……そう思わずにはいられなかったが、俺は一応、そういうことにした上で聞いた。
「……で? そこまで言うってことは、もちろん収穫はあったんだよな?」
「ああ、もちろんあったとも!」
「例えば?」
即答する高利にすぐに聞き返すと、ふふん! と高利は自信ありげに腕を組み、堂々言い放った。
「三人対一人じゃ無理だ! 少なくとも、一対一に持ち込まねば勝ち目はない!」
「……」
……ダメだ、こりゃ。




