13-17 十三話目終わり。
いかんッッッ!!!!!
心の中で叫んだ俺は、同時に、時間がない今! 〝最終手段〟を取ることを決意した! すぐに絡まっている愛の両肩ひもに手をかけ、今の今さらに負ったダメージもそのままに、言い放つ。
「ぐっ!? ……ま、愛! こうなったら仕方がない! できる限り服を引きちぎってやるから……ぜ、全部、〝脱げ〟! そうすれば、結たちにバレる前に――ッッ!!!」
「……バレる前に?」
はッッッ!!!!!????? 「ゆ、結、さま……っ!?!」
――時間切れ。そう、俺の中にあった、〝死のタイマー〟が告げているのが分かった。
しかし……いくら毎回のように殺されてるとはいえ、いくら死に慣れているとはいえ、殺されるのは怖いし、死ぬのは嫌だった。
だから、俺は最後の最後。必死に弁明を試みた。
「ち……違うんだ、結! 俺はただ、マッサージ器に絡まってしまった愛を助けようとしていただけであって……ッッ!」
「へぇ? 助けようとしてたの? じゃあ、何で今、『全部、〝脱げ〟』とか言ってたの? それも、〝私たちにバレる前〟、に? 助けようとしてたんだったら、べつにバレたっていいじゃない? それに、私たちを呼べばそれで済んだんじゃないの?」
「!!? そ、それは! だから、その……そ! そう! 緊急事態だったからだよ! マッサージ器が動いたままじゃ愛が危なかったから、慌てて……!!」
「……動いてないみたいだけど?」
「え? ……あ! い、いや! 違うんだ! これはその……ぐ、偶然、愛が立ち上がろうとした時にスイッチが切れて……! で、でも、そのままじゃ危なかったから、俺は助けようとして……そ、そうだよな、愛!!」
「は、はい……!」
俺は愛にそう助けを求めると、愛は服が絡まったまま、慌てて説明を始めた。
「り、亮さまは、その! 絡まった私の服を解こうとして……で、ですが、解けずに、結さまと明にバレる前に、仕方なく、私に『全部、〝脱げ〟』と……」
……あれ???
首を傾げた愛は、直後、「ま、間違えました!」と声を上げ、改めて説明し直した。
「ほ、本当は! 亮さまは絡まった私の服を解こうとして、でも解けずに、結さまと明にバレる前に、私に『全部、〝脱げ〟』と……」
「……」
「……」
あれ???
「合ってます……ね???」
「……そうみたいね?」
「……つまり~?」
と、結の後ろ。話を聞いていた明がまとめた。
「愛が座ったらなぜかマッサージ器が動いて、偶然、服が絡まってしまった。で、それを助けようと、亮さまは絡まった服を解こうとしたところ、解けず、仕方なく、私たちに事態がバレる前に、愛に全部〝脱げ〟と指示を出した……と? そういうことですか、亮さま~???」
「え!? い、いや、違う! 確かに俺は愛を助けるために服を解こうとしてけど解けなくて、それで結たちにバレる前に全部〝脱げ〟とは言ったが、べつに俺はやましい気持ちがあって結たちにバレる前に全部〝脱げ〟と言ったわけじゃ……」
「「「「…………」」」」
あれ!!???
「い、いや! 違うんだ! 本当は……!!」
「はぁ……もう、いいわ」
そう、静かに呟いた結は……否、元・お嬢さまは、ゆっくりと俺の下に歩み寄り、口を開いた。
「……最後に、言いたいことは?」
「……えっと…………」
……なんか、その……ごめんなさい…………?
「……素直でよろしい」
「……」
なるほど、やりすぎ注意。
いったい、何がどうなってこうなってしまったのか? それは、最初も、最後も。結や明、愛や俺自身でさえも未だに分からなかったが、これだけは、言える。言いきることができる!
みんな……ッッッ!
「どんなことでも、やりすぎだけには注意しろよな!」
ぐっしゃああああっっっ…………。




