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 や……ヤバイッッッ!!!!! そう、激しく思った。

 実際にはやってなどいない、明のせいできせられた冤罪(えんざい)とはいえ……俺には愛に対する、所謂〝前科(ぜんか)〟というものがあったのだ(※詳しくは#10を読んでみよう)! そんな前科持ちの俺が、誰のせいでもなく、偶然に偶然が重なって起きたただの事故現場に偶然居合わせた、だなんて、いったい誰が思うだろうか? 少なくとも結は……元・お嬢さまは、それこそ万に一つ。偶然違った思考に至らない限り、絶対に俺が〝やった〟と思い込み、俺に(さば)きの鉄槌ならぬ鉄拳を浴びせにかかってくることだろう!

 「カッ!!? ぐお…あああっっっ!!!!!」

 目を見開き、仰け反った身体を、限界を超えて無理やり逆方向……くの字に折り曲げ、愛の方に向き直った俺は、瞬間、飛び散る鼻血も気にすることなく、急いで愛の下へ駆け寄った!

 結たちが戻ってくる前に、急いで愛を助け出さなくては……ッッッ!!!

 「ま、愛! 待ってろ! 今、助けてやるからな……ッッッ!」

 俺はそう言い放つとほぼ同時に――不幸中の幸いか、最初こそあれほどのダメージを受けてしまったものの、鼻血と共に抜けていった衝撃がない今改めて状況を見てみれば、先ほど愛が立ち上がろうとした際、スイッチに触れたのだろう。すでにマッサージ器は動きを止めていた上、絡まっているのは服(肩ひも部分)だけで、下着……真っ白なブラジャーはそのまま残り、愛の胸を死守していてくれていた! つまり今の愛は、言葉にすれば確かに〝半裸〟の状態ではあったが、完全な半裸というわけではなかったのだ! ブラジャーをブラジャーと思わずに、水着だ! とでも思えば、全く見れないというわけではなかった! ――すぐに、機械の手に絡まった愛の服を外しにかかった。

 だが……ッ!

 「ぐっ!? く、くそ! 目が……ッッ!!?」

 ただでさえ疲労困憊。特に目は、先に明に鏡を見せられて指摘されたように、真っ赤に充血し、最もその疲れが如実(にょじつ)に出ている部位だ。加えて、先ほどの強烈なダメージ……すでに限界を突破した状態をさらに突破してしまっている俺の目は、見ようすればするほどかすみ、全くと言っていいほど、服がどのように絡まっているのか? それを正確に見極めることなどできなかった!

 どころか、事態はさらに悪化する。

 「あっ!!? だ、ダメです亮さま! あ……ああっ!!?」

 「え!? なっ! グハッッッ!!?」

 なんと、まだほんの少し服を引っ張っただけだというのにも関わらず、服のどこかが、肌色を守る最後の(とりで)であるブラジャーに引っかかってしまっているのだろう。引く動きに連動して、ブラジャーを上へ上へとずり上げて行ってしまっていたのだ! このまま続ければ、いずれは愛の肌色が全てが明るみに……ッッッ!!?




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