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「あ、亮も貰ってたんだ? っていうことは、亮もMVP生徒なの?」
へへへ、とついつい笑ってしまいながらも、いやいや。と俺は結の問いに即答した。
「俺みたいな凡人がお前らと肩を並べられるわけないだろ? これは、ゲームをお前らに渡すミッションを受けた、それに対する報酬だ。いやはや、普段は結と家でしかゲームをやらないもんだから、こういう携帯ゲームは買ったことがなかったんだよな。それをまさかこんな簡単なことで手に入れることができるなんて思いもよらなかったよ」
「わ、渡すだけで高価な物をさらにもう一つ……」そう呟いてから、愛は改めて聞いてきた。
「あの……亮さま? このゲーム機、本当にいただいてもよいのでしょうか? ……確かに先生は合計で十三万円もの大金を手に入れたとは聞いていますが、こんなに買ってしまっては、ほとんど先生の手元に残らないのではありませんか? クラス全員に飲み物を買って配ったこともありますし……」
ん? ……むぅ、そう言われると、確かに……?
俺は手元のゲーム機に目をやって、考えてみた。
実際、先生がいくら払って買ってきたのかは分からないが、いくら中古品でも、これだけ買えばそこそこな値段はするはず。しかも、渡す相手は結(先生にとっては元・お嬢さまとその側近)たちだ。あんまり安すぎてすぐに壊れそうな物を買って渡したりなんかすれば後が怖いし、クラスのみんなからも何を言われるか分かったものじゃない。だから、ある程度新品に近い状態の物を買わなければならないわけだが、見たところゲーム機には目立った傷はないし、ボタンの間とかにもホコリが詰まっている感じは全く見受けられない。……箱が開封済みだから中古品である。と決めつけていたが……いや、中古自体は間違いないんだろうけれど、しかし、中身は新品同様……本当に、いったいどれくらいの値段だったのだろうか???
「ふむ、分かりました! 全ての謎は解けましたよ!」
その時、だった。何やら名探偵っぽく言い放った明がゲームを片手に話した。
「これらは全て、元々先生自身の持ち物(、、、、、、、、)だったんですよ!」
「先生自身の?」
どういうことだ? 聞くと、明は説明を続けた。
「はい。私の考えではおそらく、先生は元々ずっと前(、、、、)にこれらを買っていて、最初から持っていたんですよ! でも、理由があってあまり遊ぶこともなく、箱に入れたままにしておいたんです!」




