12-13
――後夜祭。
「……ま、そうだよな」
グラウンドの中央でキャンプファイヤーという名のゴミ焼却……ゴミファイヤーが行われていたその頃。俺は一人、グラウンドの端にある古びたベンチに腰を掛け、ソレを眺めていた。
赤組 671
青組 695
黄組 616
緑組 753
白組 579
体育祭の最終的な結果は、総合三位。
知る人ぞ知る先生のネタの力もあって、大奮闘。快挙……そう言いきっても過言ではない、素晴らしい結果だったと、俺は自身はそう思っている。……何しろ、ウチの赤組は運動部が少ねぇからな。三位になれたことだってもはや奇跡的としか言いようがない。
ははは、と勝手に出た小さな笑い声の直後。はぁー……と俺は、深いため息をついた。
「体育祭、終わっちまったな~……」
これから、どうするか……。
そんなことを考えながら、ボー、っと、俺はただゴミファイヤーを見つめていると、
そこに、だった。
「りょっ、うっ、さま~☆ お隣、いいですか~?」
「明……」
現れたのは、そう。明だった。
「あ、ああ」俺が答えると、明はいつもと同じテンションで「やった~☆」とわざとらしく答え、俺の隣に腰を下ろしてから話した。
「いやはや、今日の体育祭はなかなか盛り上がりましたね~♪ 私や結さまたちは体育祭自体が初めての参加でしたけど、とっても楽しめましたよ~❤ あ、それから、最初に言ってたチームワークのことなんですけど、あれも予想どおり、ちゃんと発揮できましたよ! 特にあの最後の騎馬戦とリレー! 亮さま見ててくれました~?」
「ん……あ、ああ。ちゃんと観てたよ。お前らスゲー大活躍だったな。騎馬戦なんて次々相手からハチマキを取って倒していくし、リレーなんかゴボウ抜きで最終的にはぶっちぎりだったじゃねーか。普段結に殺られてる俺だから言えることかもしれんが、さすがの運動神経だな」
「へっへ~☆ それほどでも~♪」言って、またすぐに明は続けた。
「でもでも~? 亮さまもすごかったですよね~❤ 騎馬戦もリレーも結果的には負けちゃいましたけど、どちらも大活躍だったじゃないですか~☆」
「え? ……ま、まぁな。だって、逃げるのだけは得意だから、騎馬もかなりの時間逃げていられたし、リレーは逃げ足がそのまま活かせた、って感じだしな」
「逃げ足だって実力の内ですよ~☆ 勝てば何とか、ってやつです!」
「え? い、いや、それってこの場合に使っていいものなのか? てゆーか、俺たち負けてんだけど……」
「気にしたらそれこそ負けですよ~☆」
「やっぱり負けなのかよ」
えへへ~☆ 笑いながら、明はさらに話を続け…………。
……。
何か、いつもと同じすぎる(、、、、、)な。
もしかしたら……。
それに気づいた俺は、静かに……未だに話を続ける明に聞いてみた。
「なぁ、明? あのさ……?」
「――とか、もうホント……あ、はい? 何ですか、亮さま?」
「い……いや、その……」
……。
もしかして、お前……気づいてる…………?




