表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
155/223

11-9




 ――教室。

 ……よし。五時間目の授業開始まであと三分を切ったことだし、ここで屋上で話し合った作戦について。今一度簡単にまとめておこうじゃないか。

 屋上から戻り、自分の席。

 三人であれだけ話し合ったのに、また聞いてませんでした、では今度こそただでは済まないな。そう考えた俺は、さすがに紙にメモするわけにもいかないため、そのまま頭の中にある薄っぺらなマイメモリー帳を開き、要点を箇条書きに書き込んでいった。


 ・第一希望は、〝入場ゲートの(かざ)り付け係〟。

 ・第二希望は、〝清掃係〟。

 ・第一、第二。いずれの係になったとしても、まずは結たち白乃宮チーム(俺命名)が先に手を挙げ、係を選択。その後、俺を手下(奴隷(どれい)?)として白乃宮チームと同じ係に引き入れる。

 ・引き入れる際、俺はちょっとだけ抵抗の意思を見せてから、できる限り自然な流れで承諾(しょうだく)するようにする。


 ……と、こんなものか。

 ちなみに、とそれぞれに補足の説明を付け足すとすると、以下のようになる。

 まず、なぜ第一希望が入場ゲートの飾り付け係なのかというと、この係の定員が〝四人〟と決まっていたからだ。

 屋上でも話したが、いかに迷惑上等! な気持ちで係に入ることにしたといっても、いきなり他のクラスメートたちと仲良く、そしてチームワーク良く係の仕事などできようはずもない。だからまずは俺たち四人だけのチームで係の仕事をこなし、これを機に徐々にクラスに馴染んでいき、最終的には目標を達成しよう! と、そういう作戦なのだ。

 ……ああ、それなのに第二希望がなぜ人数が一番多そうな清掃係なのかというと、確かに清掃係は特に定員などは決まってはいないために他のクラスメートたちといっしょになる可能性もあったが、他に残っていた飲食物販売係や、競技用具設置係などといった、必ず全員が同じ場所で作業しなければならない係に比べれば何倍も活動しやすいと思ったからだ。掃除は一ヵ所だけでやるもんじゃないしな。まぁ、学校でいつもやっている当番制の掃除の延長線、といったところか。

 あとは後半の二つについてだが、これはもはや説明するまでもないだろう。

 だって、俺は一応。世間的には〝部外者〟であるのだ。全く関係ないはずの俺が、「じゃあ俺もその係になる~!」……なんて手を挙げるのはあまりにも不自然。だからこそ、まずは結たちが先に係に入り、手下として、その後に俺が、イヤイヤ、言いながら入る。ということにしたのだ。……な? これなら自然だろ?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ