11-4
「あー……ま、まぁ、いいじゃないか?」
その、掘り返した張本人。
聞かれたから答えただけ、とはいえ、多少なりとも罪悪感を覚えた俺は、とっさに愛のフォローに入った。
「愛? 俺は元々、お前ら二人に楽しんでもらうためにゲームを持って行ったんだぞ? 今さっきの言葉でも分かるとおり、いっしょにやってた明だって何だかんだ言ってスゲー楽しんでたわけだし……お前がそんなに気にする必要はないんじゃないか? てゆーか、むしろ楽しんでくれたのなら俺はそれで本望なんだが……?」
「ほ、本当……ですか……?」
チラリ。愛はそっと顔を上げ、すがるような表情で俺の方を見た――瞬間だった。
ドキリ! 俺の心臓が、大きく高鳴った。
か、かわいい……っっ!!!
元より美人でスタイルも良く、そしてほんの少し残るあどけなさが特にかわいかった愛だが、恥ずかしさのあまり瞳に涙を浮かべながら頬を紅く染めている姿を見て、正直、俺はそう思わずにはいられなかった!
否! そう思った理由はそれだけではない!
愛が恥ずかしがっているそもそもの理由。行為! それ自体が、俺にその感情を強く植え付けていたのであるッッッ!!!!!
だってよ!? 普段はあんなにもクールで大人しい愛が、初めてやったゲームでなんとなんと予想外! ゲームが楽しすぎて子どもっぽくはしゃぎまくっちゃってたんだぞ!!? さらには夢中になりすぎててそれに気づかず、ゲームが終わってからようやくそのことに気づいて恥じらいまくるという、超・絶・萌えポイント(※意味不明)ッッッ!!! これでかわいいと思うなと言われても絶対に不可能だろ! 俺にもしも結という存在がなければ、俺はこの時点でゲームに出てきたゾンビと同じく撃たれて、ズッキューン! コロリ☆ といっちゃってたかもしれないぜ!!
はッッ!!?
……い、いかんいかん! 俺はいったい何を考えているんだ! 俺のオンリーワンは生まれてからたったの数年で結に決定しているんだぞ!? 結なしの人生なんか考えたこともないし、考えられるわけがないだろ! ……そりゃあまぁ、確かに。愛は認めざるを得ないほどに美人で、そしてかわいい幼なじみだけど……おおっと!!!
これ以上妄想を続けたら、いつか俺の精神は暴走してしまう! そう思った俺は慌てて意識を現実世界へと戻し、話した。
「ああ! もちろんだとも! 俺はお前たちにゲームの楽しさを教えてやると言ったが、全力で楽しむこと! これこそがゲームを楽しむ上で最も重要なことなんだからな!」
「! ……は、はい……っ!」




