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#11,恩人。 11-1




 「……なぁ、高?」

 「……あ? どした、亮? そんな難しい顔して? 何か悩みごとか?」

 「いやいや、そんなんじゃねーんだけどさ? 疑問……本当に素朴な疑問なんだけど、分かんねーことがあったから一つ聞いておきたくてな」

 「疑問? ほほぅ。この超・天才の俺様に聞くとは賢明な判断だな? よし、言ってみろ」

 「天才? ああ、バカと天才は紙一重って言うしな。あながち間違いでもないか……」

 「……ケンカ売ってんなら帰るぞ?」

 「おっと、待て待て。分かったよ。お前は紙一重の差で天才側だよ。――そんなことよりさっきの続きなんだけどさ? (がけ)とか、そういう場所に面してる道路には必ずと言っていいくらいの確率で【落石注意!】っていう看板があるよな?」

 「ん? あ~、あるな。あるある。……で? それが何だって言うんだよ? 崖なら落石だの土砂崩れだのがあっても何ら不思議ではねーだろ?」

 「いや、まぁ、べつにそれ自体が不思議なわけではないんだけどさ? ……じゃあ聞くが、お前、あの看板が何のためにあるのか説明してみろよ」

 「? そりゃあ、【落石注意!】って書いてあるんだ。落石に注意しろ、ってことだろ?」

 「どうやって注意すりゃあいいんだよ? いつ降ってくるか分かんねーんだぞ?」

 「え? ……そ、そりゃあ……その……アレだよ。えっと…………」

 「……」

 「……あ~。確かに言われてみりゃそうだな。どうやっても注意のしようがねーわな」

 「だろ? 降ってくるのが予想できるわけでもねーしよ。……それと同じように、ここに一枚の注意書きが貼ってあるんだよ。お前、これちょっと読んでみろよ。何て書いてある?」

 「んあ? どれどれ? えーと……【元・お嬢さまに注意!】…………」

 「……」

 「……」

 「……なぁ? これ、どうやって注意すればいいのか教えてくれよ? お前さん、超・天才なんだろ?」

 「……あ~…………悪ぃ。やっぱ俺様、紙一重でバカだったみたいだわ。ぜんっぜん分かんねーわ」

 「……そうか……なら、仕方ねーか…………」

 「……」

 「……」

 「……あんたたち、もう話……終わった?」

 「「………………」」

 「……終わったみたいね? じゃあ、逝ってらっしゃい」

 「「………………」」


 ……逝ってきま~す。


 ドドグシャァァァ……………………。








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