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10-20 十話目終わり。
――その日の夜。だった。
どこかは分からなかったが、なぜか何もない川の真ん中に俺は突っ立っていると、突然。俺の目の前に光に包まれた〝高利〟が現れて、こう、話しかけてきた。
『よっ! 亮、ずいぶん〝遅かった〟な!』
『高……? 〝遅かった〟って……ああ、なんだ。そういうことか』
ふっ。高利のその言葉で全てを理解した俺は、次の瞬間。差し伸べられた高利の手を、がっしり、掴み、そして急に明るくなった視界……青白い光を放つ妙にデカい蛍が飛ぶ、右手に美しい花畑が咲き乱れる川の中を高利と共に駆け出した。
『ふふふ、ははは! ははははは!』
『くはは! うはははは!』
『『あ~はっはっはっはっはっはっはっ!!!』』




