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 「?????」

 ? がもう止まらない。

 俺はいったいどうなってしまったのだろう? まさか、タイムナントカでもしたっていうのか? 時をかける俺??? ……んなバカな!

 でも、とやはり分からない。それならばなぜ俺はこんなことになってしまっているのだろうか? 高校生……つまり現在の俺自身の記憶があるってことは、これは、えっと……???


 「亮! 何してるの! もー! 早く行こうって言ってるでしょ!」


 「えっ――」

 ガヤガヤガヤ……。

 またも、突然だった。

 今の今まで、若い店長やミニマムの愛、明といっしょに公園にいたはずの俺。

 しかし気がつくと、目の前には大勢の人だかり……というより、〝小学生くらいの子ども〟たちが溢れんばかりにいて、そしてミニマムな幼児だったはずの結は、どころか同じく子ども姿だった俺までもがなぜか急成長……三歳から一気に小学六年生くらい。つまり、十二歳くらいの姿に変わってしまっていた。

 結の姿……そして周りにいる子どもたちに、六年間も見続けてきた見慣れた風景。

 何度も何度も間違いない、と同じことばかり言って申しわけないが、間違うことができないほど間違いなく、ここは俺と結が通っていた胎川小学校であるらしかった。

 しかし、

 「もー! 先に行くからね!」

 モタつく俺にシビレをきらし、ズカズカ、と先に進んでしまう結。

 「あっ!!? ま、待ってくれ!」

 とっさにそう叫んだ俺は、慌てて結の背中を追う。

 と、

 「……? 何? どうかしたの、亮?」

 「ッッッ!!!??」

 呼ばれて、結が振り向いた。

 だけど、それは数瞬前の結の姿……ではなかったのだ。

 というのも、先ほどまでは小学生……所謂〝私服〟姿だったのだが、今度の結はいつの間にか〝制服〟姿……そう。つまりは瞬きをするかしないか? まさにその一瞬で、結は中学生の姿に変わっていたのだ。無論、俺自身の姿もまた、当然のように一瞬にして変わってしまっていた。

 こ、これ、は……っっっ!!???


 〝分かった〟ぞ!!!!!


 刹那だった。

 あまりにも理解不能なこの状況……それが逆に、俺が〝現在〟置かれている状況を知らせる〝カギ〟となった。

 それを証明するかのように、俺に対して正面を向いていた結は突然、〝怒り〟始めた。


 「亮! またそんなわけ分かんない本をバカメガネザルから借りて……っ!!」

 「亮……またお掃除サボったでしょ! もう許さないからね!」

 「りょうのばか! ちゃんとやくそくしてたのになんでこなかったの!?」


 ……ああ。〝やっぱり〟だ。

 次々と姿の変わる結。

 フィードバックされる記憶。

 ……それらを見て、俺は確信してしまう。

 そう。これは……この〝現象〟は、〝現在〟の俺が見ている、


 「目を……くいしばれぇぇぇええぇぇーーーっっっ!!!!!!!!!!」


 〝走馬灯〟――だったんだ。


 ぐっしゃあああぁぁっっっっっ!!!!!








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