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「――結っっ!!!」
「はっ!? ははははは、はいっっ!!???」
刹那、だった。
私が〝その意味〟に気がついた瞬間。亮の〝真剣な眼差し〟が、私の身体を貫いた。
それには思わず亮の方を振り向き、私は身体を強張らせたけれど……亮はそんな私に構わず、振り向いた私の目の前に、静かに正座した。
そして……っ!!
「……結。俺は今日……どうしてもお前に、〝伝えなくてはならないこと〟があるんだ。聞いて……くれるか?」
「……つ……つつつ! 伝えなく、ては……ならない、こと……!??」
――はっ! しまった! と私は、言ってしまってから後悔した。
そうじゃない! 私はすでに〝理解している〟んだ。〝亮の伝えたいこと〟を……だから今の答えは、「はい」とただそれだけでよかったはずなのに……私は何でそんなことを……!!
……だけど、亮は……そんなどうしようもない私の質問にも、優しく答えてくれた。
「……ああ。〝伝えなくてはならないこと〟……いや、お前にはこう言った方が分かりやすかったかな? ――結、憶えているか? お前、少し前に俺と話したよな? 〝好き〟か? って、さ……?」
「……っっっ!!!?????」
や、やっぱり!! ――亮はあの時の……私が〝屋上から飛び降りた〟時(※【#5,傷心。】参照)に思わず亮に言ってしまったあの言葉……
『――亮……〝ありがとう〟。〝大好き〟だよ……』
――に、答えてくれるつもりなんだ!
あれから数日……どころか、一週間経った今になっても亮は何も言ってこなかったものだから、てっきり亮には私に対するそんな気持ちはなかったのだとばかり思って……って! 違うよ私! 何、亮が答えてくれる前から勝手に亮にそういう気持ちが〝ある〟って決めつけてるの! もしかしたらその〝逆〟だって充分に考え――
「結っっ!!!」
「ひゃ!? ひゃいっっ!!?」
私の考えを断ち切るかのような、亮の鋭い声……そのことから私は、これもまた思わず噛みながらの回答になってしまったけれど……亮はそんなこともお構いなしに、ただ一心に私のことを見つめ、そして……
言い放った。
「〝好き〟だ!! ――いや、〝大好き〟だ!!! 心から〝愛している〟!!!!!」
――きゃああぁぁぁぁぁぁっっっ~~~~~!!!!!!!!!❤
刹那、心の中での大絶叫……でも、もちろんそれは〝うれしさ〟から出たものだということは、最後に付いてしまった〝❤〟マークを見なくとも、誰に言わずともわかることだっただろう。
くすん、と……これも所謂〝うれし涙〟。――当たり前だ。この十年間、密かに抱いていた気持ちが、やっと亮に〝伝わった〟のだ。これで泣くな、という方が無理がある。
私はただ……亮のその言葉に静かに頷いて、答えた。
「わ、私も……」
――だけど、その時だった。
亮がさらに〝言葉〟を続け……
「ああ、〝大好き〟さ!! 〝愛している〟!! ――俺はお前みたいな〝大きいおっぱい〟のことを、心から〝愛している〟んだッッッ!!!!!!!!!!」




