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 「――おお! 何だ、やっぱり高もそこで悩んでたのか? いや! でもあれは誰だって悩んじまうよな~!」

 『そうそう! ……あ、ちなみに二人の〝カップ〟はいくつだと思う? 俺はたぶん、明ちゃんが〝C〟。愛ちゃんが〝D〟くらいかな? と予想してるんだが……』

 「ん~? 正直俺は胸のサイズをどうやってカップ分けしてるのか未だに謎なんだが……そうだな? 俺も何となく明ちゃんは〝C〟だと思うが、愛ちゃんはもっと上なんじゃないか? 〝Eカップ〟……とか?」

 『ふむ? 確かに、言われてみればそんな気も……言いわけするわけじゃあないが、俺も殺されるまでの数分しか二人のことを見てないからな……しかし、亮! やはりお前もおっぱい好きなんだな! てゆーことはあれか? とりあえずはおっぱいの大きい、〝愛ちゃん派〟ってことでいいのか?』

 きた!! ――勝手におっぱい好きにされたことには釈然(しゃくぜん)としなかったが、俺はこのチャンスを逃すことなく、しかしそれとなく高利の質問に答えた。

 「――あ~、まぁ、とりあえずはな? はっきり言って俺が重要視してるのは〝性格〟の方なんだが……何しろまだ一日も経ってないことだしな~?」

 『確かにそれは言えてるな。……つっても、今回は第一印象の人気投票なわけだし、見た目が気に入ったんなら、とりあえずは〝愛ちゃん派〟ってことでいいんじゃないか?』

 「う~ん……よし、分かった。じゃあ、第一印象では俺は〝愛ちゃん派〟ってことにしておいてくれ」

 『オッケー! 亮は愛ちゃんに一票っと……ちなみに俺はだな――』

 『――さま、とても良いお湯加減でしたね?』『だね~♪』

 ――はっっ!!!!?

 廊下から微かに聞こえる、この女子トーク!! もう上がったのか!?

 『――俺も色々悩んだ結果……』

 「わ――悪い高! その……か、母さんがどっかに電話かけたいみたいで、今二階に上ってきてるみたいなんだ! その話は明日改めて聞くからさ? とりあえずは切るぞ!?」

 『お? ああ、悪い悪い! そんじゃあ明日、学校でな?』

 おう! そう答えて、俺は慌てて通話終了ボタンを押した――瞬間だった。

 ガチャ、と扉が開き、結たちが俺の部屋に入ってきたのだ。

 「――あ、亮。上がったよ?」

 「とっても良いお湯加減でした。ありがとうございます、亮さま」

 「それよりどーですか亮さま~? 湯上り三娘の、この〝お色気〟は❤」

 「お……おう! ……って! いやいや、明? それは自分で言うものではないだろーが」

 えー? 亮さまつれな~い! と、ぶーぶー、文句を言う明を放置し、俺はなるべく平静を装いながらも……隠すと逆に不審に思われかねない。そう考え、あえて隠さずに、むしろ見せつけるように電話を持って立ち上がった。

 すると、当然結が……

 「ん? あれ、亮……誰かに電話してたの?」

 と、聞いてきた。それにも俺は隠さずに、しかし電話の内容だけは微妙に変えて答えた。

 「ああ。高から電話がかかってきてな。……ほら、俺って二人に学校を案内しただろ? その時のことを聞かれたのさ。――ま、安心しろよ。お前らが戻ってきたのが分かったから慌てて切ったけど、テキトーに〝それっぽいこと〟を言って誤魔化しておいたからさ?」

 「あ、そうだったんだ~」

 ……よし、疑われなかったようだな?

 それを確認した俺は、ふりふり、と電話を振りながら、愛と明に向かって話した。

 「そんじゃあ、まぁ、これを置いたら送ってってやるから、二人共忘れ物をしないように準備しとけよ?」

 「はい。お気遣いありがとうございます、亮さま」

 「ばっちり準備しとくんで、まかせてくださーい☆」

 ……なぜだろう? 明が答えると、なぜだか不安になるのだよな……。

 ……まぁ、いいか。もし忘れ物しても、昼休みにでも届けてやればいいだけのことだし。

 そんなことを考えながらも、俺は部屋を出て一階に電話を戻しに向かった。





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