#1,元・お嬢さま。 1-1改
この作品の#1~5は、【2016.1.17~25】に、〝物語の内容〟や〝起こるできごと〟はほぼ〝そのまま〟に、〝表現〟や〝書き方〟等をより読者様に分かりやすく感じていただくため、改良いたしました。
※すでに#1以降を読み進められている方は、物語が変わったわけではありませんので、改めて#1から読み直さなくとも問題はありません。どうぞご安心ください!
また、この編集作業の詳しい内容は、私の活動報告、【お知らせ。】に記載されています。お手数ですが、そちらをご確認ください。
――これからもよろしくお願いいたします!
【〝漢〟なら 譬えその場で命尽きようとも 目の前に〝パンツ〟がある限り それを凝視すべきであるッッッッッ!!!!!】
――昼休みの終わりのことだった。
次の授業の用意をするために、机の中に手を突っ込んだ俺が偶然見つけたのは、二週間も前にもらったはずの現代文のプリントだった。
二週間……ほぼ毎日教科書やノートに押し潰され、くしゃくしゃ、になってしまっていたそれ。当然、そこに書かれている授業の内容はとっくの昔に終わってしまっている。まぁ、俺自身、失くしたと思ってすでに先生に新しいのをもらっていたから、特に困るようなことはないのだが……。
「……ゴミ、だな」
ポツリ、呟いた俺は、それを手の平で、グニグニ、と丸め、椅子に座ったまま投球のポーズを取った。
狙うは、黒板脇に設置されたゴミ箱。――べつに立ち上がるのが面倒くさかったわけではないのだが、何となく、こういう物をゴミ箱に向かって投げたくなる気持ちは、誰に言わずとも分かってもらえることだろう。
俺は角度や力加減を誤らないよう、ゴミ箱ただ一点にのみ向かって集中し、そして……
ブンッ!
――投げた。
しかし、次の瞬間だった。
――コツン! 「いたっ!?」
あ……と思わず声が漏れてしまった。
――そう。ゴミ箱にのみ集中するあまり、気づかず、俺が放ったプリントボールは、たまたまそこを通りかかった女子生徒の頭に命中してしまったのだ。
――不注意によるちょっとしたミス。
――学生生活の中ではよくあること。
そんな、日常の中では半ば当たり前な……ちゃんと謝れば、誰だって笑って許してくれるような、事故と呼ぶにはあまりにも些細なできごと……。
――しかし、俺にプリントボールをぶつけられた女子生徒の反応は……そんな日常とは、少し……いや、かなり、
〝かけ離れていた〟。
「……っ!」
「え……あ、あの、ごめ……え? え、えっ!? ちょ――フガッッ!!!??」
ズカズカ、と無言で俺の方に歩み寄ってきた女子生徒……その女子生徒が俺に対して行った行動とは、顔面への、〝踏みつけ(スタンプ)〟だった。
しかも、ガタタンッッ! と椅子ごと俺が倒れようとも、女子生徒はまるで気にしない。どころか、あろうことか、俺はただプリントボールをぶつけてしまっただけだというのに、女子生徒はさらに、かかとでの〝ぐりぐり攻撃〟を始めたのだ。――その痛みたるや、想像を遥かに絶していたということは、言うまでもないだろう。
【〝漢〟なら 譬えその場で命尽きようとも 目の前に〝パンツ〟がある限り それを凝視すべきであるッッッ!!!!!】
――だが、そんな時だった。
顔面を踏みつけられていることから叫び声も出せず、もがくことしかできなかった俺の頭の中に、突然、何の前触れもなくその〝言葉〟がよぎったのだ。
なぜ今、こんな状況で、その〝言葉〟が!!?
理由は分からない……だけど、俺はその〝言葉〟に対し、なぜか何の疑いも躊躇もなく、
……そうだ。確かに、そのとおりじゃないか!!!
と〝賛同〟してしまったのだ。……本当にいったい、俺はなぜこの時そう思ってしまったのだろう? もしかしなくとも俺の判断は、過ち以外の何モノでもなかったのではないだろうか?
――でも……それでも俺は、決して〝後悔などしてはいなかった〟!!
「っく……ぬうぅぉぉおおおおおおおっっっっっ!!!!!」
俺はよぎったその言葉に従い、ただただ、自身が持てる力の全てを、顔面に突き刺さる女子生徒の脚を引き抜くことに使用し、そして、見事払いのけることに成功した!
瞬間――おお、見えた!
なびく女子生徒のスカートの中。眼前に垣間見えた〝ソレ〟!
――間違いないッッ!!!
〝ソレ〟は俺が最も愛する色! 即ち純――
パクッッ!!!!!