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攻勢に出ます

 いい加減待つスタンスにも飽きて来たのでそろそろこっちから仕掛けてみようかなと思いました。


「この先にある幹部がいるところを潰せばしばらく攻めて来れないと思うんで行ってきます。」


 書置きはばっちりです。夜、奇襲に出かけるのをさっき思い付いたので、誰もこのことは知りません。闇に交じって僕は村を出ました。
















「ここかぁ…何かがっかり。」


 着きました。しょぼいです。何か勝手ながら要塞みたいなのを想像していたのに木でできた柵に囲まれているテントの集団でした。

 てっとり早く燃やしましょう。そうしましょう。


 僕は門に火を放ちました。あまり強力なものは出せないのでいろんな所に種火を蒔いてその後一気に爆発させます。

 冷たい納豆が食べたかったので保冷剤を調味料代わりに召喚していたのが助かりましたね。

 保冷材の主成分は硝酸アンモニウム。250℃以上に熱すれば助燃性を発揮して爆発するものです。これを知った時は驚きましたね。火の魔術とのあまりの相性の良さに…


 ドゴォォオン…


「な…何だ!?」

「火が!オイ!消火だ!ぎゃっ!」


 爆発しました。硝酸アンモニウム万歳。恐慌状態の皆さんを皆殺しです。


「ぬぅぅう…貴様!こんなことをしておいて生きて帰れると思うな!」

「えい。」


 ナイフ投擲。口上を最後まで聞くほど今の僕は暇じゃ…


「ごふっ…」


(…え?)


 思いっきり殴られました。僕は馬鹿みたいに吹き飛びます。


 風の魔術で着地して相手を見ると斬られたところが気持ち悪い感じに治っていました。


「吾輩の口上を最後まで…」


 聞きません。滅多刺しにします。…が、すぐに治ってしまいます。少し困りました。


「無駄だ!遺言ぐらい聞いてやろうと思ったが…もうよい死ね!」


 攻撃は大振りなので当たる気はしませんが…最初に貰った一撃の所為で体が悲鳴を上げてますね。何気にピンチです。


 火の魔術、水の魔術、風の魔術、土の魔術…この世界でできる魔法はこれ位ですか。フム。僕が前世で賢者やってた頃・・・・・・・・・・だと色々出来たんですけどねぇ。困った。

 術を鑑定した結果的にこの魔族の血がキモのようですが…


「あ、じゃあこうしよう。」


 血が凝固して傷が治るならば血の凝固を出来なくすればいい。僕の相棒にはそれができる!


「…貴様?何をしておる…」

「見てわからない人には言っても無駄です。」

「意味の分からんことを!」


(ですからそんな大振りじゃ攻撃は当たりませんって…)


 僕はナイフの何本かで納豆を刻みながら相手の攻撃をかわします。


「っ!」


 が、最初の一撃の怪我が痛みかなり危ない所をかすりました。危ない…早く納豆をひき割り納豆にしないと…


「できました。そいや。」

「無駄だと言っているだろう!」

「ちょっ…」


 僕の顔面と肩への攻撃をまるで無視して殴りかかってきました。予想外です。顔面への攻撃で多少なりとも怯むと思っていました。ヤバいです。今回はギリギリ避けましたが…足が死にましたね。仮に僕の目論見が外れたらもうもちません。…が、相手さんの攻撃が止まっているので僕の目論見は大成功でしょう。


「な…何故吾輩の【ブラッドボディ】が発動しない…」

「フッフッフ。これぞ納豆パワー。お逝きなさい。」


 後は滅多刺しです。血が止まらないし、怪我は治らない。眼は見えないし肩も動かない。殺すのは大変楽な仕事です。


 因みに秘密はこれ。納豆菌。血液凝固作用を阻害します。魔族さんとか言ってますが、彼らのベースは人間で、ただ、【禁呪】に染められているだけです。ですから血の成分も大して変わりません。

 固まれば治るのなら固まらせなければいい。納豆の勝ちです。


「ふぅ…後は残党処理ですねぇ…これは予想外ですが、まぁ他は大丈夫でしょう。」


 この後頑張ってみんな倒しました。ご褒美にこの前桃子に教えた自分では作らないとても面倒臭いオリジナル納豆料理を作ってもらいましょう。
















 …帰ったら死ぬほど心配したと泣かれてそれどころじゃありませんでした。傷まみれと知るとベッドに括りつけられましたね。すぐに着替えさせられて納豆の藁袋もお預けで…惨々たる有様でした。

 何で私も連れて行かなかったのかと続けてもの凄く泣かれました。僕そこまで戦闘狂に育てた記憶はないんですけどねぇ…まぁ両親のことといい何か人生を狂わせてしまったお詫びとして今回は大人しくしておきましょう。




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