皆さん納豆のおかげで成長しましたね
そして時間は流れた。僕が来て3ヶ月も経った頃には村人の皆は元気になり、炊き出しのおかげで多少のゆとりができた村人は各自トレーニングをしたり傭兵で出稼ぎをしたりして戦力を蓄えることに成功しています。
そうそう。僕のところに住んでいる少女。彼女、僕に名前を付けてほしいと言ってきたので名前を付けてみました。桃子です。まめまめしく働いているので豆を音読みさせて女の子なので子をつけました。
我ながらいい出来だと思います。桃子は何か魔術師としての才能があったので現在頑張って特訓中。若いながら頑張ってます。
そんなこんなで今日、魔族の中隊が進攻して来ているとの情報が入りました。大体200体位の軍勢ですね。
流石の僕でも多分少々疲れるなぁ…と思っていたら隣で桃子が微笑みます。
「ちょっと面倒だなぁ…って思ってるでしょ?私が頑張って幸人様の分まで働くよ!」
僕は桃子が殺人狂か戦闘狂、またはトリガーハッピーな人になってしまったのか不安です。
でもまぁ常々働かざる者食うべからずと言ってますのでこれは普通なのかもしれませんね。戦闘前に微笑む辺りどうかと思いますけど。
「…じゃあ、皆さん。殲滅しに行きましょう!」
僕の掛け声とともに皆さんの出陣が始まります。こちらの総勢150名。全員が納豆によるタンパク質、また僕の作った料理によって強化され、一介の戦士になっています。
あと、何かこの世界にはない「細菌」という概念を取り込んだ所為か、村人としては常軌を逸しているとも思える戦闘能力を保持しているので負けはないでしょう。
成長した皆さんを連れて僕は前線に出て魔術と体術、あと念動力とナイフを駆使して敵を倒していきます。
魔族はその名の通り魔術を得意としていますので油断や見逃しは禁物。普通の喧嘩で動けないだろうと思う怪我をさせても口が動けば攻撃できるのです。ですから納豆のフィルムに付いた取りこぼしの納豆すら許さないという位の勢いで全員倒します。
「ふぅ…それにしてもまだかなぁ…」
歴代最多の敵の数でしたが今日も勝ちました。それにしても勇者が来ない…神様が言うには空が変な状態になるから勇者が呼ばれればすぐに分かるとか言ってたのに。
…まさか首都が先に落ちたとか?神様の魔王が前回の失敗を生かして全て順々に圧倒的な力を以て制するという予想が外れた?
…それはないか。そうなら僕の納豆の糸のように張り巡らされた情報網にひっかかるはずだし、第一出稼ぎに出ていた人たちが気付くはず…
「ん~どういうことかなぁ…」