村到着
小規模の魔物の群れと魔族が村を襲っていたので僕はナイフを操って皆殺しにしました。補助効果が凄いので超能力的な何かが出来るようになっています。
因みに補助能力は大まかに6つを覚えています。
①人間の言語翻訳
②念動力
③口臭激減・お口爽やか(常時)
④変な服(内ポケットとそれに連なる肩にかかる部分が破壊不可)
⑤魔術解析・魔力感知
⑥状態異常無効
の六本立てです。特にお気に入りは③と⑥です。今のお口の中もすっきりだし、塩分の事も気にせず納豆を食べられるのですから。やったね。後は何か身体能力がどうとかこうとか…そんな感じ?です。
それはともかく、村に受け入れてもらわないといけません。助けに入るのが少し遅れてしまったようで、死人が何人か出ているみたいですね。…ところで、皆痩せ過ぎではないですか?ざっと見た感じ村人の大半が栄養足りてなさそうですが…
「先程はありがとうございました。」
そんなことを思っていると結構若めのおじさんが僕の方に来てお礼を言ってきました。
「いや…人として当然のことをやっただけで…それより、魔物は何度も?」
「…魔族と一緒に来たのはこれで2回目です。最初の1回で多くの村人が犠牲になり…働き手を失い、畑を荒らされ…この通りとなっています。…それで助けてもらっておいて何なのですが…この村は貧しく…お礼となるものが…」
とても言い辛そうに礼物がないと言ってくるおじさん。…まぁ別に納豆があるから特に問題はないからいいですよ。…それより。
「…物は相談なんですが、この村に少し滞在させてもらえないでしょうか?お礼は宿泊施設を貸すことに変えてほしいと思います。」
この言葉を聞くとおじさんは目を見開きました。
「知らないのですか?この村は魔族の進攻のかなり前線に位置して…」
「分かっています。僕はそれを止めに来てるので…」
なるべく爽やかな顔で言ってみた。僕の今の考えとしては住居を確保次第、歴史を感じさせる納豆の旅に出かけたいと思っています。過去から現在に向かっての納豆の進化…うんヤバい。楽しみ過ぎて涎が凄いです。
「…分かりました。それでは村の方に案内します。私はこの村の村長カーディルです。」
「僕は…富染江 幸人です。よろしくお願いします。」
血まみれの手を握るのは嫌だからおじさんが出した手は視界に入れないでおきます。手の置き所を無くしたおじさんと気まずい雰囲気になりましたがとりわけ気にすることもなく、僕は前の戦いで死んじゃったらしい人の家を借りることになりました。
…さて、このまま村人たちを見殺しにするとこの村を守るのが僕だけになりますし、なにより飢えた人の前で食事するのは気が引けますからね。
「料理だね。飢えてる人にいきなり納豆はあれだから納豆汁にしよう。」
とてもいいことをするために僕は準備に取り掛かりました。