表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

RUN

作者: NAGISA

 俺は足が速い。他の奴らと比べても段違いに速い。

 運動会では幼稚園の頃から今、中学時代までずっとリレー選手に選ばれ、普通の徒競走でもずっと1位だった。

 最高記録は50m6秒、100m13秒。自分でも何故ここまで速いのか分からない。

 小学時代、俺は友達とずっと鬼ごっこをしていたが、遊ぶ事6年間、俺が鬼になった事は一度もない。

 走るだけじゃなく、他の運動も俺はずばぬけて得意だった。体育の成績はもちろんA。

 しかし、俺は体育が好きな訳ではなかった。嫌いって訳でもない。父からはいつも、


「体育を好きになれ」


 と言われていた。そんな事を言われていながら俺は中学時代部活に入らなかった。というか、受験勉強もあって大変だったのだ。


 ある日、勉強に疲れた俺は公園に行って休む事にした。ベンチで気持ち良い風にあたりながら考える。

 何故俺は体育が好きじゃないのか。

 こんなに運動神経が良いのに、どうしても好きではない理由があるのだろう。俺は真剣に、心の何処かにある理由を考えていた。

 1時間が経った。ようやく分かった気がする。

 運動が好きではない理由はわからないけど、運動を好きになれるかもしれない方法が分かった。

 毎日走る。

 非常に単純な話だが、好きになるにはこれに尽きる、と思った。

 そう考えていた時、俺はすでに走り始めていた。


 走るのを好きになれ、そう自分に言い聞かしながら。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ