妹を賭けるバトルと、過去話と、コンビニバイトと、サバゲ部
すみません。
風邪により少し遅れてしまいました。
今回は少しシリアスっぽい雰囲気を入れたりしました。
でも、コメディー重視で、書いてますので
少し、ププッと笑っていただけたらいいなって思います。
にしても、このゲーム久しぶりだな。
最近は相手になるやつも、
戦いたいやつもいないからやってなかったんだよな。
ま、俺はこれを途中まで本気でやるか…。
んで、あっちのが下だったら
手を抜くかな……
俺は、世話係としてなら任せてもいいし。
「んじゃ、はじめるぞー」
お気楽な部長の声。
引き金…
何的撃とっかな…
「じゃあ……すたーとぉー!!!」
瞬時心地よい音が鳴り響き続ける。
両方が全的撃ち抜いたら引き分けで、
サバゲ部らしく、チーム戦やるんだろうな。
108の的……。どーなる?
さて、煩悩はいらねぇ
うっひょ、楽しいっ
向こうさんはー?
って、やべ
油断してたら負けちまう(笑)
あ、負けてもいいのか(笑)
しかし、バスケ部に大差つけられるなんて
俺のプライドが許さないんでね!
「結果ー!84対90で、逆神柳緋の勝利ー」
はぁはぁ……
ほとんど差が無くて焦って勝ってしまった…。
こんなレベルのが、いやそれ以上のが
大量にいるのかよ……
弾の入れ替えのスピードはぇえし…。
「ぁあ、負けましたね……たはは。
先輩、やっぱすごいですね。」
汗だくになってる珠水希君。
まじで、この人スゲェよ。
俺まで汗をかいたっつーの……。
「タオル」
海結、俺にくれるのか!
今日は珍しく素直じゃないかー!
「ありが……」
「どうぞ、珠水希さん。」
ん…………?
お兄ちゃんを間違えちゃったのかな……?
いいや、違うね。
今はっきり[珠水希さん]っていったね。
どういうことかな、お兄ちゃん悲しいぞ?
「お兄ちゃんには、あげない。
私、遥太に惚れたから。」
ん?聞き捨てならないセリフだぞ。
聞き捨てならないセリフだけど、出来ることならば
聞きたくないセリフだぞ?
もはや、頭の中が真っ白になる。
どうしようか、俺の頭が……。
え、いや、まぁ……うん
これでいいんだよな。
海結のこと押し付けるつもりだったし、うん。
「そ、そうかそうかー。
じゃあ、明日からお前は高1にしとくな、海結。」
今から部活だし、勝ったのに負けたような感覚になる……。
フラッフラ……
「逆神先輩。妾と勝負してくれるか?
今の戦いを見て妾は先輩に勝つ自信がある。
これでそなたが負けたら
そなたには、妾の言うことを聞いてもらう。
妾が負ければ、ソナタの願いをなんでもひとつ叶える。 」
喋り方が変なのは気になるが、
それ以上に、嘗められていることに ムキになった。
何、後輩のクセに調子乗ってんだよ。
しかも、女の癖に……っ!
「やってやるよ」
どうせ、女だ。
いくらすごくたって俺に勝てるはず無いだろ!
「結果発表。108対85で、緋弾燐 架奈」
嘘だろ……負けた?
しかも、相手が全部の的を撃ち抜いてる……。
何故…
「妹のことで焦りすぎだ。
私の使っているものが何かを思い出せ。
弾が多く女にとっても動きやすい軽量だ。
いくら、そなたの使っているグロックのものが
連射できても、私には勝てない。」
冷静な分析に頭に血が上った。
俺の使っていたエアガンは
G18C。グロック社が開発。
特徴は、フルオート射撃(連射)ができる。
連射ができても、中の量が持たないし
入れ替えやらしてる時間を惜しみ
もう片方のスペアを使ったりなどしていた。
でも、その間片手はBB弾をいれていた。
つまりは、すべてにおいて中途半端。
相手が女子だからって嘗めてたのは、俺だ。
片手だけだと命中率は、下がる。
「くっそ……」
初めての敗北に、俺は良く分からない感情になった。
グルグル渦巻く黒い……。
今までは勝って当たり前。
俺に勝つやつなんていなかった。
「お兄ちゃん……」
こんな時、普通なら涙流れんだよな……?
涙すら流れねぇし。
いや……わかんねぇ……
「敗北感に浸っているところ、悪いが
妾の願い、聞いてもらうぞ、凡人。」
さすがにイラっとした。
感情が抑えきれなかった。
殴りかかるような勢いで立ち上がる。
その時、パチンっと心地よい音が2つ、重なる。
俺も叩かれていた。
どうやら、俺は 碧に叩かれていて、
緋弾燐は 海結に叩かれていた。
「架奈に……」「お兄ちゃんに……」
「「悲しい表情をさせないで!」」
二人の可愛い女の子が泣きそうな表情で怒っていた。
「何を言ってる。私は悲しい表情をしていないぞ、碧。
それと、海結…だったか?
私は悲しい表情をさせるつもりなどなかった。
あと、痛かったぞ 」
変わらぬ無表情で言葉を発する緋弾燐。
あんなやつが、悲しい表情なんて、するわけない。
血も涙もないやつだろ。
この後、問題が起こったと勘違いした
教師から、命からがら逃げ切った。
これが、俺と緋弾燐の最悪な出会いだった。
最悪な印象しかない奴で、ライバルとなった。
「で、何で家にみんな集めてんだ、海結」
お説教タイムの、はじまりだぞ、この野郎。
なんか、いい感じに一日終わらせれるな
とか思ってた矢先にこれかよ!
海結のほっぺたをつねる。
この、馬鹿め(笑)
「ほんはほほひははひへもひひやん!」
何言ってるか、わからないー(笑)
集まった奴が、こんなにも年下率高いとなぁ……(汗)
緋弾燐、碧、珠水希君、加藤君、祐叶。
で、良く分からない女の子と男。
見た感じでいうと、4人の同級生だろう。
で、何故か隣の家から忍び込んできた夕衣。
「はぁ……適当に晩飯作りゃいいか?海結。」
制服の袖をまくり上げる。
何も考えてなかったから、どうしたもんか……。
「パスタ!」
くっそ、好物の名前出したな(笑)
だが、断る!
「んー、鍋…は、季節じゃねえな。
焼き肉にするか。
野菜は誰かさんが食べないから沢山あるし、
肉、誰か買ってきて。」
我が妹よ、毎度甘いのであるぞ!(笑)
まあ、とにかく人がいるから焼肉が妥当だろ。
「別に、お肉なら……」
「私の家近いですし、お肉送らせますよ。
どれほど、いるでしょうか、逆神先輩。」
碧、助かったぞ。
さすが、金持ちだもんな、確か。
てか、夕衣、なんかいいかけたよな?
「ありがとう、碧。
肉は、とにかくたくさんで、たのむ。
で、夕衣は何だったんだ?」
聞くと、舌打ち。
聞いたのは間違いだったか、クソ(笑)
俺は、さっき負けたことからは立ち直ってるから
いいものの、立ち直ってなかったらその辺で死んでるな。
「さて、んじゃ、準備するから
祐叶、手伝え。
どうせ、今回俺の家に案内したの、お前だろ。」
海結は、人を誘うのとか苦手だし
そもそも、恐がられる立場だしな。
それに、家はお兄ちゃんに許可を取らなきゃ案内ダメ。
って、叩きこんであるからな。
「何言ってるのさぁ(笑)
海結ちゃんに、案内されてき…」
カンッ
言い訳がましいの嫌いだし
話してる時間もったいないから、準備しようか?祐叶。
家の中でも普通に俺は撃つからな(ブラックスマイル)
「もぉ、仕方ないなぁ!手伝うよー(笑)」
それでいい。
んじゃ、準備準備ー♪
ホットプレートを取り出す。
箱はかなりホコリをかぶっていた。
まあ…海結が食えないから
人が来ない限り使わねぇもんな…。
二人だから、基本フライパンだし(笑)
中身のプレートを出して、祐叶に持ってかせる。
いきなりの、来客だったからな……。
「ただいま。母さん、父さん。」
チーン
母さん、父さん、聞いて。
今日は、初めてエアガンでの戦いで負けたよ。
黒い感情が渦巻いちゃった。
で、いまはね
友達とか後輩がたくさん遊びに来てるんだ。
「さて、戻るか。」
「遅いぞ、シェフ(笑)」
祐叶め、調子に乗りおって(笑)
食材やらも揃ったようだし
碧がたくさん手配してくれたらしいし、
もう準備万端だった。
「焼くだけだから、始めてればよかったのに。
じゃあ、はじめようか。」
乾杯をかわして、自己紹介スタートした(笑)
なにこれ、コンパかよ(笑)
ぁあ、でもひとり知らないこがいるんだ。
「城玖 姫雪です。高1ですけど
海結ちゃんと同じ年です。
生徒会執行部…庶務をやらせてもらうことになってます。」
ほぉほぉ……
あとで、ノート見ておこう(笑)
「ぁあ、次俺か?てか、俺の事知らないのに
俺の家来たやつって(笑)
まぁ、いいや。
俺は、逆神 柳緋です。海結の兄です。」
俺ら兄弟、名前変だよな。
熟思うね、本当。
皆の自己紹介聞いてても、俺らみたいな奴いないもんな。
「いぉうあ」という発音の小文字が入ってる名前
例えば「りょうが」「きょうた」「りょうや」「きょうや」。
などの名前は普通って感じだろう。
他にも小文字が入ってる名前で
「りゅうのすけ」「しゅんすけ」「きょうすけ」「しゅうや」
「りゅうへい」「しょう」「りょう」
などなどの名前は普通とされる。
だけど、「りゅあ」なんて人はそうそういない。
多いのは「りゅう」だよな……
女子の名前だとしても
「きょうか」「りょうか」「りゅうこ」「きょう」「りょうこ」
などなどの名前は普通なんだが、
「みゅう」なんて、そうそういない。
多いのは、「みゆう」とか「みう」「みゆ」だよな……。
「おーい、柳緋?柳緋!
柳緋ー、俺を無視するとベッドの下……」
「はっ……ボーっとしてた」
危なかった……
なんか危ない言葉聞こえた気がしたから意識戻ったわ。
「おいおい(笑)
ボーっとしてたのかよー!」
祐叶のせいで調子狂いまくりだ、この野郎(笑)
てか、女子の視線が刺さるなぁ……(汗)
祐叶、余計なこと喋ったんじゃねえのか……?
「あの……逆神先輩…
そんな趣味なんですね……(照)」
やばい、碧の反応やばいぞ、おいおい!
何話したんだよ、マジで!
「祐叶、何話したんだ、言ってみろ。
変なこと言ってたらてめぇの口の中に
エアガンの銃口ぶち込むからな。」
まじで、変なこと話してたらただじゃおかねぇ。
俺にとって嫌なことだったら
マジで、撃つ。
「落ち着けって。
お前のベッドの下に何があるか話しただけだ。」
『女達、よく聞いとけよ。
柳緋のベッドの下にはな、巨乳の女が
あんなことやこんなことしてる写真集や
男に犯されてメチャクチャになってる
DVDがあるんだぞ。
眼鏡をかけてる確率は高いぞ。
柳緋は、女の乳を見てるやつだ!』
どこからか、祐叶の声。
今、祐叶が喋れるはずがない。
もう、口の中にエアガンぶち込んでるからな。
「と、言ってましたよ。逆神先輩。」
ひ、晃理君……。
録音レコーダーもってるんかい!!
て、あ、iPhoneか。
「ほぉ…
祐叶、そんなこと言ったのかよ。
じゃあ、お前の秘密も全部明かしてやろうか、ここで。
何にせよ「全部嘘でした」なんて、今さらは
許さねぇぞ」
ブラックスマイル×100。
ていうか……あれ?海結は?
……嫌な予感。
「くっそ、仕方ねぇ。
海結どこいったんだ、碧。」
祐叶を晃理君に、引渡した。
亀甲縛り……(笑)
「あ、散歩に行くっていってました。
わっ……!?」
散歩ってどこにだよ。
碧連れてきゃわかるか?
まぁいいや、行こう。
見つからねぇ……。
「あの、逆神先輩……疲れました…」
息を切らした碧。
ていうか、2人きり……っ
おうふ……ドキドキが止まらない。
「す、すまん……。ジュース買うか。」
自販機にて、ジュース購入。
俺は、コーヒー(格好つけた)。
碧は、水。
公園のベンチで後輩(女)と2人。
なんって、俺は恵まれてるんだ。
しかも、後輩(女)は、碧。
「なぁ、碧。
お前の幼なじみたちのこと教えてくれ。」
前から気になっていたし、
気を紛らわすにはいい話題だ。
「ぁあ、遥太と架奈のこと……
聞きたいんですか?」
何か躊躇いのあるような話し方だ。
言いづらいことならば無理にとは言わないんだが……。
「碧のこともな。」
飲んでいた水のペットボトルのキャップを閉める。
彼女の表情は、彼女の髪の毛によって
ちょうど見えない。
「誰にも言いませんか?それだけ聞かせてください。
逆神先輩は、何故か落ち着きます。
このことも話せます。
だけど、誰かに言いふらされるなら言いたくありません。」
そんなに深刻なことなんだろうか。
きっと、シリアスなことなんだろう。
ていうか、そもそも
俺は人に言う言わない以前に
話せるほど親密な友達なんていない。
「言わない。」
「そうですか。
私達が7歳の頃です。三人は出会いました。」
★☆★☆◆◇◆◇◆◇
碧は、静かな女の子だった。
6歳までずっと、体の調子が安定せず入院していた。
7歳になってから、やっと出れるようになりました。
草原で駆け回る元気な女の子になりました。
碧は、病院を出てからは
他の子となんのかわりない元気で、ヤンチャな子でした。
ある日のこと、いつものように
草原のある公園に行きました。
「今日は、何して遊ぼうかなー♪」
鼻歌交じりに軽くスキップをしていました。
「グォォォォォォオオオオオオォオオ」
何らかの鳴き声でした。
人間ではないということはすぐに分かりました。
山が近いこの公園にはどんな動物が出ても
おかしくはなかった。
しかし、碧は好奇心で声の方へ寄りました。
そこで驚きの光景を目にした。
小さな女の子と男の子が熊に銃を向けていたのです。
恐れをなさない二人に碧は、見とれました。
「ちっ、糞だな。この熊。
ガン、一気に仕留めるぞ。」
「りょーかい。じゃあ、俺が足元狙うから
ブレットは、そのあと頼む。」
ガンと、呼ばれた少年は、すぐさまに
足を撃ち抜いた。
ブレットと呼ばれた少女はその瞬時に
熊の肩をかすらせる。
これには、熊さん参った様子で
おうちに泣きながら(?)走って帰った。
熊さんの、血が地面に落ちている。
流石にそれには、臆して物陰に隠れた。
「いい感じだったね、ガン。
で、それはいいけど、お嬢さん。
いつまで、そこに隠れてんの?」
碧の隠れていた、遊具に穴があいた。
バレていた。
碧は、怯えながら遊具から、姿を現した。
「何だ、可愛い子じゃん。
許してあげたら?ブレット。」
と言った、ガンという少年はブレットという少女に
肘うちをされて、その場にノックアウト。
カンカンカンッ
ゴング音が、聞こえてきそうなほどに……。
「あんた、名前は?」
それが、3人の出会いだった。
「私は、ブレット。そう呼んで。
で、ヘコタレてるコイツは、ガン。
銃弾と、銃だ。お前は?」
本当の名前ではなく、そのけいのを求めてきた。
碧は、困った。
人と話すのすらほぼなかった。
だが、本やアニメを見ていて知識はあった。
「私は、アマテラス。太陽の女神…か、回復の神です。」
ドキドキしながらいうと、ブレットは笑った。
その日から碧はアマテラスになった。
ブレット、ガン、アマテラス。
この3人は本当の親は既に
その時に起きていた争いによりこの世を絶っていた。
そのため、【この時】は孤児院にいた。
外国のために、
孤児院の中での殺人も少なくない。
子供同士で殺し合いをする程だ。
そこで身を守るための三人は
実銃だろうが、なんだろうが、もってても不思議はなかった。
ブレット&ガンは、銃。
アマテラスは、救急セット+独自に作った薬+何故か水(笑)
を持っていた。
「本当に行くの!?ブレット!!ブレットってば!」
アマテラスは、ひどく動転した様子だった。
無理もない。
ブレットは、その時に行われていた争いに行くのだ。
「行くよ。だって私に撃ち抜けないものはない。
お前らみたいな、ヘタレ残して私が死ぬと?
んなわけないだろ。」
この時、既に9歳。
ブレット達は、数々の事件を解決してきた。
ブレットは、腕を見込まれていて、誘われたのだった。
「じゃ、行ってきます。」
フッと笑ったブレットの顔はどこか儚げだった。
昔一度、戦場にたったことがあったから
どんな光景を目にするか知っていたのだ。
「おい、ブレット。これ持ってけ。」
ガンだった。
渡したものはブレスレットだった。
銃と蝶と桜がモチーフの銀のブレスレット。
真ん中のブラックダイヤモンドは、丸く弾丸のようだ。
ガンにつけられたブレットは、優しく笑った。
2人は……恋人だった。
「ありがと、ガン。
待ってる間、アマテラスのこと頼む。
信じてるからな。」
ブレットは、孤児院の扉を開けて
大人の人達と行ってしまった。
残された二人は待って祈るしかなかった。
1週間経った頃だった。
孤児院の院長が、ガンとアマテラスを訪ねた。
「架…ブレットちゃんが……」
その言葉を聞いて二人は、走った。
玄関。
座ったブレットがいた。
もちろん、その姿は出掛ける前とはまるで違った。
左眼には、包帯が巻かれていて
右足もガチガチに固定されていた。
その日からだろうか。
ブレットは、出かける前までの無邪気な笑顔を見せなかった。
そのまま、愛想笑いばかりのブレットは
日本に引き取り先が見つかり
本当の名前を誰にも告げずに行ってしまった。
ガンでさえも、本当の名前を知らなかった。
院長や、ほかの人も脅されたのか
名前を教えようとはしなかった。
そんな、アマテラスとガンはその後も一緒にいた。
ブレットを探し出すために作戦を出し合った。
碧と遥太に転機は訪れた。
2人とも、本当の名前を教えあって
日本の引き取り先のところに行ったのだ。
そう、転機というのは
日本へと引き取られたことだ。
その時、2人は13歳。
中学生だった。
2人とも、もう二度と会えない覚悟さえもしていたが、
偶然か運命か同じ学校に入ることになったのだ。
「ねえ、が…遥太。ブレットを探し出す手がかりは
やっぱり、あの時のブレスレットだけよね?」
クラスまでもが同じで
2人は作戦を勧めていったのだ。
二人は日本慣れはしていないため、
とりあえず聞き回ることにしてみた。
「ブレットって、知ってますか?」
誰も知っているはずがなかった。
当たり前だ、ブレットなんて本当の名前じゃないのだから。
ある日、碧が不良にもブレットのことを聞いた。
もちろん、相手が悪い人とは気付かない。
だから、捕らわれた。
捕らわれてまでも、相手が悪人と気付かない。
碧は、アホだった。
叫びも嘆きも逃げも抵抗もしない碧に
不良は、何をしてもいいと考えた。
服を破られそうになり、やっと相手が悪人と気付く。
悲鳴をあげるも既に遅い。
「誰かっ!助けてぇええ!!」
「黙れって、なぁ……お嬢ちゃん……」
ニヤニヤと気持ち悪い顔。
発情してしまってるクソだった。
もちろん、こんな碧に
危険があったっておかしくはないので
遥太は、碧に発信機的なのをつけておいた。
だから、変な位置で止まっていれば
そこに駆けつける。
「おい!何してんだよ!」
その時、遥太は、手ぶら。
まあ、仕方のない話だ。
日本は法律だなんだで狭いし、窮屈だ。
案の定、2人とも、拘束だ。
誰も助けに来る筈がない。
こんな状況だからこそ二人の頭に浮かんだのは……
「おかあさーーーーーーーん!!
助けてぇええ!!」
と、碧。
「だれか……たすけて……
もうこの際犬でもなんでもいい……たすけて……」
と、遥太。
ネガティブと、マザコンだった。
カンッ
スパンッ
キンッ
カチャッ
「ってぇえええ!!」
いきなり、不良たちは叫び出す。
碧の顔の前に転がってきたのはBB弾だった。
だけど、不良達の肩からは血が流れたりしていた。
「おいおい、うちの島荒らしてんのか?おい?ぁあん?」
ヤクザだった。
二人を助けたのは不良達よりもガラの悪いヤクザ。
何も不良相手に本物使うことはないだろうと
思っていた。
すると、不思議になるのはBB弾。
実弾だけならBB弾なんて転がってるはずはない。
わずかな期待が二人の胸に……。
なんてことはなく、ただ恐怖に怯えていた。
「って!お嬢、何すんすかぁ!」
「ったく、馬鹿かよ。
お前ら、助けた奴らまで怖がらせてどうする。
ほら、あんたら、大丈夫か?立ちな。」
少女の腕にはブレットに渡したブレスレットがあった。
少女の匂いに覚えがあった。
少女の声に覚えがあった。
少女の耳には弾丸のピアスがあった。
少年の頬にガンと同じ傷があった。
少年の匂いに覚えがあった。
少年の声に覚えがあった。
少年の耳には銃のピアスがあった。
少女の髪飾りに見覚えがあった。
少女の匂いに覚えがあった。
少女の声に覚えがあった。
少女の耳にはハートのピアスがあった。
3人は気付いた。
相手が昔からの友達だと。
これが、感動の再会になる。
★☆★☆★☆◆◇◆◇◆◇
「と、これが過去話です。
架奈の名前を知ったのはそのあとで
クラスの自己紹介の時です。
架奈と遥太は昔付き合ってたことには
1度も触れずじまいです。」
すごくご丁寧な説明だ。
別に辛い過去があったのは、碧じゃないらしい。
まあ、入院していたから、つらかったか。
聞いてると、三人とも痛い子だよな……(笑)
ていうか、付き合ってたことに触れず終いってことは
まだ、正式には別れてないってことだろ?
おいおい、待ってくれよ。
海結を傷付けるようなことがあってくれるなよ。
「ありがとう、碧。」
自然な流れだったと思う。
碧の頭をポンっとした。
「いえ、いいんです。
過去って恥ずかしいです…。
だから、少し話すのに抵抗がありました。」
そりゃ……厨二病患者だったんだもんな(笑)
まあ、3人のことはよくわかった。
本当、腐れ縁なんだな。
「まあ、ありがとうな。
んじゃ、引き続き二人を探そう。」
走り出そうとすると、裾を引っ張られた。
なんだ……?
碧はうつむいている。
「あの……私は海結ちゃんに幸せになってもらいたいです。
でも、それ以上に
また、架奈と遥太に笑顔になって欲しいんです!
絶対に付き合って……欲しいんじゃなくて…
ただ……また、笑って欲しいんです…」
碧……
友達思いなんだな…
友情をここまで大事にしてる女の子がいるんだな……
俺は…海結に泣くようなことは二度とさせたくない…
でも…海結は本当に……
ぁあ……むしゃくしゃする!!
「わかったよ。
頑張ろうぜ、俺らで協定組もう。」
碧と俺の目標。
大事な人を笑顔にする。
えがおをまもる。
なんだか、すごく くすぐったかった。
昔からこんなふうに友達と手を組むことなんてなかった。
好きな女の子はできたことはあった……。
でも、こんなふうに
二人で同じ目標を持って協定組むことなんてなかった。
プルルルルルルルルルルルルルル
プルルルルルルルルルルルルルル
そんなホワッと暖かい空気を切り裂いたのは
着信音だった。
「ん……?海結。」
「あ、私は架奈です。」
「「もしもし……」」
『お前は今どこにおるんじゃぁぁぁぁぁあ!!!』
海結を探しに来たのに
何故か俺と碧が怒られた。
家に急いで帰ったら、祐叶は酒を買ってたらしく、
夕衣に飲ませたらしい……。
まじでやめてくれ。
「んたねぇ……大体、あんたが悪いのよぉ……
ヤリちんがぁ……」
ベロンベロンに酔った夕衣によくわからん愚痴……。
くそだろ……まじで……。
つか、ヤリチンとか、ゆうなよ。
俺、そんなじゃねぇ……
「どうにかしろ、祐叶。
そして、さっきのことわすれたわけじゃねぇぞ、ぁ?」
「まあまあ…」
とりあえず、一回ぶん殴った。
これで今回は済ませてやろう。
「お前ら、全員名前呼びしていいか?」
俺は祐叶の胸倉を掴みながら
みんなに問いかける。
すると、オッケーの返事。
たすかる……(笑)
名字呼びして、呼び捨てでもいいけど
それだと、いろいろめんどくさい。
「んじゃ、まぁ
今日はみんな帰れよ、もう遅いし。」
「お兄ちゃん、皆泊まってもらう。」
は?
泊まってもらうだと?
無理に決まってんだろ。俺、これからバイトだし。
それに、そもそも場所がない。
「だめだ。我儘言うな。」
俺は冷たくいうしかなかった。
泊まりだけは流石に無理だ。
「だって夜こわ……」
「海結。ダメだって言っただろ。
俺はこれからバイトだ。
いつもみたいにいい子で留守番してろ。」
怖いとか寂しいとか……
そんなことを言われると俺が悪者だ。
俺だって、海結を一人にしたいわけじゃないのに。
「柳緋。いーじゃんよ。海結ちゃん
いっつも、恐がってるし
今日は、あいにく雨だし」
全部知ってる祐叶は、天気のことを指摘した。
外を見るとさっきまで快晴だったのに雨が降っていた。
流石に雨の日に海結を一人にできない。
「はぁ……もういいよ。
今から、1時までいないから
海結のこと頼むよ。
家は親がもう死んでていないから自由に使って。
仏壇に手合わせといてね。
んじゃ、行ってきます。」
サラッといったからか、
行ってきますに対する返事が帰ってきたのは
海結と祐叶と夕衣の声だけだった。
さぁ……バイト行こう…。
防犯対策のエアガンを持っていく。
ちなみに、コンビニのバイトだ。
「こんばんは、逆神柳緋きましたー。」
裏口から入って店長に挨拶をする。
まあ、店長は俺がついたから帰るけどね。
深夜バイトの枠に入るから金は高い。
先生とかに見つかっても家の事情が事情だし
既に報告済みなので問題ない。
「じゃ、柳緋くん。あと、よろしくねー」
はぁ……頑張るかな。
一緒にバイトする愛海 絃。
初めて聞いたとき赤い糸っ(笑)
ってなって、どんな奴かと思ってたんだよな(笑)
男か女かすらわかんないなぁ(笑)
とか思ってたら、正体は『女装男子』だった。
目がクリクリで、睫毛長い。
肌は白くて、頬はほんのり紅い。
髪の毛はストレートで長い黒髪。
唇もリップ塗ってるらしくいつも潤っている。
+ピンクの口紅つけてる。
女の子と見間違えても仕方ない。
声も、声変わりしてないという羨ましい限り(笑)
「柳緋君、こんばんは。今日もよろしくね♡」
まぁ、キャラはどぎついけドネ(笑)
何故か、語尾に♡がつくし、怒ったとき怖いんだよなー…(笑)
「こんばんは。絃は、今日は何時から入ったんだ?」
まぁ、コイツの女装してる理由ってのは
スゲェくだらないことで
親にバイトしてるの知られたくない。
そんなのしられたら親子の縁を切られるっ!!
とか言ってたが、
むしろ、女装してた方が縁切られるだろ…普通。
とか思いつつ、何も言わなくてもうどれくらいだろうか…。
「今日?今日はねぇ、16時からだよぉ♡」
「てか、絃。
その喋り方じゃなくてもいいだろ、
今他に誰もいないんだから。」
こいつが、女装男子だと知ってるのは俺だけだそうだ。
一番最初の時に、コイツが近くの公園で
男子トイレに入って男子用制服で出てくるのを見たから…(笑)
最初は、あれ?男装か?
とか思ってもみたけど、わざわざ男装に
リスクの高い男子便に入る女子はいないと思い接近した(笑)
そしたら、睫毛とか長くなくなってたし
あれ?別人かってなったけど
やっぱ面影あって
「え?お前、女装男子だったの?」
とか聞いた俺はその直後病院送りにされた。
というのも、ただ気絶させられただけだがな(笑)
「ぁあ、まあ、確かにな。
てか、柳緋さー、今日 女と歩いてたよね。」
え?なんで知ってんだ??
コイツ、4時からバイトだったんだろ?
「コンビニの前通ったろ。」
あ、そうか。
帰り道に通るんだよな。
ぁあ、その時だったら海結とだな。うんうん。
「それは、妹の海結と…」
「お前焦ったってことは
妹以外とも歩いてたんね(笑)
まあ、興味無いけど。」
くっそ、こいつ…
しかし、今日は客が少ない。
まあ、いつもこんな感じなんだがガランとしすぎだ。
この曜日はよくこんなことがある。
だからこそ、不安になる。
チェックされてて強盗来るんじゃねぇかと…(汗)
「おい!お前ら!金を出せ!!」
お?本当に強盗き……
エアガン取り出す。足元狙う。
「えいっ」
パンッ
よろめいて黒いローブが取れる。
うん、やっぱりお前か。
「何しにきたんだ、祐叶。
後、その他諸々の馬鹿ども。」
ゾロゾロとでてきた。
この大人数でよく来たな。恥ずかしいだろ、普通。
しかし、雨が怖い海結とベロベロに酔った夕衣、
恐らくそれの看病などに着いた晃理と姫雪の
四人は家にいるのだろう。
つまり、面倒なやつが来てるということだ。
祐叶、架奈、碧、遥太……。おうふ……。
そして、面倒なこと2個目。
女装男子が、俺にくっついている。
「ちょい、絃、離れろ。誤解招くだろ。」
うん、コイツわざとやってるな★
離れようとしないし、がっちり掴んでやがる。
困るー、すごく困るー!!
「恐かったもん……♡」
くっそやん!こいつぅ!!!
だから、最終奥義
「いいのか、ばらしても。」
すぐ離れた(笑)
コイツにとって、女装男子ということは
恥ずかしいのだろうか、よくわからん。
楽しんでるところもあるのに(笑)
てことだったんだが、
あいつらは少し誤解をしたまま
買い物をして帰ってしまい、
俺は深夜までバイトをして、とりあえず
家に帰りましたとさ☆
そして、普通にいつもどおりに寝るはずだったんだが……
「好きだから、あっちに…」
「ちょ…おま……馬鹿!そっちは!!」
結局この日は寝れなかった。
気になる展開で終えてみました。
さて、つぎの3話を出したら
【片想いが長かったら重い?思いが大きいだけです!】
の、次話をいよいよ出したいと思います。
3話とほぼ同時に……のつもりですので
少しまた時間がかかってしまいますが
首を長くしてお待ちください。
本当に申し訳ありません。
みなさんに笑っていただける作品
感動していただける作品を
どんどん、生み出していきます。
紅蓮の殺戮天使のお話を楽しんでください!
お暇があれば、ほかのお話も読んでいただけたら光栄です。
では、次話にて、なるべくお早くお逢いいたしましょう!




