第四十話
「それでは、まずはここの説明をしなければな」
「そうですよ。今更ですがここはどこなんですか?」
「ここは戦艦、戦艦メテオ=ノームの医務室だ」
響助はなるほど、と思った。それならば色々な薬品がここにあるのも納得できた。しかし、引っかかるものを感じた。
「せ、戦艦!そんなものがこの島のどこに」
「下だよ、下。女神像の下。つまり、深海」
舞は指で下の方を指す。
「戦艦、深海、にわかには信じられませんね」
「大丈夫だ。すぐに信じるようになる。さて、そろそろ行くか」
「そうね、お姉ちゃん」
「さあ、行くぞ音無」
「え、どこへ」
響助は呆気にとられていた。
「もちろん、戦力のあるところさ」
舞と京香は立ち上がると移動しようとする。
白い部屋からは白い廊下がまっすぐと伸びている。
「ついてこい」
二人は白い部屋を出て、白い廊下を進んでいく。響助は若干遅れながら、二人についていく。
「ところでここの名前、メテオ=ノームって、誰が名付けたんですか?」
「ん?昔のレジスタンスのリーダーだが」
「昔ってことは、結構歴史があるんですね」
「そうだ。老若男女、様々な何代ものリーダーがいたぞ」
そんなにも長く戦っているとは、スフィアは一体どんな人物なのか。とても、恐ろしい人物なのだろうか、というか「人」なのだろうか。「人」を超えた存在ということか。
「スフィアは本当に恐ろしい敵ですね」
「ああ、だからこそもっと我々は、力をつけなければならないんだ
白い廊下はまだ続いていく。
「力ですか」
響助は自分に何ができるのか、疑問に思った。
「そうだ、力だ」
舞と京香は止まった。
「着いたぞ。ここが格納庫だ」
そこには巨大なモノがあった。