第三十九話
「それでは、三幹部についてだ」
ホワイトボードに三人の名前が書かれる。
「最初に仮面の学者ウィーン。こいつはスフィアお抱えの学者だ。厄介な兵器や技術は主にこいつが生み出している。人体実験なども平気でする危険な奴だ。何度か戦ったが一筋縄ではいかなかった」
「どんな兵器なんですか?」
「改造ノイズや、音叉、戦艦、楽機だ」
「改造ノイズ、楽器?ノイズや、楽器が武器になるんですか?」
「それらについては順を追って説明する。だから、少し待ってろ。それと楽機は楽しいに器ではなく、機械の機をあてて楽機だ。後で実物を見せてやる」
「はあ」
「次は人形師ゲドール・マータ。こいつはウィーンよりも残虐な奴だ。自分の目的のためなら手段は選ばず、何でもするモノだ」
「何でも?」
「人さらいや、墓荒らし、遂には自分の体ですら改造して、自身をも人形にした。それはおぞましい姿だったよ」
「自身を改造…」
響助はその姿を想像し、身震いした。
「こいつも癖ものだ。何度倒しても、自己修復してくる」
「うわー、嫌な敵ですね。ゲームに出てきそう」
「どれほどの犠牲者がでたことか」
舞は悔しそうに言う。
「そして、最後に女騎士ライラ・エル・ジェインだ」
「女騎士ですか」
「こいつは強い。ただ純粋に強い。三幹部の中で恐らく一番強いだろう。他の二人とは違って正々堂々を好む」
「まさに騎士ですね」
「ああ。何度か戦ったことがあるが、傷一つつけることができなかった」
「そんなにつよいんですか」
「まあ、我々の戦力がおよんでいないというのも理由の一つなんだがな」
「ところでこちらの戦力ってどうなってるんですか?」
「見たいか?」
「は、はい」
舞はにやりと笑った。