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第二十八話

冷たい無機質の仮面に素顔を隠した物、ウィーン。



彼は科学者だった。



彼は死ぬのが怖かった。だから、何とかして死なずにすむ方法を探していた。ただひたすらに世界の真理を追求していた。だが、限界に近づいていた。どんなに科学を学んでも、老いには勝てなかったのだ。


結局、彼はあっさりと死んでしまった。



しかし、彼は再びこの世に呼び戻された。



スフィア・ド・エルシエールの手により、部下として。



彼は驚愕した。


自分がどんなに科学を学んでもできなかったことを、平然とやってのけたスフィアに。


こうして、ウィーンはスフィア直属の科学者として、以前より整えられた機材を用いて、より真理の奥深くに近づくことになった。


そうして、様々な兵器を作り上げてきた。


「女神像」「女神の目」

「ノイズ」「楽機」


この様々な研究結果は成果をあげ、抵抗する者達を排除してきた。特に「女神像」はレジスタンス達を一気に排除したうえに、次の研究素材まで見つけだした。


女神像−ローレライにあんな機能があるとは制作者である自分にもわからなかった。最初は両者ともに自爆して消滅したのだと思った。


実際は違った。


まさか時限跳躍をして、別の世界に行ってしまうとは、想定外だった。「女神の目」が完成し、別の世界の映像が流れたときは、鳥肌が立った。


ここでならば、私の探し求めていた物が見つかるかもしれない。


心を消耗しない、別次元の人間達。


実験したい。研究したい。


頭の中では様々な考えが渦巻き、思考の楽譜を構築している。消耗しない心ならば、我々には容易でないこともできるようになるし、様々な兵器にも利用できる。これは素晴らしいことだ。


だが、とりあえず今は向こう側にあるローレライを起動させることが最優先だ。早く波長の合う人間が見つかることを祈っておこう。

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