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第二十七話

黒い大きなマネキンが並べられていた。黒いマネキンは一つ一つ、頭を取られては横に流されていく。その様子を眺める者がいた。黒い金属の仮面が不気味に光を反射している。その視線の先には首を取られたマネキン達が並べられている。そして、上からアームが伸びていき、首の無いマネキンに大きなスピーカーの様な物を首の代わりに取り付けていく。



仮面の男、ウィーン。



「早く作業を進めろ。向こう側に攻め込むには、まだ足りない」


彼は白衣を着た者達に指示をすると、椅子に座ってモニターを開いた。


「地球」


向こう側の世界にある、あの青い星の名前らしい。どうやら、我々とは大きく異なっているようだ。まず、世界を支配している者が多数いるということだ。総理大臣に、大統領、宰相と、我々の様に一人が支配している訳でなく、その者達が繋がりあって世界を支配しているのだ。



ならば、その繋がりを断ち切ってしまえばいい。



大きな都市から一気に攻めていく、そうすれば人々は混乱し、自滅するだろう。我々にはそれだけの力があるのだから。


黒いマネキンが改造され、どんどん流されていく。



これは「ノイズ」だ。



世界の音を乱す雑音である。


心から生まれる歪みである。


この星特有の鉱石「バイレート」から生まれる無機生命体だ。バイレートは心に反応し、力を増幅したり、特有の能力を発揮したりする。未だに不明なことの多い鉱石である。その鉱石が何らかの理由で、ある反応をすると、「ノイズ」として生まれ変わる。そして、我等がバルソリュート帝国では「ノイズ」を改造し、兵器として利用している。


正直、今の向こう側の技術や、戦力で我々に抵抗するのは不可能だろう。だからこそだ。だからこそ全力で攻め込み、我等の物にする。そのための準備は整いつつある。「女神の目」の数は揃った。後は向こう側の「女神」とリンクさせることで、自由に行き来することができるようになる。


さらに、まだ我々と大きく異なっていることがある。


どうやら「心」が無限に力を発することが出来るらしいのだ。


我々にとって「心」は生命だ。だから、無闇に使うことはできない。しかし、地球の人間には「心」をエネルギーとして使う技術が無いとしても、「心」を消費している様子がまるでないのだ。


「これは使える」


ウィーンはそう思うと、新たな装置の設計に取り掛かった。

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